Webライターとはどんな仕事?
WebライターはWeb上に掲載する記事を作成する仕事です。例えば、次のような仕事があります。
- コラムの作成
- 商品やサービスの紹介
- メルマガ作成
記事のジャンルはさまざまで、自身の経験や知識を活かすことも可能です。Webサイトに掲載する記事の作成依頼が多いため、SEOの知識があると仕事の幅が広がります。
Webライターと紙媒体のライターの違いは、作成した記事の掲載媒体(インターネット媒体か紙媒体か)です。媒体によって文章の書き方は異なります。インターネット媒体と紙媒体の主な違いは下表のとおりです。
インターネット媒体 | 紙媒体 | |
---|---|---|
読者の目的 | 短時間で必要な情報が得られること | 読み応えがあること |
記事の特徴 | 冒頭から読む | どこからでも読める |
必要な技術 | Webライティングのルール(SEOなど)に則った記事の作成 | 掲載スペースに応じた記事の作成 |
Webライターは企業に所属する働き方と、業務委託による働き方があります。副業の場合は後者の働き方になるでしょう。それぞれの特徴は次のとおりです。
1. 企業に所属する
自社の商品やサービスを紹介する記事を作成します。正社員として働くことも可能です。業務委託よりも安定した働き方ですが、場所や時間の自由度は下がります。
2. 業務委託を受ける
フリーランスのことです。クライアントからの依頼を受けて記事を作成します。完全在宅勤務も可能ですが、ライティング以外の業務(経理など)も自分でこなさなければなりません。
Webライターはやめとけと言われる理由【ココがきつい】
「Webライターはやめとけ」と言われる主な理由は、報酬や仕事内容によるものです。ここからは「Webライターはやめとけ」と言われる10の理由を紹介します。先述のSEOについてもこちらで簡単に解説します。
単価が低い(報酬が安い)案件が多い
1つ目の理由は、文字単価の低さです。フリーランスの場合、Webライターの報酬は「固定報酬」または「時間単価」で支払われます(下表参照)。求人件数が多く、未経験でも挑戦しやすいのは文字単価制の依頼です。
固定報酬 | 文字単価や記事単価のこと。単価は経験や実績によって上下する。 |
時間単価 | 時給単価のこと。専門的な知識や経験が求められる依頼が多い。 |
報酬の相場はライターとしての能力や経験、記事の難度によって異なりますが、文字単価が1円以下の場合は単価が低い可能性があります。しかし未経験者が受注できる依頼は限られているため、経験を積むために低単価の依頼を引き受ける人もいます。これが「Webライターは単価が低い」と言われる理由です。
人によっては時間効率(タイパ)が悪い
2つ目の理由は、固定報酬制の単価が作業時間に見合わないことです。未経験者や初心者の場合、次の3つの原因が考えられます。
- 単価が安い
- リサーチに時間がかかる
- タイピングが遅い
先述のとおり、文字単価は経験や実績に応じて上下します。記事作成に慣れるにつれて能率も上がるでしょう。注意したいのは、クライアントから無報酬のテストライティングを要求された場合です。悪質なクライアントであることが多く、納品した記事の質に関わらず不採用となり、報酬が支払われない可能性があります(いわゆる詐欺案件)。
メディアにふさわしい文章を書くことは簡単ではない
3つ目の理由は、記事作成の難度の高さです。先述のとおり、インターネット媒体と紙媒体とでは文章の書き方が異なります。例えばWebサイトに掲載する記事を作成する場合、「導入」「本文」「まとめ」の3つで構成することが一般的です。
- 導入:記事の内容を書く
- 本文:読みやすさを意識して書く
- まとめ:内容の要約を書く
記事構成の作成には執筆とは異なる知識が必要とされるため、慣れないうちは構成不要の依頼を選ぶと良いでしょう。見出しが用意されている依頼であれば、ふさわしい文章に仕上げやすくなります。
クライアントによってはレギュレーションが厳しい
4つ目の理由は、レギュレーション(記事作成におけるルール)が厳しいことです。レギュレーションは、記事の品質を安定させるためのものです。例えば、次のようなものがあります。
- メディアのコンセプトや目的
- ターゲット
- 記事のトーン&マナー
- 表記統一やNGワード
- 記事の作成方法
レギュレーションが厳しいと、納品前の確認に時間がかかります。その反面、Webライティングの基礎力をつけられるのはレギュレーションが厳しい依頼です。経験者向けの依頼であれば、レギュレーションが少ないものもあります。
納品内容によっては修正が重なる場合がある
5つ目の理由は、修正依頼があることです。指摘された箇所を正せていない場合、重ねて修正依頼がくることもあります。納品不可となるのは、次のような記事です。
- レギュレーションに違反している
- 読みづらい
- 文章表現が不適切または間違っている
レギュレーションを守っているにも関わらず何度も修正依頼がくる場合は、クライアントとの相性が悪い可能性があります。
ライティング以外の作業も依頼される場合がある
6つ目の理由は、ライティング以外の作業を任されることです。記事作成には、次のような作業が含まれていることがあります。
- 記事構成
- 画像の選定
- 入稿作業(WordPressなどのCMSへの入稿)
このような作業が含まれている依頼の場合、一般的にライティングのみの依頼よりも文字単価が高く設定されています。言い換えると、記事構成などの作業には時間がかかるということです。
ライター側にSEO知識が必須の案件がある
7つ目の理由は、SEOの知識が求められることです。SEO(Search Engine Optimization)は検索エンジン最適化のことで、作成した記事がGoogleなどの検索結果で上位に表示されるようにすることをいいます。
募集要項に「SEO記事」「SEO対策」などの記載がある場合、SEOの知識が必要になります。未経験や初心者向けの依頼であれば問われないことが多いでしょう。ただしSEOの知識が必要な依頼のほうが、そうでない依頼よりも文字単価は高くなります。
スケジュールや納期がタイトな場合がある
8つ目の理由は、スケジュールや納期が厳しいことです。例えば次のような依頼の場合、仕事に追われることになる可能性があります。
- 文字数が多い
- リサーチに時間がかかる
- ライティング以外の業務が含まれている)
つまり、文字数の多さに関係なく時間がかかる依頼もあるということです。スケジュールに無理がないかどうか、納期を守れるかどうかはテストライティングである程度判断することができます。受注後に間に合わないと感じたときは、クライアントに相談しましょう。
大口のクライアントが見つけにくい(=稼ぎにくい)
9つ目の理由は、単価が高いクライアントの依頼は倍率も高いということです。大口のクライアントは即戦力を求めているケースが多いため、未経験や初心者の方が採用されることはほぼありません。
さらに未経験や初心者向けの依頼は、Webライターの増加によって以前よりも単価が低下しています。例えば、文字単価0.1円の依頼と1円の依頼では次のような差が生まれます。
文字単価0.1円 | 文字単価1円 | |
---|---|---|
2,000字の記事作成 | 200円 | 2,000円 |
5,000字の記事作成 | 500円 | 5,000円 |
上記の場合、文字単価0.1円のライターは文字単価1円のライターと同じ額を稼ぐために、10倍の記事を書かなければなりません。
長時間の座り作業で精神や身体を壊す場合がある
10個目の理由は、長時間の座り作業によって心身に不調をきたすことです。座りすぎには次のような害があると指摘もあります。
- メンタルヘルスの悪化
- 筋肉や代謝、血行の低下
- 肥満やがん、認知症などの増加
Webライターは座っている時間が長くなりやすい仕事です。意識的に立ち上がって体を動かすようにするなど、健康に気をつける必要があります。
※参照:「座りすぎ」はカラダにもココロにも悪い?|健康づくりウォッチ(明治安田厚生事業団)
Webライターはやめた方がいい?メリットはないのか?
「Webライターはやめとけ」と言われる理由を紹介しましたが、本当にWebライターはやめておくべきなのでしょうか。
株式会社AlbaLinkの調査結果によると、「今後もWebライターを続けたい」と回答した現役ライターは9割以上に達しています。つまり、Webライターという仕事には続けたいと思えるだけのメリットもあるということです。しかしWebライターは、やめた方がいいということも耳にします。
ここからはWebライターの4つのメリットを説明します。
※参照:【WEBライターのメリット・デメリットランキング】現役WEBライター109人アンケート調査 |AlbaLink
未経験でも今日から始められる
Webライティングには、未経験歓迎の依頼もあります。そのような依頼の場合、特別なスキルがなくても挑戦できます。なお、最低限必要とされるスキルは次の3つです。
- 基本的なパソコン操作
- リサーチ力や文章力
- コミュニケーション能力
WordやGoogleドキュメント、WordPressなどを操作できるのであれば、基本的なパソコン操作ができるといえます。さらに仕事をこなしていくことで、Webライターに必要なスキルも身についていきます。
初期投資をかけることなくお金を稼げる
Webライターの仕事をするために必要となるのは、パソコンとインターネット環境の2つです。つまり、パソコンとインターネット環境がある人の場合、初期投資額は0円です。口コミや体験談など、字数が少ない依頼であればスマホOKというケースもあります。
ただし、スマホOKの依頼は比較的単価が低く設定されています。お小遣い稼ぎが目的であればスマホでも良いのですが、Webライターとしてまとまった金額を稼ぎたいのであればパソコンが必要です。
働く場所に限られず自宅などでも仕事ができる
先述のとおり、Webライターの仕事に必要なのはパソコンとインターネット環境です。つまりフリーランスのWebライターは、パソコンとインターネット環境があれば好きな場所で仕事ができます。
クライアントとのやり取りもインターネット上で完結するため、完全在宅勤務も可能です。このことから副業としても人気があり、2022年の調査結果では、メインで行っている副業の第10位に「ライティング」が入っています。
※参照:キラメックス、【副業に関する調査2022】時間単価が最も高い副業は「プログラミング」人気の副業ランキングやプログラミングを副業とする人の課題意識を発表 |キラメックス
努力やスキルによっては会社員の給料以上に稼げる可能性がある
単価が低いうちはなかなか稼げませんが、数をこなしていくうちに単価の高い依頼にも挑戦できるようになります。なかには「副業で月20万円稼いでいる」「時給換算で2,000円稼いでいる」Webライターもいるようです。
単価の高い依頼を受けたいのであれば、SEOや記事構成のスキルなどを身につけていく必要があります。闇雲に依頼をこなしているだけでは稼げるようにはなりません。未経験の場合は、フィードバックしてくれるクライアントから仕事を受けるほうが成長しやすいでしょう。
Webライターに向いている人
Webライターは働きやすく、始めやすく、続けることで稼げるようになる仕事です。未経験でも問題ありませんが、向き不向きはあります。まずは、Webライターに向いている人の4つの特徴を紹介します。
文章を書くことが得意な人
Webライティングの仕事をしていて良かった理由として多いのが、「書くことが好き」ということです。書くことが好きなWebライターには、ライティングそのものを楽しんでいる様子がうかがえます。やりがいを感じられれば仕事も長続きしやすくなるため、文章を書くことが好きな人や得意な人は、Webライターに向いているといえます。
論理的思考能力がある人
論理的思考力とは、筋道を立てて考えられる力のことです。複雑なものをシンプルにする力とも言い換えられます。論理的に書かれた文章はわかりやすく説得力があるため、論理的思考力がある人はWebライターに向いているといえます。
さらに論理的思考力は、問題解決能力や説得力、コミュニケーション能力にも関係する力です。そのため論理的思考力は、クライアントとのやり取りやリサーチなど、ライティング以外の場面でも必要となります(下表参照)。
問題解決能力 | リサーチした結果を整理して理解する |
説得力 | 読者に納得してもらう |
コミュニケーション能力 | クライアントの考えや意見を理解する 自分の考えや意見をクライアントにわかりやすく伝える |
専門知識、詳しいジャンルがある人
専門知識や詳しいジャンルがある人はWebライターに向いています。主な理由は次の2つです。
- 効率的:専門知識があるため、リサーチにかかる時間が少ない
- 差別化:質の高い記事を書くことができるため、単価が上がりやすい
単価は記事のジャンルやクライアントによる部分も大きいため、なかには単価が上がらないケースもあります。それでも効率的に仕事をこなせる分、専門知識や詳しいジャンルがない人よりも稼ぎやすくなります。
情報収集やリサーチが得意な人
Webライターは、文章を書くことよりもリサーチに時間がかかる仕事です。なかには「9割が調査」だと答えるライターもいます。そのため、Webライターは情報収集やリサーチが得意な人に向いている仕事だといえます。
情報収集やリサーチが得意な人の主な特徴は、次の3つです。
- 複数の情報源を活用する
- 多角的に情報を検討する
- 情報の取捨選択ができる
上記の特徴に当てはまる方は、Webライターの適性があります。
Webライターはやめとけ!向いていない人
Webライターは、文章を書くことが好きで、論理的思考力があり、リサーチが得意な人に向いている仕事です。専門知識があればそれを活かすことも可能です。
先述のとおり、Webライターには向き不向きがあります。ここからはWebライターに向いていない人の5つの特徴を紹介します。
文章を書くことが苦手な人
文章を書くことが苦手な人は、Webライターに向いていないかもしれません。断定できないのは、書き続けるうちに文章が書けるようになることがあるためです。また、求められる文章はメディアやクライアントによって異なります。つまりメディアやクライアントとの相性が悪いために、文章が書きづらいケースもあるということです。
Webライターは文章を書くことよりも読むことの方が多い仕事です。文章を書くことが苦手な人でも、読むことが得意な人であればWebライターとして活躍できる可能性があります。
知らない情報を調べたり学習する意欲がない人
Webライターの仕事の大半はリサーチであると説明しました。そのため、Webライターは情報収集が苦手な人には不向きです。さらに単価を上げるためには、次のような知識やスキルを身につけていく必要があります。
- Webライティングのテクニック
- 記事構成のスキル
- SEOの知識
Webライターを対象にしたアンケートでは、多くの人が「スキルアップできること」がWebライティングの魅力であると回答しています。つまり、学習意欲がない人にWebライターの仕事は向いていません。
コツコツ作業が苦手な人
Webライターの主な仕事はリサーチとライティングです。クライアントとのやり取りや、フリーランスの場合は営業も必要になりますが、中心となるのはこの2つの作業です。リサーチとライティングを繰り返して、こつこつ仕事をこなしていきます。1つの記事を書き上げるのに数時間かかることもあるため、このような作業を苦痛に感じる場合は仕事が続かない可能性が高いといえます。
スケジュール管理や納期遵守ができない人
スケジュール管理ができるということは、納期を守れるということです。スケジュール管理ができていないと、納期に間に合わないケースが出てきます。次のいずれかが欠けていると納期遵守が難しくなります。
- やるべきことを把握する
- 優先順位をつける
- 時間を見積もる
納期に追われて睡眠時間を削っていると、健康を損ねかねません。寝不足によって仕事の効率が下がることで、再び納期に追われるという悪循環に陥る可能性もあります。そのため、スケジュール管理ができない人にはおすすめできない仕事です。
質問や疑問を素直に聞くことができない人
質問できない人には次のような原因があるといわれています。
- 疑問を言語化できない
- 遠慮している
- 質問するタイミングがわからない
- わからないことは恥だと思っている
しかし、質問ができないと次のような問題が生じてきます。
- 仕事の効率が下がる
- 成長スピードが遅くなる
- ミスが発生する
つまり、質の高い記事(クライアントが求めている文章)を書けるようになるのは「質問ができる人」です。疑問を言語化できないと仕事に差し障りが生じてしまいます。
Webライターの向き・不向きはそれぞれ。まずは試してみよう
Webライターの向き不向きについて紹介しましたが、向いていないからといって諦める必要はありません。仕事を続けているうちにやりがいを見つけて、Webライターの仕事が好きになる人もいます。
「苦手だと思っていたけれど、やってみるとできた」ということもあるでしょう。まずは応募要項に問題がないかしっかりと確認して、未経験歓迎のライティング業務に応募してみましょう。
この記事を書いたライター
Mojiギルド編集部
Mojiギルド編集部です。ライティングノウハウやスキルアップなど、ライターさんに役立つ記事を公開していくほか、Mojiギルドからのお知らせ、時には編集部員のつぶやきも…。ライターの皆さまとのコミュニケーションを楽しみながら、大事にしたい!