Webライターの文字単価を決める要因3つと単価の相場
Webライターの報酬形態の一つが、文字単価です。1文字あたりいくらかが決まっていて、書いた文字数で報酬額が算出されます。
例えば文字単価2円の場合、5,000文字の記事を書くと、2円×5,000文字=10,000円の報酬となります。
文字単価を左右するのは、主に次の3つの要因です。
- ライターのスキルレベル
- 記事の種類
- 記事の専門性
それぞれ具体的に解説していきます。
ライターのスキルレベル
ライターのスキルの高さに応じて、文字単価は変動します。経験年数をスキルレベルの目安にすると、文字単価の相場は以下のようになります。
スキルレベル | 経験年数の目安 | 文字単価の相場 |
---|---|---|
未経験〜初心者 | 1年未満 | 0.5~1円未満 |
脱初心者〜中級者 | 1~2年 | 1~2円 |
中級者〜上級者 | 数年以上 |
3円~20円 |
国家資格を持っていたり取材ができたりする場合は、経験年数が短くても文字単価が高くなります。上記の相場は、あくまで目安と考えてください。
当然ですが、ライターのスキルレベルによって、書ける記事の種類も変わってきます。次は、記事の種類という視点から、文字単価を確認してみましょう。
記事の種類
どのような記事を書くかも、文字単価を決める要因の一つです。
記事の種類 | 内容 | 文字単価の相場 |
---|---|---|
モニター(レビュー)記事 | 商品・サービスの感想 | 1円未満 |
コラム記事 | 一般的なテーマ | 1~3円 |
コラム記事 | 専門性が高いテーマ |
5円以上 |
SEO記事 | 一般的なジャンル |
3〜6円 |
SEO記事 | 専門的ジャンル(美容・不動産など) |
10〜15円 |
インタビュー記事 | 取材内容を元に作成 |
10円 |
モニター記事は、専門性が不要で誰にでも書けるため、文字単価は低くなります。文字数も300〜500文字程度なので、まとまった金額を稼ぐことは難しいでしょう。
テーマに関する経験や知識が必要なコラム記事や、SEOの知識が必要なSEO記事は、モニター記事よりも文字単価が上がります。その中でも、美容や不動産など専門的なテーマの記事であれば、さらに単価が高くなります。
インタビュー記事は、取材のスキルが必要な上、事前準備や文字起こしなど作業量が多いため、文字単価は高めです。
記事の専門性
内容に専門性が求められる記事ほど、文字単価は高くなります。
特に、金融や法律、健康といった読者の人生に大きな影響を与えるテーマの記事は、信頼性と安全性を確保するため、ライターには専門的な知識や資格、豊富な経験が求められます。文字単価は、1文字6~20円程度が相場です。
専門性は、Googleのウェブサイト評価基準「E-E-A-T」(「Experience:経験」「Expertise:専門性」「Authoritativeness:権威性」「Trustworthiness:信頼性」の頭文字をつなげたもの)の一つでもあります。このことからも、Web検索において記事の専門性が重視されていることが伺えます。
文字単価以外の報酬形態
Webライターの報酬形態は、文字単価以外に次の3つがあります。
- 記事単価
- ページ単価
- 時給単価
それぞれ、どのように報酬額が決まるのか確認しておきましょう。
記事単価
記事単価とは、1記事分の報酬額です。1記事あたりの文字数目安は指定されていますが、実際の執筆文字数に関係なく、記事数に対して報酬が支払われます。
記事単価10,000円の記事を2本書いた場合、10,000円×2記事=20,000円の報酬です。
一般的には、中級〜上級レベルのライターへの依頼によく用いられる報酬形態ですが、クラウドソーシングでは、未経験者を対象に1記事数百円のモニター記事の依頼もみられます。
記事単価の相場は、ネット情報をまとめるコラム記事は1記事数百円〜3,000円程度、SEO対策を行う記事は3,000円〜数万円程度、取材記事は3万〜10万円程です。
ページ単価
Web媒体で用いられるページ単価は、HP制作においてサイト1ページあたりの報酬額を指します。
文章の執筆以外に、ページデザインや画像編集も作業範囲となります。ライティングだけでなく、Webデザインの知識も必要とされる仕事です。
ページ単価の相場は、サイトの種類や情報量によってさまざまですが、1万~20万円程度と想定しておきましょう。
時給単価
時給単価は、一般的なアルバイトなどと同様の、1時間あたりの報酬額です。
適用されることが多いのは、クライアントのオフィスに出勤して企画段階から参加する場合や、ディレクション業務、記事の校正・編集業務です。業務委託の外注のライターには、あまり用いられません。
時給単価の相場は、1,000~5,000円程度と幅広いです。業務範囲が、編集や企画など上流工程になるほど単価も高くなります。
圧倒的な実績と提案力があれば文字単価10円も夢じゃない
文字単価10円以上を目指すなら、実績と提案力が必要です。
上位表示の実績や記事経由の問い合わせ増加などを数字で示すことができれば、高単価案件を獲得できる可能性は高くなります。
そのためには、ライティングスキルに加えて、提案力も必要とされます。ポイントは、予算のあるクライアントに接触すること。SEO会社、広告代理店、予算に余裕がある中小企業経営者などに営業するのがおすすめです。
実績を作ると同時に提案力も磨けば、文字単価10円も夢ではありません。
初心者Webライターとしてまずは文字単価3円を目指そう
駆け出しのWebライターであれば、文字単価3円を最初の目標にしましょう。
文字単価が3円あれば、Webライターの仕事だけで生活することも現実味を帯びてくるからです。
例えば、文字単価3円で、5,000文字の記事を1日1本執筆するとします。
1記事あたりの報酬:5,000文字✕3円=15,000円
1ヶ月(20日稼働)の報酬:15,000円✕20日=300,000円
税金や社会保険料などを差し引く必要はありますが、月に30万程度稼げれば、生活が成り立つのではないでしょうか。これが、文字単価1円であれば、月に稼げるのは10万円です。これで生活するのは少し心許ないかもしれません。
文字単価3円は、生活が成り立つという意味で脱初心者の目安と言えるでしょう。
報酬だけじゃない!仕事を受ける前に確認するべきこと
報酬を考える時、文字単価に注目するだけでは不十分です。作業範囲や納期など金額以外の条件によって、文字単価の意味も変わってくるからです。
特にチェックしたいのは、次の2点です。
- 作業範囲
- 納期
理由を説明していきます。
作業範囲
記事執筆は、文字を書く以外に、次のような作業が付随することがよくあります。
- 企画
- キーワード選定
- 構成作成
- 画像選定
- Webサイト
渡された構成に沿って執筆するのか、構成作成から執筆まで担うのか、企画を立てるところから始めるのか、作業範囲によって負荷は大きく変わります。
請け負う作業範囲を事前にきちんと確認し、作業負荷と文字単価のバランスが取れているか見極めましょう。
納期
納期の長短も、作業負荷を左右します。極端に納期が短いと、負担が増したり、ほかの案件に割く時間が圧迫されたりする可能性があるからです。
そのため、納期がタイトな場合は、単価が高めだったり、特急料金が設定されていたりすることもあります。
受ける案件が無理な納期でないか事前に確認し、場合によっては交渉する視点を忘れないようにしましょう。
初心者が文字単価を上げるポイント5選
初心者ライターの文字単価は低い傾向がありますが、次のポイント5つを押さえて、文字単価アップを目指しましょう。
- ライティングの勉強をする
- レギュレーションを守る
- 専門性を高める
- ポートフォリオを充実させる
- クラウドソーシング以外で案件を探す
一つずつ解説していきます。
ライティングの勉強をする
まずは、基本的な文章力やSEO対策など、Webライティングの基礎を一通り勉強しましょう。
検索すると、先輩Webライターがおすすめする書籍やWeb教材が見つかります。初心者向けの教材や情報を活用して、まずは基礎を固めましょう。
勉強しつつ、実際の案件をこなしていくことも忘れないようにしてください。手を動かして書いたり、クライアントとやり取りをする中で、得られることも多くあります。
レギュレーションを守る
執筆のレギュレーションがある場合はしっかりと読み込みましょう。クライアントやメディアによって要求される内容もさまざまなので、先方が求める記事を書くことに集中しましょう。
また、一度修正を依頼された内容は、次回以降指摘されないようにすることも信頼を得る上で大切です。
専門性を高める
資格をとったり経験を積んだりして、専門性を高めることは文字単価アップに有効です。
自分にはこれといった専門がない、という人もいるかもしれません。その場合は、興味がある分野・得意な分野・少しでも経験のある分野を深めていくのがおすすめです。
特に高単価になりやすいジャンルは、医療・金融・転職・不動産などです。
ポートフォリオを充実させる
効率よく案件受注するために、ポートフォリオは欠かせません。
ポートフォリオには、上位表示記事や記名記事、単価や連絡先などを記載します。実績や得意ジャンル、報酬目安を伝えることで、クライアントからの依頼が増えていきます。
未経験で実績がない場合は、自分のブログを開設してポートフォリオとして利用しましょう。
ブログ運営の経験があれば、Web記事作成のスキルや文章力、検索の上位表示の実績を示すことができます。また、WordPressを使ったブログであれば、WordPressの入稿作業まで対応できることをアピールできます。
クラウドソーシング以外で案件を探す
クラウドソーシングは、実績がなくても仕事を受注しやすいので、初心者のうちはおすすめです。ただし、受注のハードルが低いということは、単価が低くなりがちということでもあります。
ある程度経験を積んで実績が貯まったら、クラウドソーシング以外で受注することに挑戦しましょう。例として、次のようなプラットフォームを利用するといいでしょう。
- X(旧Twitter)
- Wantedly
- クラウドリンクス
- Reworker
プラットフォームの利用以外にも、ライターの仕事を探していると日頃から周囲に伝えたり、副業やフリーランスのコミュニティに所属して人脈を広げたりすることも、案件獲得に役立ちます。
まとめ|初心者Webライターの文字単価は安いが徐々にアップさせていこう
ライターの仕事は誰にでも挑戦しやすいからこそ価格競争が起きやすく、初心者のうちは文字単価も低いことがほとんどです。最初は、作業量の割に稼げないかもしれません。
ライター業の収入を増やすために欠かせないのが、文字単価のアップです。
今回紹介した、ライティングの勉強をする、専門性を持つ、高単価が狙える場所で営業する、など文字単価アップのための行動を、焦らず積み重ねてください。継続すれば、少しずつ文字単価の高い案件をこなせるようになるでしょう。
この記事を書いたライター
Mojiギルド編集部
Mojiギルド編集部です。ライティングノウハウやスキルアップなど、ライターさんに役立つ記事を公開していくほか、Mojiギルドからのお知らせ、時には編集部員のつぶやきも…。ライターの皆さまとのコミュニケーションを楽しみながら、大事にしたい!