文章を書く仕事にはさまざまな働き方がある
文章を書く仕事において大切なことは、自分のスキルや興味に合った働き方を見つけることです。文章を書く仕事にはさまざまな働き方が存在します。
たとえば、自宅でフリーランスとして活動する人もいれば、会社に所属して正社員として働く人もいます。働き方の選択肢が多いのは、文章を書く仕事の大きな魅力の一つです。
ぜひ、自分に合った働き方を見つけるところから取り組んでみてください。
言葉で表現する仕事の種類は多い
文章を書く仕事と言っても、仕事の種類は次の通りさまざまです。
- ライター
- 編集者・エディター
- 校正・校閲者
- PR・広報担当
- 小説家・作家
- 原作者・シナリオライター
- 脚本家
- 放送作家
- 劇作家
- 作詞家
- 詩人・俳人
- エッセイスト
- コラムニスト
- 記者・ジャーナリスト
- ブロガー
読者に有益な情報を伝える文章を書くライターやそれをまとめる編集者(エディター)、世の中に出回る前の文章の正確性やファクトチェックを行う校正者。
また、ゼロの状態から新しいストーリーを創造していく小説家や詩人など、芸術性が求められるものもあります。このように文章を書く仕事の幅の広さは、全職業の中でトップクラスです。
ここからは、代表的な文章を書く仕事の種類について、それぞれどのような仕事なのかを見ていきましょう。
ライター
書籍や雑誌などの紙媒体から、HPやWebメディア、ブログ、ニュースなどの原稿を書く仕事です。特定の読者に情報を伝えることが主な役割で、分かりやすい文章を書くスキルが求められます。
ライターと言っても「書く文章の内容」によって、次のようにさまざまな種類に分かれます。
- Webライター:Web上の記事やコラムなどを執筆
- コピーライター:広告宣伝に特化し、キャッチコピーやLP(ランディングページ)など販売促進用の文章を執筆
- テクニカルライター:取扱説明書などを執筆
- ブックライター:書籍を中心に執筆
- ノンフィクションライター:独自の取材を行い、記事や書籍を執筆
電子、紙問わず、あらゆる情報発信の裏方を支える仕事です。
編集者・エディター
出版物やWebコンテンツの編集をしたり、各ライターが書いたものを集めて、一つのものを作っていく仕事です。文章の流れのみならず、全体を俯瞰し、読者が興味を惹かれるような魅力的な内容にすることが求められる仕事です。
また、著者と協力して一つの読み物を完成させる良きパートナーでもあります。
校正・校閲者
世間に出る前の文書の誤字脱字や、表記揺れ、正しい文法や表現をチェックし、修正する仕事です。また、著者やライターが記載した内容が本当に正しいのかを調べるファクトチェックも担います。
正確な情報伝達と品質を保つことが求められる仕事です。
PR・広報担当
企業や団体の新製品・サービス、取り組みなど情報をプレスリリースや、メディアなどを通じて外部に発信し、良いイメージを形成する仕事です。メディアとの関係構築やイベントの企画も行います。
マーケティング担当とよく混同されがちですが、PR・広報担当の役割は「認知拡大」であり、「販売促進」ではありません。そこが大きな違いです。
小説家・作家
フィクションやノンフィクションの作品を創作する仕事です。0から1を作り上げる創造力と表現力が求められ、読者を惹きつける物語を生み出す仕事です。
近年は賞を取ったり、持ち込みをする以外にも、SNSや小説投稿サイトからの小説家・作家デビューも多くなっています。
原作者・シナリオライター
映画やドラマ、アニメ・漫画の原作となるストーリーを作る仕事です。物語の骨組みを作り、登場人物のセリフや行動を考えます。
脚本家
舞台や映画、テレビドラマのための台本を書く仕事です。原作やシナリオに基づき、限られた時間の中で、いかにその面白さを見ている人に伝えるのかが求められます。
放送作家
テレビやラジオ番組の企画や台本を作成します。コメディアンのコントや漫才の台本制作に参加することも。視聴者を楽しませるためのアイデアを形にする仕事です。
劇作家
演劇のための脚本・構成を書く仕事です。舞台上で演じられる物語を創り出す仕事であることから、演出家などを兼ねていることも多くあります。
作詞家
曲に歌詞をつける仕事です。主にレコード会社やアーティストなどからの依頼に応じて、歌詞を作成します。
自分の曲ではないことがほとんどなので、提供する歌い手の個性や、時代性などを歌詞に盛り込める言葉選びのセンスが求められます。
詩人・俳人
オリジナルの詩や俳句を通じて、独自の感性や思考を表現する仕事です。文字数や季語を入れるなどの制約のある俳句や、自由な表現ができる川柳や自由律俳句など、さまざまな形式があります。
文章を書く仕事の中でトップクラスに短い文章で、読者に伝える仕事なため、アーティスト性が求められます。
エッセイスト
個人的な体験や考えをもとにしたエッセイを書く仕事です。読者に共感や考えるきっかけを与えるような文章が特徴的です。
自分の考えを書いていくことが多いため、自身のブログやSNSなどの情報発信からエッセイストとして活躍していくことが多くあります。
コラムニスト
定期的に特定の媒体で、特定のテーマについてのコラム・評論を書く仕事です。社会的・時事的な話題や趣味など、幅広い分野で意見を発信していきます。
また、最近では情報番組のコメンテーターとして活躍されているコラムニストも多くいます。
記者・ジャーナリスト
ニュースや報道を通じて、社会的・時事的な出来事を伝える仕事です。公平な視点からリアルな情報を文章にして伝えるのも仕事ですが、まだ世間が知らない事実を追求するために、自ら現地に赴き、取材を行うのも主な仕事です。
翻訳家
外国語の文書を日本語に翻訳する仕事です。文化や言葉の違いや執筆者の言葉のニュアンスを理解し、正確に伝える能力が求められます。
ブロガー
個人のウェブサイトやブログで記事を公開し収入を得る仕事です。趣味や専門知識を共有し、読者と交流することもしばしば。
文章を書く仕事のメリット・デメリット
文章を書く仕事は、好きな場所で自由に働け、自分の興味に合わせて選べるといったメリットがあります。しかし一方で、収入の不安定さや孤独感、常に新しい知識を蓄えるための時間的コストなどのデメリットもあります。
メリット
まず、自分の好きな場所で働きやすいのが最大のメリットと言えるでしょう。文章を書く仕事すべてがそうであるとは言えませんが、PCやノートがあれば仕事が可能なため、在宅ワークやカフェなど、場所を選ばずにやりやすい仕事です。
また、自分の興味や専門分野に沿って仕事を選べるのもメリットと言えます。たとえば、旅行やグルメ、乗り物、資産運用、法律などのように、あらゆる専門分野に文章の仕事は存在します。これだけ多くの専門分野にまたがっている仕事は、他にありません。
さらに、文章を書く仕事に資格が必要なものが少ない、という参入障壁の低さも、これから文章を書く仕事をしたいと検討している方にとっては、大きなメリットと言えるでしょう。
デメリット
一部を除き、決して安定している仕事ではありません。収入の不安定さが最大のデメリットと言えます。
特にフリーランスとして働く場合、仕事の量が一定ではなく、月ごとの収入に波が出るでしょう。誰でも簡単になれるというハードルの低さもあり、競争が激化した場合にはより悪化することもこの先十分に考えられます。
また、場所を選ばずに働けるというメリットがある反面、仕事とプライベートの境界が曖昧になりがちで、常に自己管理が求められるため、仕事のスケジュール管理やメンタルケアも自身で徹底しなければならない厳しさもあります。
もちろん、作業中は一人なので、孤独感を感じやすいというのもデメリットと言えるでしょう。
文章を書く仕事をしている人に求められるスキル
目指す職種により、求められるスキルは異なります。しかしながら文章を書く仕事において求められる最低限のスキルは共通しています。特に長時間、効率的に質の高いコンテンツを作る筆力、情報を正確に伝える論理的思考、多くの案件をこなす管理能力、そしてSEO対策やフィードバックに応じた修正力が不可欠です。
こうしたスキルは、日々の訓練と経験により、地道に磨くほかありません。それぞれどのようなスキルなのか、なぜ必要なのかを詳しく見ていきましょう。
文字を書く体力(筆力)
文章とは、極端に言えば誰にでも書けるものです。しかし、一つの文章を書きあげることは誰にでもできることではありません。
文章を書き上げるためには最低限「文章を書く体力」が必要です。文章を書く仕事では、長時間にわたって文章を書き続けなければなりません。これを業界用語で「筆力(ひつりょく)」といい、1日に多くの文章を書き続けられる体力のことを意味します。筆力は、文章を書き続けることでしか得られません。
論理的な思考
文章を書く仕事に共通することは、「伝える相手がいる」ということです。そのため、人にわかりやすく伝えるための「論理的な思考」が欠かせません。事実と意見をはっきり区別し、論理的に構成する能力が必要です。
相手に情報が伝わって初めて仕事が成り立ち、お金を得ることができます。自由に書いているように見える小説家なども最初、物語を書く前はプロットを考え、論理的に物語を組み立てていくのです。
また、小説の原稿が出来上がった後も、校正者によって「読者にちゃんと伝わるのかどうか」がチェックされ、複数回の修正を繰り返してようやく完成していきます。このように、「伝える相手」がいる仕事なので、論理的な思考は必要不可欠と言えるでしょう。
スケジュール管理能力
特にフリーランスで活動する場合は、複数の案件を同時に抱えることが多いものです。納期を守りながら質の高い記事を提供するためには、きちんとした時間管理が求められます。
そのため、文章を書く仕事を効率的に進めるにはスケジュール管理能力が必要不可欠です。
時間と場所を選ばず自由度が高い分、自己管理がしっかりしていないと、納期遅れなどが発生しやすい仕事でもあります。
修正力
文章を書く仕事は読み手の存在があって成立しています。そのため、読み手に合わせた修正能力に長けている必要があります。プロだから修正がない、ということはありません。我を出さずに、相手の求める修正や指摘を謙虚に受け入れ、即座に行なっていく修正力が文章力よりもむしろ重要です。
たとえば、文章の仕事を発注する側には、「どんな文体で、どんな風に書いて欲しい」という要望があります。もちろん「こういった表現はどうでしょうか?」と提案するのは問題ありませんが、発注する側の要望の中で最高な文章を書き上げる必要があります。
このように、文章を書く仕事は読み手や発注元の要望やニーズに合わせて、柔軟に修正していく力が求められるのです。
文章を書く仕事は在宅・無資格・未経験でも始められる
今回は、文章を書く仕事にはどのようなものがあるのか、そのメリット・デメリット、そして必要なスキルについて見てきました。
文章を書く仕事は、特別な資格や経験がなくても始められます。在宅で自由に働けるため、未経験者や副業を考えている人にも適しています。しかしながら、簡単に始められるがゆえにライバルが多く、生活していけるまでが大変です。
文章を書く仕事で食べていきたいのであれば、まず書き続けること、修正し続けること、読み手の気持ちを常に考え続けることを徹底しましょう。これができていれば、遅かれ早かれ、文章を書く仕事で生計を立てられます。
そしてさらに筆力、論理的思考、スケジュール管理能力、修正力といったスキルを磨き、文章を書く仕事で食べていくことを目指してください。
この記事を書いたライター
Mojiギルド編集部
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