情報選択で押さえたい3つのポイントは?

情報選択で押さえたい3つのポイントは?

見出しやその内容を決める情報選択で、考慮すべきポイントは以下の通りです。

  • 誘導したいサービス
  • ターゲットの知識量
  • ターゲットの特徴


それぞれ説明します。

誘導したいサービス

SEO記事では、記事を通じてサービスへの誘導を狙うことがあります。記事を「広告」として使い、サービスの利用を促すわけです。

「広告」である記事においては、売り上げの障害になる不利な情報は避けるべきです。

かなり極端ですが、一例を挙げます。

障害者向け転職エージェントの「atGPエージェント」の利用を促す記事を作成すると仮定します。

このとき、他のエージェントやサービスを紹介する内容は記事に合いません。

「atGPエージェント以外のおすすめエージェントは?」のような見出しを立ててしまうと、他のサービスを検討する余地を与えてしまいます。

仮に別の転職サービスの説明をするとしても、併用をおすすめしたり、atGPエージェントならではの優位性(例:独自の障がい者向け求人を多数保有)を説明したりして見せ方を考える必要があります。

記事は読者だけでなく、クライアントのためにも存在しています。紹介したいサービスに矛盾する情報は極力書かず、書くとしてもその後のケアを忘れず行いましょう。

ターゲットの知識量

暮らしの中で、わかりきっている知識を聞き続けてモヤモヤした経験はありませんか? 

ライターの記事作成でも同じことが言えます。ライターもターゲットの知識量を把握し、それに合わせた説明を行わなければいけません。

例えば、初心者Webライター向けの記事で、以下のような文章を読むとターゲットはどう感じるでしょうか?

例文①
Webライターで活躍をするには文章力が重要です。スムーズなわかりやすい文章で説明しましょう。

流れの中で上記に近い文章を書くことはありますが、ここで終わるとターゲットが得るものは何もありません。初心者Webライターでも知っている内容だからです。ターゲットに合った情報選択をするには、もう少し先の内容を伝える必要があります。

例文②
読者に情報がスムーズに伝わる文章力はライターの必須スキルです。わかりやすい文章を作る力があってこそ、読者の理解を助けられます。

わかりやすく伝える文章力を身につけるには、『ていねいな文章大全(ダイヤモンド社)』を一読すべきです。

・助詞の使い方
・語彙の使い分け
・表記の工夫(例:「、」と「・」の使い分け)
・文章の構成方法

さまざまな視点から文章を考察するため、状況に応じた正確な文章表現が身につきます。

例文②では、文章力が重要な理由に加え、具体的な行動(『ていねいな文章大全』を読むこと)も示されています。

これなら、「文章力はやっぱ大事だな!本を買ってみよう」とターゲットに感じてもらえそうです。

例文①と例文②の違いは、「詳しさ」です。内容が浅いな…と感じた時は、詳細に説明できないか、工夫をしてみましょう。「どこで、どうやって、どんなタイミングで…」というように、5W1Hを意識すると掘り下げやすくなります。

また、ターゲットにとって難しすぎる内容も避けるべきです。同じく、初心者Webライター向けの記事で以下の文章が書かれていたとします。

例文③
配慮ある文章表現をするには、ポリコレを意識すべきです。

この一文を読んで、「ポリコレって何だろう」と感じた方もおられると思います。

「ポリコレ」は、「ポリティカル・コレクトネス」の略称で、人種やジェンダーなどの違いによる差別的な表現を避ける考え方です。

例文③は「ポリコレ」の意味を知っていれば問題なく読める文章ですが、知らなければわかりにくい文章と言えます。「ポリコレ」の意味を調べる必要があるからです。

それを防ぐためには、ポリコレの意味を知らない初心者Webライターに向けて、書くべき情報を調整しなければいけません。

例文④
配慮ある文章表現をするには、人種・ジェンダーなどの違いにとらわれない中立的な見方を意識すべきです。

これなら、読み手が知っている言葉を使って、「ポリコレ」の意味するところを伝えられます。

ターゲットの知識量を無視した記事は、途中で離脱されがちです。ターゲットがどこまで知っているのかをイメージし、それに応じた情報選択を行いましょう。

なお、ターゲットの知識量の把握をするには、対策キーワードの上位記事や書籍など、ターゲットが読んでいるコンテンツを分析するのがおすすめです。構成前のスキマ時間に確認しましょう。

ターゲットの特徴

検索キーワードにはそれぞれ特徴があります。ターゲットの属性や心理的状況などが、キーワードごとに異なるのです。

情報を選択するうえでは、このターゲットの特徴がヒントになります。下記はターゲットの特徴の例です。

  • 男性 or 女性
  • 年齢や所属しているコミュニティ
  • 検索時点でいる場所
  • 急いでいる or のんびり
  • お金がない or 裕福
  • 面倒くさがり or 几帳面
  • 初心者 or 上級者
  • 落ち込んでいる or 嬉しい


上記の項目を参考に、対策キーワードのターゲットと相性が良さそうな情報と悪そうな情報を考察してみましょう。

実際に、具体例を見ていきます。例えば、「バイク パンク」のキーワードの場合、ターゲットには以下の特徴があると考察できます。

【ターゲットの特徴候補】
・年齢層は幅広い、やや男性が多い印象。
・走行中にバイクがパンクした可能性がある。出先で検索していて焦っている。
※自宅でパンクした可能性もあり。
・メンテナンスが行き届いていなくてパンクをした可能性がある。面倒くさがり気味?
・バイク乗りではあるものの、トラブル対応や機械の扱いに慣れていない(わざわざ検索しているから)

上記をふまえて、出先でバイクがパンクした方に向け、バイク専門店の修理サービスを紹介する記事を作成するとします。この場合、ターゲットと相性の良い情報の候補例には以下の3つが考えられます。

1. バイクが出先でパンクした時の対処手順(ロードマップ)

2. バイクのパンク修理にバイク専門店がおすすめな理由と依頼のコツ

3. バイク専門店でのパンク修理の費用や時間、その後の流れ


【情報候補例の詳細内容】

1.バイクが出先でパンクした時の対処手順

  • バイクを広くて見通しの良い場所に停車させる(路肩に停車)
  • パンクした箇所を確認する
  • 修理を依頼できる場所を探す
  • 保険会社やJAFのロードサービスを利用する or 修理を受け付けているバイク専門店まで押して移動する
  • バイクを搬出したら、バイク修理後の受取方法を考える

2.バイクのパンク修理にバイク専門店がおすすめな理由と依頼のコツ

【自力修理・バイク専門店以外に依頼するデメリット】

  • パンク修理材での修理を行う方法もあるが、失敗してしまう可能性がある。バイクのタイヤは走行の最重要パーツ、危険なため避けるべき
  • ガソリンスタンドや自動車整備工場でも修理できる可能性があるが、断られる場合がある


【バイク専門店をおすすめできる理由】

  • バイク専門店ではバイクの構造を熟知したプロが修理を行う。バイク修理に向いている設備や資材もそろっているため万全なメンテナンスが期待できる。さらに、日常点検のコツも質問できるため、自力でバイクの異常を発見する力も養いやすい
  • 修理依頼時のやり取りでは、車種・前輪か後輪・排気量・年式も伝えるべき(修理を依頼する時のコツ)
  • 合うタイヤの在庫があるかわからないため、バイク専門店への搬出前にタイヤの型を確認すべき


3.バイク専門店でのパンク修理の費用や時間、その後の流れ


  • 車種や前輪か後輪かによるが5,000〜15,000円が相場
  • 修理の時間は1時間弱


特に、①の「バイクが出先でパンクした時の対処手順」は、記事の最序盤で紹介できると良いでしょう。慌てているターゲットにやるべきことを的確に伝えられれば、落ち着いてパンクに対処してもらえるからです。

情報選択では、伝える順番や情報量の判断も重要です。ターゲットの特性を理解し、これらを調整できるようになりましょう。

まとめ|適切な情報選択ができるライターになろう

ここまで、2年目ライターの私が考える情報選択のポイント3つをお伝えしました。

適切な情報選択ができれば、「何を調べるべきか」「どの情報元をリサーチするべきか」も明確になります。リサーチ効率の向上も期待できるため、執筆時には必ず意識すべきです。

「何を書くか」を正しく選択し、ターゲットとクライアントの目的を実現できるライターになりましょう。

この記事を書いたライター

執筆者

とうふねこ

現場仕事を日々がんばっている副業ライター。考える力が問われるライターの仕事が気に入っています。
とくに、構成作成であれこれと作戦を立てている時間に楽しみを感じています。執筆ジャンルはさまざまで、恋愛・金融・SEO対策など幅広く執筆...

詳細を見る

タグ