Webライターとはどんな仕事?
Webライターとは、Webサイト上のテキストを執筆する仕事です。企業が自社の魅力をアピールするために運営するオウンドメディアでのコラム記事、通販サイトでの商品紹介、ブログなどさまざまな文章を手がけます。簡単な文章から深いリサーチが必要な専門的記事まで書く内容は多岐にわたります。
紙媒体のライターとの仕事内容の違い
まずWeb媒体と紙媒体では情報量が異なります。紙媒体は文字数にも決まりがあり、レイアウトも制限されています。Webライターは多少の枠組みはあっても、文字数を気にすることなく情報を盛り込めます。
書籍や雑誌など紙媒体の場合、記事を読みたい読者が能動的に読むのも特徴です。しかし
Webの記事はスマホやパソコンで読まれるため、「時間があれば読む」という読者がほとんどです。SEO(検索エンジンの最適化)を意識した上で、検索して読んでもらうための効果的な見出しが欠かせません。
Webライターの平均年収【いくら稼げる?】
専業か副業か、フリーランスか正社員かによってWebライターの平均年収には大きな差があります。
一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会の「フリーランス白書2019」によると、文筆系フリーランス(ライターに加え、イラストレーター・編集者・翻訳・通訳も含む)では、200~400万円未満が26.9%、200万円未満が32.0%と約5割が400万円以下となっています。 一方で少ないながらも1000万円プレーヤーも存在します(6.0%)。
各種転職サイトでも、Webライターの平均年収としておおよそ400万〜500万円が提示されています。専業として取り組めたり、専門的なスキルがあったりすれば高収入も期待できる職業です。
※参照:一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書 2019」
Webライターの種類と仕事内容
Webライターは仕事内容によってさまざまな種類に区分されています。求められる能力もそれぞれで異なります。ここからはWebライターの種類別の特徴や仕事内容についてご紹介します。
SEOライターの仕事内容
SEOライターとは、SEOを反映して文章を執筆するライターです。SEOとは検索エンジン最適化(Search Engine Optimaization)を指します。SEO対策を施すことで、記事の検索順位が上がります。
検索で多くの読者の流入が期待でき、自社サイトへの集客につなげることが可能です。キーワード選定から文章構成までSEOの知識を活かした記事を書くのが仕事です。
セールスライターの仕事内容
商品やサービスの魅力を伝える文章を書くのがセールスライターです。言いかえると「売るため」の文章を執筆する仕事とも言えます。紙媒体で届く、チラシやDMの広い意味ではセールスライティングにあたります。
記事を読んだ人が思わず買いたくなる、問い合わせしたくなるような「行動」を促すため、訴求力の高いテキストを執筆しなければなりません。広告をクリックしたときに表示されるランディングページ(LP)の執筆もセールスライターの仕事です。
PRライターの仕事内容
PRライターとは、企業やブランドをPRするための文章を書く仕事です。企業の広報担当やブランド担当者とともに、魅力を伝えるべくPR戦略に携わります。
プレスリリースやメールマガジンの執筆、SNSの投稿など幅広い仕事を担うのが特徴です。PRに関わるライティング全般担当として、オウンドメディアの記事を執筆することもあります。
コラムライターの仕事内容
コラムを執筆するライターをコラムライターと呼びます。コラムとは、客観的な内容を記事にしながらも、ライター自身の分析や考えが含まれた文章を指します。
コラムライターと同じように使われる言葉にコラムニストがあります。コラムニストは、新聞や雑誌の評論記事などの連載を持っている人で、有名な執筆者が多く見られます。
一方コラムライターは、広い意味でテーマに沿った文章を書くライターのことを意味します。
取材ライターの仕事内容
実際に取材先で得た情報を記事にするのが取材ライターです。お店やイベント、企業に訪問したり、展示会に参加したりと取材先は多岐にわたります。話題の人や事柄をフィーチャーし、インタビューを行って記事を執筆するのも仕事です。
取材先のアポイントメントなどのスケジュール管理をするのも取材ライターの業務の一環です。取材先にカメラを持参し、現場の臨場感を伝えるための写真を撮影することもあります。
Webライターの執筆以外の仕事内容
Webライターは、ただ記事を書くだけの仕事ではありません。執筆以外にもさまざまな業務をする必要があります。Webライターの執筆以外の仕事内容は次の通りです。
1次情報の収集や取材活動
記事の信頼性を高めるためには、1次情報の収集が不可欠です。1次情報とは、自らが直接体験して入手したオリジナルの情報のことを言います。1次情報は他の誰かが収集した情報ではないため、高い価値を持っています。
取材活動も1次情報となります。Webライターは取材に出かける前に取材先にアプローチし、許可をとりつけるのも仕事です。
記事の構成・企画作成
Webライターは記事全体の構成や、企画の提案なども行います。構成とは記事を組み立てる枠組みのことで、いい記事になるかどうかは構成力によって決まると言っていいほどです。
記事を読むユーザーの視点に立ち、ニーズを捉えた構成を作る必要があります。またSEO記事などでは、検索ワードを意識した構成作成を行います。
SEOのためのリサーチ業務
SEOに強い記事を作るため、競合サイトやユーザーニーズ把握を含めた市場調査を行います。現状把握や課題の抽出から、目的やターゲットを見極めます。
検索エンジンからサイトを訪問する人を増やすためにツールを使った関連キーワード検索など幅広いリサーチを行います。月間検索数や被リンク数などさまざまな角度からSEOキーワードをリストアップし、記事執筆に活用します。
画像の編集や入稿作業
記事の内容にふさわしい写真や画像などを素材サイトからピックアップします。また必要なデータを表や図としてまとめ、よりわかりやすい記事となるよう役立てます。サイトのトップに表示され、読者の興味を引くアイキャッチ画像の編集を行う場合もあります。
記事が完成したら、次は入稿作業です。Webライターの場合、テキストで入稿するだけでなく、CMSシステムにライターが直接入稿する場合も少なくありません。よく知られているCMSシステムにはWordPressがあります。CMSシステムを使えば、テキストの流し込みから画像を配置、見出しの挿入などを行うことができます。
Webライターのメリット・デメリット
Webライターにはメリット、デメリットがそれぞれあります。Webライターを検討する方が知っておくべき代表的なメリット、デメリットとはどんなものでしょうか。順にご紹介します。
Webライターのメリット
Webライターとして働く上で代表的なメリットは次の5つです。
- 1.時間も場所も自由に仕事ができる
- 2.自分の知らない知識を広げられる
- 3.収入増加が期待できる
- 4.マイペースな仕事が可能
- 5.未経験からスタートしやすい
1. 時間も場所も自由に仕事ができる
Webライターは在宅でできる業務も多いため、時間も場所も関係なく働けます。子育てや介護など外で働くのが難しい人でも仕事ができるメリットは大きいです。
2. 自分の知らない知識を広げられる
Webライターの必須スキルがリサーチです。今まで知らなかった事柄を丁寧にリサーチするので、知識の幅が広がります。
3. 収入増加が期待できる
スキルアップを続ければ、案件の単価もアップします。副業でプラスアルファの収入を得られることも利点のひとつです。
4. マイペースな仕事が可能
本業が他にある場合でも、Webライターは気軽に取り組めます。納期さえ守ることができるのであれば、休日や深夜などに執筆することも可能です。
5. 未経験からスタートしやすい
Webライターを始めるのに、特に資格はいりません。パソコンやインターネット環境があれば経験がなくても始められます。
Webライターのデメリット
Webライターのデメリットとしては次の5つが挙げられます。
- 1.記事の単価が安い
- 2.収入が安定しない
- 3.営業が難しい
- 4.慣れるまでのスキルアップに苦労する
- 5.目や腰などに負担がかかる
1. 記事の単価が安い
Webライター初心者は、文字単価0.5円などの単価の低い仕事を受けることが多いでしょう。
一生懸命に執筆しても、時給換算にするとかなり少ない報酬しか得られません。
2. 収入が安定しない
Webライターの仕事は、毎月決まった量の仕事が用意されているわけではありません。
仕事が多いとき、少ないときに波があり、収入の不安定さにつながります。
3. 営業が難しい
一つのクライアントとのやり取りが途切れると、次の仕事を探すのに苦労するケースも少なくありません。Webライター初心者はコネクションも少なく、案件獲得が大変なことも多いです。
4. 慣れるまでのスキルアップに苦労する
SEOのためのリサーチ業務など、レギュレーションに沿った記事を書くのには慣れが必要です。慣れるまではスキルアップに苦労することも多いでしょう。
5. 目や腰などに負担がかかる
基本的に座って執筆することが多いため、腰に負担がかかる仕事です。パソコンの画面に向き合う時間が長く、目も疲れやすくなります。
Webライターに向いている人
実際の業務にあたって、Webライターに向いている人はどんな人でしょうか。向いている人の特徴を5つピックアップしてご紹介します
- 1.文章を書くのが苦にならない人
- 2.正確かつ丁寧に業務をこなせる人
- 3.新しい分野への興味を持てる人
- 4.1人での仕事が苦にならない人
- 5.コツコツと積み重ねていける人
1.文章を書くのが苦にならない人
文字数の多い文章を抵抗なく書ける人はWebライターに向いています。
学生時代に論文を書くのが好きだったり、趣味で長文のブログを書いたりしている人にはおすすめです。
2.正確かつ丁寧に業務をこなせる人
Webライターは、情報のリサーチや、記事のレギュレーションを守るなど細かい作業が少なくありません。記事には正確さも求められるため、丁寧に作業できる人が向いています。
3.新しい分野への興味を持てる人
Webライターが手がけるジャンルは多岐にわたります。好奇心の旺盛な人なら、リサーチも楽しくできるはずです。
4.1人での仕事が苦にならない人
在宅でできる反面、人と話す機会は限られます。1人で作業することを気にしない人はWebライターに向いているでしょう。
5.コツコツと積み重ねていける人
最初は得られる収入が少ないのもWebライターの特徴です。経験を重ね、コツコツとスキルアップできる人が適していると言えます。
Webライターになるには?働き方の種類
Webライターになるにはどのような方法があるのでしょうか?実際に働くことになった場合も働き方も気になるところです。Webライターになる方法、働き方を種類別に区分し、詳しくお伝えします。
正社員のWebライター
コンテンツ制作会社では、正社員としてWebライターを募集しているケースがあります。他にもライティング代行会社、編集プロダクション、広告代理店などで正社員としてWebライターを採用する機会を設けています。
また、自身が勤務する企業の広報部などで記事執筆を行うWebライターもいます。どのようなジャンルであっても会社に所属して「正社員」のライターとして働く働き方です。
フリーランスのWebライター
個人事業主として仕事を請け負うのがフリーランスのWebライターです。
企業やコンテンツ制作会社と直接やり取りをして、仕事を受注します。クラウドソーシングに登録し、仕事を受注する方法もあります。フリーランスのWebライターは、正社員ライターに比べ仕事量に波があります。自らがどれだけ営業をかけ、仕事を受注できるかで報酬も異なります。
副業のWebライター
会社員など本業を持ちながら、空いた時間にWebライターとして働く方法です。
金融関係の仕事や医療従事者など本業の専門スキルを武器にして記事を執筆することもできます。
パートやアルバイトとWebライターを掛け持ちしている人もいます。専門的スキルが高くニッチな分野であれば高単価な案件も多く、安定して受注できる可能性が高くなります。
Webライターの仕事をフリーランス・副業で始める方法
フリーランスや副業などWebライターの始め方は多岐にわたります。Webライターの始め方として代表的なものは大きく3つに区分されます。それぞれについて詳しくご紹介します。
クラウドソーシングサイトで案件に応募する
クラウドソーシングサイトとは、仕事を発注したい企業とスキルを持ったワーカーのマッチングの場です。
依頼主はコンペやタスク、プロジェクトなどさまざまな形で業務内容を公開しています。ワーカーとしてサイトに登録し、案件に応募して仕事を獲得します。クラウドワークスやランサーズは、Webライター案件が多いサイトとして知られています。
Webメディア運営企業へ営業して直接契約する
オウンドメディアを立ち上げている企業や運営代行している企業と直接契約するのもおすすめの方法です。
メディアの集客やニーズを満たす記事が書ければ、Webライターとして継続的な受注が望めます。得意ジャンルや専門スキルを積極的に売り込む営業力が必要です。ライターとして売りとなるスキルを企業にアピールできなくては契約は難しくなります。
Webマーケティング企業などの契約ライターになる
SEOなどマーケティングスキルは奥が深く、自らで能力を高めるのは難しい部分もありまが、SEOをはじめとするマーケティング施策に力をいれている企業に応募し、契約ライターとなるのも一案です。
マーケティングの思考を取り入れて記事を書くスキルが磨けるようになります。また、記事を執筆する目的、目指すべきゴールも明確になります。
Webライターの仕事で求められる知識・スキル
Webライターの仕事には相応の知識やスキルが必要となります。Webライターの仕事で求められる能力とはどのようなものでしょうか。具体的な内容についてご紹介します。
文章構成やライティングのスキル
Webライターにとってライティングスキルは重要です。ただ書くだけでなく、論理的に読ませる文章構成力が不可欠になります。
スマホなどで読まれる場合が多いため、結論を文頭に持ってくるPREP法(プレップ法)などのテクニックを学ぶ必要も出てくるでしょう。
読み手のニーズをくみ取り、求めている内容を提示できるユーザーファーストの視点で執筆できる人材が求められます。
情報収集能力やリサーチ力
情報収集能力やリサーチ力も大切な要素です。一般的にリサーチ8割、執筆2割が理想といわれ、Webライターに欠かせない資質と言えます。
検索エンジンやサイトの傾向を把握し、ターゲットを理解した上での情報収集が求められます。信頼できる情報源かどうか、フェイク情報はないかのチェックも大切です。必要な情報を正確に集め、迅速に整理して執筆できる力が必要です。
SEOやWebマーケティングに関する基本知識
新たな集客につなげるためには、記事を読んでもらう必要があります。数多くある競合サイトから選ばれるためには、検索結果の上位表示を目ざさなくてはならないのです。
読者やユーザーが何を求めているのかを深く掘り下げることが必要です。SEOやWebマーケティングに関する知識があれば、効果的な記事執筆につなげられます。
関わるWebメディアのジャンルに関する知識
記事を読むユーザーの目的に沿うという意味では、Webメディアのジャンルに関する知識を深める必要があります。
浅い内容の記事では読者に有益ではないと判断され、サイト外へ離れてしまう可能性もあるからです。
役立つ記事を提供できるように常に学ぶ姿勢が大切になります。日頃から読書やネット検索、またSNSなどでのトレンド調査など幅広く興味を持ち、知識をつけるよう努めなければなりません。
【Q&A】Webライターの仕事について多い質問
以下では、Webライターの仕事について多い質問・疑問に回答します。
Q. Webライターは未経験者でもなれますか?
Webライターは経験を問わず誰でもチャレンジできる仕事です。ただし最初のうちは思ったような収入が得られない可能性も考えておく必要があります。コツコツと地道に業務にあたれる人なら、スキルアップや収入増もめざせます。焦らずにゆっくりと実績を重ねていく忍耐力も必要になる仕事です。
Q. Webライターの仕事は在宅ワークで行えますか?
Webライターの仕事は在宅ワークでも行えます。在宅で始められるのがWebライターのメリットでもあり魅力とも言えるでしょう。在宅であっても執筆本数を重ね、スキルを向上させれば案件の幅も広がります。
より高単価を狙うのであれば、取材ライターなど外に出かけるライターへのチャレンジもおすすめです。
Q. Webライターの需要は今後もありますか?
容易に挑戦できる点や副業解禁など、Webライターを始める人は増え続けています。需要はあっても、ライバルの増加により競争が激しくなるのは間違いないでしょう。加えて、動画や音声コンテンツへの人気、AI技術の発展によりWebライターのニーズは変化しつつあります。
誰にでも書けるような記事ではなく、オンリーワンの質の高い記事が求められているのです。専門性を身につける、マーケティングや営業スキルを磨くなどの努力が必要になるでしょう。
Webライターの仕事にチャレンジしてみよう
Webライターのスタートには特別なスキルはいりません。パソコンとネット環境さえ整備されていれば、在宅ワークや副業としてもおすすめの仕事です。
読者に正しい情報を提供できる情報収集力を身につけ、SEO施策の知識や専門性を高められれば報酬アップも期待できます。一記事からスタートし、Webライターとして実績を重ねていきましょう。
この記事を書いたライター
Mojiギルド編集部
Mojiギルド編集部です。ライティングノウハウやスキルアップなど、ライターさんに役立つ記事を公開していくほか、Mojiギルドからのお知らせ、時には編集部員のつぶやきも…。ライターの皆さまとのコミュニケーションを楽しみながら、大事にしたい!