ライターに素質は必要なのか?

ライターに素質は必要なのか?

まず、どんな仕事においても同じことが言えると思いますが、基本的にはどんな仕事であっても素質や才能がなくてもある程度こなすことはできます。なぜなら、ある程度の基本技能は習熟スピードに差はあれど、誰でも努力をすれば習得可能だからです。

なので、一定の才能がなければ絶対できない仕事というものは一部の特殊な職業を除き、ないと思っています。特にライターは文章を書く仕事であり、それだけを見れば誰もが子どものころから当たり前に行ってきたことが仕事になっているので、垣根は低いと思います。

ただし、それを仕事としてずっと続けていくには確かにある程度の才能は必要なのかもしれません。まず、そもそも書くことがそれほど好きでない人には、ずっとなにかを書き続けるということは拷問のようなものでしょう。

そういう意味で言えば、私は特に文章を書くことが好きだと思ったことはありませんが、子どものころから苦に思ったことはありませんでした。

子どもが苦手な夏休みの課題の代表格である読書感想文もむしろ早々に終わらせているタイプでした。初めのうちはしっかり内容を読んで書いていたのですが、ちょっとひねくれていた少年時代の私は、早いうちにあらすじを見て内容を把握し、むしろ感想文の内容を補足するために逆引き辞典のような形で本を読むようになっていましたね。

だから、もしライターに素質が必要なのだとしたら、きっと書くことに苦手意識を持たないことなのだと思います。そしてそれが私がライターとして唯一持っている素質なのかもしれません。

ライターに必要な3つの力

ライターに必要な3つの力

とはいえ、素質をテーマにしているのに、その答えが「好きであること」なんて、ちょっと面白みに欠けるので、もう少しライターに必要な素質について掘り下げてみたいと思います。

以下にて、私がライティングの仕事をしているうえで、必要だと感じたスペックについて説明してみます。

1:正しい日本語力

至極当たり前ですが、正しい日本語を使えなければ、ライターは務まりません。てにをはの違いや丁寧語、謙譲語、尊敬語、類語、接続詞などなど、日本語には複雑な文法が存在しています。100%完璧に操れる必要はありませんが、少なくとも読んでいて違和感を覚えるような使い方をしないだけの力は必要不可欠です。

ブログの流行に、SNS、最近ではnoteなど一般の方々が気軽に文章を投稿できるツールができた昨今、他者の文章を読む機会がたくさんあります。そうすると、この正しい日本語ができていない人が意外にも多いのです。

偉そうなことを言いましたが、もちろん、私自身も完璧ではありません。日々精進あるのみです。

2:構成力

個人的にはいちばん重要な素質かも知れない、と思うのがこの構成力です。私の言う構成力とは、起承転結などの物語の構成を作る力のこと。物語だけでなく、文章をすんなりと読ませるためには、この構成の力が非常に重要になってきます。

また、読書感想文の話で恐縮ですが、原稿を書くときに物語の流れのままに感想を書く友だちがいっぱいいませんでしたか?でも、上手な子どもは本の紹介→全体の感想→詳細→総括などのように自分なりにコンテンツ化できていました。これが構成力です。

情報を伝えるにしろ、意見を主張するにしろ、読ませるための構成の工夫は絶対に必要になります。自分が読んだときにどういう流れなら腹落ちしやすいか思い出しながら調整していきましょう。

3:理解力

そして、構成力とともに重要なのが理解力です。ライターはさまざまな情報をリサーチし、それを目的に合わせてまとめる必要があります。一つのコンテンツとしてまとめるためには構成力が重要になりますが、構成に落とすためには、まず理解することが大切です。

詳細まですべて完璧に理解する必要はないということ。初めて触れる情報の場合、いきなりマニアのように語るのは無理でしょう。ここで大切なのはおおまかな話の本質を掴むことです。

おぼろげでも全体像を把握する力があれば、話の筋も見えてきます。

意外とすべてを理解しようとして挫折する人はけっこういるものです。いきなり木を見るのではなく、まずは森を俯瞰して見るように心がけましょう。

基本スキルと書くことへの忌避感を持たないことが重要

以上が私が考えるライターに必要な素質です。表現力だったり感受性だったり、想像力だったり、いかにもクリエイティブな力を想像していた人たちには申し訳ありません。

でも、こういった芸術性が問われるような分野を、センスを頼りに戦ってもより大きな才能に打ちひしがれるだけです。そして、ライターを続けていけば、さまざまな言葉や情報に出会い、自分の中の引き出しが増えていき、自然と磨かれていくものだと思います。

なので、やはり重要なのは基本を抑えるためのスキルと、書くことへの忌避感を持たないこと。

これさえあれば、天才じゃなくたって仕事は取っていけるはずです。

お互い頑張っていきましょう!

この記事を書いたライター

執筆者

じょん

一児の父でアラフォーライター。
Web制作会社にてライターとしてのキャリアを積みながら、副業ライターとして活動中。得意分野はエンタメ系。興味のある分野では作成する文章にも地が出がち。座右の銘は「ライターは文化的雪かき」。鈍く光る職...

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