Webライターが経験する成長の壁とは
単価が思うように上がらない。案件に何度応募しても、なかなか受注に結びつかない。クライアントからの「もう少し」というフィードバックに、具体的な改善点が見出せない…。
こうした悩みは、決して特別なものではありません。むしろ、プロのWebライターとして成長していく過程で、誰もが直面する重要な転換点と言えるでしょう。
伸び悩みを感じるということは、自身の現在位置を客観的に認識できていたり、新たな学びの必要性に気づいていたりする証拠だからです。
伸び悩みを解消するには「変化」を受け入れること
では、伸び悩みを解消するには、具体的にどんな行動が必要なのでしょうか。結論から言うと「学び方を変える勇気を持つこと」です。
これまでの方法が通用しないと感じたとき、多くの方は「もっとがんばろう」と今までのやり方にこだわりがちですが、必ずしも最適な選択とは言えません。
重要なのは、自分の現状と向き合い、新たな学習方法を検討する勇気を持つことです。
それでも、「変える必要性はわかるけど、自分にはどんな学習方法が向いているんだろう?」という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
次の見出しでは、独学・コミュニティ・スクールという3つの代表的な学習法について、それぞれの特徴と選び方を詳しく解説していきます。
Webライター向け3つの学習法の特徴と選び方
最初に、それぞれの学習方法についての概要を紹介します。
- 独学:費用を抑えて自分のペースで学べる
- コミュニティ:第三者とのつながりや人脈を広げやすい
- スクール:専門家による手厚いサポート下で効率的に学習できる
詳しくチェックしていきましょう。
独学の特徴:0円からスタートできる自己学習
独学の魅力は、費用がかからず、自分のペースで学習を進められる点です。YouTubeやブログ・書籍など、豊富な情報源から学びたい知識を得られるため、ピンポイントの学習に向いた方法と言えるでしょう。
一方で、「モチベーションの維持が難しい」という課題があります。目標や進捗管理を自分だけで行うため、継続的な学習が困難になりがちです。また、自分の文章や記事の質を客観的に評価することが難しく、本当に実力がついているのかの判断が難しい側面もあります。
締め切りがないと行動できなかったり、フィードバックがないと不安になったりする方は、別の学習法が向いているかもしれません。
コミュニティの特徴:第三者とのつながりや人脈を広げやすい
オンラインコミュニティやSNSグループでの学習は、同じ志を持つ仲間との情報交換や切磋琢磨できる環境を求める方におすすめです。先輩ライターの経験談や、実践的なアドバイスを得られる機会も多く、モチベーション維持にも効果があります。
しかし、コミュニティに参加するだけでは大きな成長は望めません。
- 情報収集に終始する
- 他メンバーの活動を眺めるだけ
上記のように受け身な姿勢では、成長の機会を得るのは難しい側面があります。そのため、コミュニティも自らの課題に対し、積極的に解決策を求められる方向けの学習方法と言えるでしょう。
スクールの特徴:コストはかかるが学習効率は高い
スクール最大の特徴は、体系的なカリキュラムと専門家からの直接指導を通じて成長できる点にあります。SEOやマーケティングなど、実務で必要なスキルを総合的に学べるのはもちろん、添削指導を通じて着実な実力向上が期待できます。
特に先述した2つの学習方法と異なるのは、「客観的な評価が得られること」です。
メジャーリーガーである大谷翔平選手の少年時代を支えた佐々木監督や、フィギュアスケーターの羽生結弦選手とブライアン・オーサーコーチなど、プロフェッショナルの成長には信頼できる指導者の存在があります。
Webライターの成長も同様で、専門家による的確な指導が効果的と言えるでしょう。
スクールのデメリットとしては、成果が出るまでに数か月の時間と、数十万円程度の費用が必要な点です。
早期からの専門的指導による基礎固めや、個性を活かした学びが得られる部分は、長期的に見れば何物にも代えがたい価値があります。しかし、高額な費用に見合った効果があるかを考えると、入学への決意に踏み切れない部分も悩ましい点と言えるでしょう。
Webライター1年目の私が経験した3つの学習法
ここからは、私自身が1年間で経験した3つの学習法について、時系列に沿ってお話しします。
●独学での挑戦(2023年5月~8月)
○0からのスタートで、基礎知識とスキルの習得に奮闘
○初案件の獲得と挫折を経験し、独学の限界を実感
●コミュニティでの経験(2023年9月~2024年2月)
○オンライン講座や情報収集で知識を深める
○能動的な参加の重要性に気づくも、成果を出せずに悩む
●スクール入学後の変化(2024年3月~現在)
○体系的な学びと実践的なフィードバックで成長を実感
○具体的な成果が表れ始め、プロとしての自信を獲得
それぞれの学習法で得た気づきや成長のプロセスを、具体的にご紹介していきます。
独学での挑戦(2023年5月~8月)
2023年5月に会社を休職し、7月に開業するまでの2か月間、私は独学でWebライターに関する基礎知識を学ぼうとしました。
- ブログ記事や書籍で基礎知識を吸収
- YouTubeで実践的なテクニックを学ぶ
- 個人コンサルティングで添削指導も受ける
これらの入念な準備が功を奏したのか、開業からわずか1週間で初案件を獲得。文字単価0.5円×8,000文字×10記事で、求人サイトへ支払う手数料を引かれて1記事あたり約3,500円。当時の自分にとって大きな自信となりました。
しかし当時の私は、クライアントからいただいたフィードバック対応を前に、途方に暮れることとなります。
「ここは○○という表現に書き換えてください」
「私の認識と違うので調整してください」
コメント内容に沿って修正する日々が続き、結果的に4記事を書いた段階で心身ともに疲弊したため、残りの記事は辞退せざるを得なくなりました。これが、プロのライターとして最初に感じた挫折です。
その後受注できた案件も、平均文字単価0.5円、最高でも1.0円という水準から抜け出せず、いわゆる「低単価地獄」に陥ってしまったのです。
振り返ってみると、当時の私には3つの致命的な誤りがありました。
- 「未経験でも独学でなんとかなる」という甘い認識
- 目の前の案件処理に追われ、スキルアップの時間を確保しなかったこと
- 営業力より文章力の向上を優先させてしまったこと
こうした経験を通して、私は独学の限界を感じ始めました。「自分以外の意見に触れる必要がある」と考え、Webライター専用のコミュニティへの参加を決めたのです。
コミュニティでの経験(2023年9月~2024年2月)
当初、コミュニティには魅力的な要素が数多くありました。オンライン講義や講師陣による実践的なWebコンテンツなど、独学時代と比べものにならないほど濃い学習機会を提供してくれたのです。
特に有益だったのは、クローズドな専用チャットの存在でした。いつでも質問できる環境があり、過去ログを辿るだけでも多くの疑問が解決できる、私にとっては理想の環境です。
しかし、参加から半年が経過しても、私の状況に変化はありませんでした。文字単価は依然として0.5~1.0円を行き来しており、スポットで1.5円の案件を受注できる程度です。
そこで気づいたのは「コミュニティとは自分の活動範囲を広げるための場所であり、学習スタイルは独学とほぼ変わらない」ということでした。
- メンバーと積極的に交流する
- 具体的な質問を投げかける
- オンライン講義にリアルタイムで参加する
上記のような能動的な行動を取らない限り、独学時代となんら変わらない環境だったのです。独学で成果を出せなかった当時の私にとって、コミュニティは最適な学習方法ではなかったなと、今では思います。
私に必要だったのは「学べる環境」ではなく、「学びが義務づけられる環境」だったのです。
スクールへの入学と入学後の変化(2024年3月~現在)
スクール入学のきっかけとなったのは、ある著名なスクール代表との無料面談でした。その際に教わった言葉が、私のキャリアと考えを大きく変えることになります。
「スキルを磨くことも大切。重要なのは『そのスキルでどうやって売上を立てるのか』を考えること」
これまでの私は「良い記事を書けるようになれば、自然と高単価の案件が来るはず」と漠然と考えていました。しかし、プロのライターとして成功するためにはお金と時間を軸にして、必要なテクニックを学ぶという戦略的アプローチが必要だったのです。
この気づきをきっかけに、私はスクールで基礎から学び直すことを選びました。
入学後、少しずつ成果が表れ始めます。文字単価は平均2~3円にアップし、SEO記事に加えてホワイトペーパー制作など、より専門性の高い案件も獲得。案件数も営業なしで月3~4件を安定的に受注できるようになりました。
この成長の背景には、次の要因があったと考えます。
- 個別指導による的確なフィードバック
- 定期的な課題設定による継続的な学習
- 講師との密なコミュニケーションで不明点を即時解消
独学やコミュニティで伸び悩んでいた私にとって、こうした環境の変化が大きな転換点となったのです。
まとめ:最適な学習方法は「自分の悩み」と向き合うことで見つかる
最後に、各学習方法の特徴をまとめました。
項目 | 独学 | コミュニティ | スクール |
---|---|---|---|
費用 | 無料 | 月額数千円〜 | 数十万円〜 |
メリット | ・マイペースに学習可能 ・費用を抑えられる ・時間を柔軟に使える |
・情報交換しやすい ・人脈形成が可能 |
・専門家の直接指導 ・体系的なカリキュラム |
デメリット | ・客観的評価が難しい ・継続が困難 ・成長に時間がかかる |
・情報過多に陥りやすい ・能動的な行動が必要 |
・費用が高額 ・時間的拘束がある |
向いている人 | ・自己管理能力が高い ・計画的に学習できる |
・仲間と切磋琢磨したい ・人脈を広げたい |
・短期間での成長を目指す ・体系的な学びを求める ・専門家の指導を希望 |
結論として、学習方法の選び方は「個人の状況や目標」によって大きく異なってきます。
私自身はスクールに入学して成長を実感できましたが、それは「学びが義務づけられる環境でなければ成長できない人間だったから」です。
自己管理能力が高く、課題発見から解決までを自力で進められる方なら、独学の方が効率的かもしれません。人脈の拡大や多様な知見の獲得を目指す方なら、コミュニティでの学習も非常に有効な選択肢となるでしょう。
- 現在の課題は何か
- 自分はどのように学ぶと効果的なのか
- どんな環境であれば継続的に成長できるか
上記の問いに向き合うことで、自分に最適な学習方法が見えてくると私は考えます。本記事の内容が、あなたに合った学習方法を見つける一助となれば幸いです。
この記事を書いたライター
藤田ユウキ
40歳経験ゼロから開業した専業ライター。「たった一度の人生だから」と小売店・病院・人材派遣会社と異業種を渡り歩いた末に一念発起し、ライターとなる。特化ジャンルは無いものの、わかりやすい表現を用いた初心者向け記事を得意とする。入念...