編集の仕事は多岐にわたる

編集の仕事は多岐にわたる

編集者は以下のようにさまざま仕事を担当します。

(1)企画と構成の作成

(2)ライターの選定

(3)取材が必要ならアポイントを取得

(4)記事のチェック


それぞれの仕事について具体的に解説していきます。

(1)企画と構成の作成

編集者は、メディアのコンセプトに従って記事の企画と構成を作成します。良質な記事を作るためには、土台となる企画と構成が重要です。

家を建てる際も、土台となる基礎が固まっていないと立派な家を建ててもすぐに倒壊してしまいますよね。記事も同じで、企画と構成が固まっていないとまとまりのない記事ができ上がってしまいます

編集者は事前に企画案を作り、承認されたら構成を作成します。この段階で記事の品質が決まると言っても過言ではありません。編集者によっては、見出しにメモなどで具体的な指示を入れてくれることもあります。

私もライターに執筆依頼する際は、見出しに参照して欲しいURLや具体的な指示を添えるよう心がけています。

(2)ライターの選定

執筆を依頼するライターを選定するのも編集者の仕事です。メディアでライターを抱えている場合は、その中から企画に合ったライターを選びます。

案件や組織によっては、ライターを募集して執筆を担当してもらうケースもあります。企画に合わないライターに依頼してしまうと、イメージと違う記事になってしまったり途中で辞退されたりするリスクがあるので慎重に行うことが大切です。

また、記事を制作する際は予算が決まっているので、その範囲内でライターへの報酬を決めるのも編集者の仕事です。予算が多い場合は経験豊富なライターに依頼できますが、予算が限られている際は適したライターを選定するのが難航する場合もあります。

(3)取材が必要ならアポイントを取得

記事の執筆に取材が必要な場合は、アポイントを取得するのも編集者の仕事です。企業へのインタビューや飲食店のレポート記事を制作する際は、相手先に取材許可を取る必要があります。

ライターが決まっている場合はおおまかな稼働時間を聞いてから相手先と調整したり、相手先の許可を取ってから都合が合うライターを選定する場合もあります。

Webのメディアでも取材を基に制作する記事は多いので、アポイントを取得するのも編集者にとっては大切な仕事です。

(4)記事のチェック

ライターが記事を執筆したあとは、編集者が記事をチェックしていきます。誤字脱字やファクトチェック(事実確認)を行って、品質に問題がないか確認するためです。

修正点がある場合は、指示を記載してライターに修正依頼をしたり編集者が直接修正をしたりすることもあります。修正がなくなれば、記事の完成です。

編集者とディレクターの仕事の違いは?

編集者とディレクターの仕事の違いは?

編集者とディレクターは一見すると似ていると感じるかもしれませんが、担当する仕事は異なります。ディレクターが主に担当するのは進行管理です。

具体的にはライターが執筆する納期や校正、入稿の進行を管理し、納期遅延にならないようにフォローをしています。案件によっては編集者がディレクターを兼任して進行管理も担当する場合もあるので、明確な違いを把握していない人もいるでしょう。

また、Webのメディアの中にはライターが企画や構成を作成するケースもあるので、近年はライター、ディレクター、編集者の立ち位置が曖昧になってきています。出版社や編集プロダクションなど比較的規模の大きい組織では、現在でもそれぞれに担当者を配置して記事制作を行っています。

Webライターから見る、編集という仕事

Webライターから見る、編集という仕事

私はWebライターを主に担当していますが、編集者として企画の作成や構成の作成をしたりディレクターとして進行管理を担当したりすることもあります。そんな私から見る編集の仕事は、ライター以上に考え方や人間性が反映されるものだと思っています。

例えば「花」というテーマがあった場合、花を贈りたい人向けにイベント情報や花言葉をまとめる企画を作成する編集者もいれば、室内に飾る花のおすすめを紹介する企画を作成する編集者もいるでしょう。

常に新しい企画を作成するためには、好奇心と体験も重要だと考えています。例えば、ジムに通った経験があると、これからジムに通ってみたい読者向けの企画を作成する際により需要を汲み取った内容を作れるからです。

魅力のある記事を制作するためには、編集者の知見や経験が大きく関わってきます。そのため、好奇心があって色々な情報を集めるのが好きな人は編集という仕事に活かせるでしょう。

編集を言語化するとカメレオンになる

編集を言語化するとカメレオンになる

編集という仕事は、視点を変えるとさまざまな顔を持つ仕事です。真っ白な紙に自分の考える企画を言語化していく様は、アートに似ています。

一方で、企画や構成作成は記事制作の土台になるので、建築現場の土木作業員と同じ立ち位置にもなるでしょう。編集のどの部分に着目するかで、仕事の印象は大きく変わります。

メディアの規模や見る人によって印象が変わるので、編集の仕事は爬虫類のカメレオンのようだと考えています。カメレオンは周囲の温度や光に応じて体の色を変えるからです。多様性が重要になってきている現代では、より自分らしさを活かせる編集という仕事は魅力のある仕事の1つです。

この記事を書いたライター

執筆者

湯澤康洋

Webコンサルタントとしてホームページ制作からSEO対策、記事執筆や画像加工、メルマガやSNS代行まで幅広く担当。「創プロ」運営補佐兼ディレクター。YouTubeにて茨城県内の企業PR動画を無料で制作する活動も行っています。

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