引用・参考文献の意味と違い

引用・参考文献の意味と違い

序文でもお伝えしましたが、出典とは、引用・参考にした情報の元となる文献や資料元を記載することです。

しかし、

「引用と参考の使い方が曖昧で不安……」

という方も多いのではないでしょうか。ここでは「引用」や「参考」の違いや意味をご説明します。

引用とは?

引用とは、他の著者や情報源から具体的な情報やアイデアの一部を自身の記事内でそのまま掲載することです。

引用した情報がどの参考文献や情報源から来ているかを明確に示す必要があります。「出典:●●」として引用した情報源を記載することもあります。

参考とは?

参考とは、執筆者が記事を作成する際に、他の人が作成した文章や情報源を参照し、原稿へと活用することです。

参考にした著作物そのものを「参考文献」と呼びます。「出典:●●」もしくは「参考:●●」と記載したり、記事の末尾に参考文献をまとめて「参考文献リスト」として記載されることもあります。

引用元や参考文献の記載はなぜ必要?

引用元や参考文献の記載はなぜ必要?

Webサイトや書籍などは著作物にあたり、第三者が勝手に使用できないよう著作権法で守られています。著作物を引用、または参考にする場合は出典(参考文献)を明記するよう法律で定められています

(引用)

第三十二条 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。

(出所の明示)

第四十八条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に規定する著作物の出所を、その複製又は利用の態様に応じ合理的と認められる方法及び程度により、明示しなければならない

出典デジタル庁「著作権法|e-Gov法令検索 e-Govポータル」(引用日:2024年5月2日)

また、引用した部分(他人の著作物)と自分が執筆した部分を明確に区別することも大切です。

引用・参考文献の書き方

引用・参考文献の書き方

引用・参考文献の書き方を解説します。著作物を情報源とする場合は、下記の要素を明記する必要があります。

①著者に関する要素:著者名、編集者名など

②標題(文献)に関する要素:書名、誌名、Webサイト名など

③出版・物理的特徴に関する要素:出版者、出版年、巻数、URLなど

④注記的な要素:入手方法、入手日付など


引用・参考文献の書き方にはいくつかのルールが存在していますが、ここではSIST 02の方式を説明します。

SIST 02は、科学技術振興機構(JST)の科学技術情報流通技術基準(SIST)のひとつで、国内では一般的なフォーマットとして使用されています。

前述の4種類の要素の区切りはピリオド、要素内の区切りはコンマが原則ですが、論文標題・誌名・書名の末尾はピリオドで終えます。

例:①著者名. ②論文名. 誌名. ③出版者, 出版年, 巻数. ④入手日付

以下の3つの場合の引用の書き方について順に解説していきます。

1.Webサイトから引用

2.書籍から引用

3.論文から引用


()内の要素の記述は任意です。

1.Webサイトから引用する場合

Webサイトの内容を引用・参考にした場合は、以下のように記載します。

著者名. “Webサイトページの題名”. Webサイトの名称. (更新日付). URL,(参照日)

例:
独立行政法人科学技術振興機構(JST). “SIST 科学技術情報流通技術基準”. 国立研究開発法人 科学技術振興機構. https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/12003258/jipsti.jst.go.jp/sist/pdf/SIST_booklet2011.pdf,(参照 2024.4.4).

一方で、一般的なWebサイトの記事では、他のWebサイトの情報を引用する際には、「出典:」「参考:」などを入れてWebサイト名やタイトルにリンクを設置する表記方法も許容されています。

例:
出典:Mojiギルド「どうやってライターになったの?~アンさん編~」

2.書籍(図書)から引用する場合

書籍(図書)を引用・参考にした場合は、以下のように記載します。

なお、書籍(図書)の一部を参考にした場合には、参考にしたページを記載しましょう

著者名. 書名. 版表示, 出版社, 出版年, 総ページ数, シリーズ名, シリーズ番号, (ISBN)
※シリーズ名・シリーズ番号について、シリーズがない場合省略可

例:
田中アン. 世界における××. 2版, 田中社, 2023, 328p. p.56-59.

一般的なWebサイトの記事では、以下のように記載してもよいでしょう。

例:
出典:文字太郎『Mojiギルドの世界』ABCD出版

3.論文から引用する場合

論文を引用・参考にした場合は、以下のように記載します。

なお、電子ジャーナルを参考にした場合には、入手先のURLも記載しましょう。

著者名. 論文名. 誌名. 出版年, 巻数, 号数, 該当論文の開始ページ-終了ページ.

例:
田中アン.世界における××. グローバル誌. 2023, 22巻, 5号, p.25-27. http://××××××.

一般的なWebサイトの記事では、以下のように記載してもよいでしょう。

※参考:文字花子「ライターの行動分析によるストレス発散対策」『Mojiギルド学会誌』(2011年)

まとめ

いかがでしたか?

今回は引用・参考文献の正しい書き方をご紹介しました。引用・参考文献の情報を適切に引用したり参考にしたりして、その出典元を正しく記載することは記事の信頼性を高めます

世の中にあふれた情報を簡単に入手できる時代ですが、だからこそ著者に敬意を払い、引用・参考にする場合は出典元を正しく記載しましょう。

この記事をきっかけに、自信を持って記事を書いていただけると幸いです。

参考:独立行政法人科学技術振興機構(JST). “SIST 科学技術情報流通技術基準”. 国立研究開発法人 科学技術振興機構...,(参照 2024.4.4).

この記事を書いたライター

執筆者

アン

好奇心旺盛な副業ライター。技術系広報&カフェ店員&ライターの「3足のわらじ」生活を送っています。理系こそWebライターに向いている、と信じて活動中。執筆ジャンルは科学・スポーツ・ヘルスケアなど。くすっと笑える文章を読みたいし、書き...

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