ブログの収益化が難しい現実
※出典:特定非営利活動法人 アフィリエイトマーケティング協会
このグラフはブログを運営している人に向けて、収入額を調査したアンケート結果をまとめたものです。
一番目を引くのは、「収入がない」と答えた人の項目です。ブログを初めて1年未満の人が収入がない人のうち63.6%を締めています。その他、1万円未満の収入に留まっている割合もブログの運営年数が短い人が大部分を締めています。
反面、高収入を得ている割合の多くはブログを運営して5年以上などベテラン勢が大部分を締めています。
つまり、ブログを収益化させるためには、長い時間がかかることが分かります。ブログの収益化を実現させることの難しさは、このデータからも推察できるのではないでしょうか?
ブログの収益化が難しい理由
ブログの収益化が難しいということは、先のデータで確認することができました。では、なぜブログの収益化がそれほど難しいのでしょうか?ここでは、ブログの収益化が難しい理由となっているポイントについて紹介していきます。
- SEO(検索上位に表示させる)が難しい
- まとまった集客(アクセス)までに時間がかかる
- Googleのアルゴリズム変更が原因でアクセスが減る可能性も
- WordPressやSEO、アクセス解析など勉強することが多い
SEO(検索上位に表示させる)が難しい
自分のブログ記事を検索上位に表示させるために必要な対策がSEOです。検索エンジンからの評価を上げるための施策のことですが、これが難しい問題となっています。
ライティングやコーディングの知識はもちろんですが、狙うべき検索キーワードの選定やリサーチなども行わねばならず、根気よく学んでいかなければ、さまざまな知識を習得することは困難だと言えるでしょう。
まとまった集客(アクセス)までに時間がかかる
ブログで収益を上げるためには、まずはサイトを訪れてくれる人=アクセスを増やす必要があります。
しかし、当然ながら記事を書けば自動的にアクセスが集まるというわけではなく、自身で記事の書き方やテーマの決め方を考え、施策を練らなければなりません。
施策を実行したとしても、すぐに成果は出ず、また成功するとも限りません。そのため、継続的にアクセスを集めるためには相応の時間がかかります。
Googleのアルゴリズム変更が原因でアクセスが減る可能性も
Webでの副業を考えている人であれば、パンダアップデートやペンギンアップデートという言葉を聞いたことがあると思います。これらはGoogleの検索エンジンのアルゴリズムのアップデートのことを指します。
このアルゴリズムの変更内容によっては、せっかく検索上位に上げたブログが、一気に検索順位を下げてしまうこともあります。こうしたシステム側の影響を受ける部分もブログの収益化が難しい理由のひとつです。
WordPressやSEO、アクセス解析など勉強することが多い
ブログの収益化を成し遂げるためには、これまで紹介してきたような知識が必要です。例えばSEOの知識のほか、WordPressなどブログ作成サービスの仕組みの理解、記事をブラッシュアップするためのアクセス解析などが必要になってきます。
ひとつひとつの仕組みも複雑であるため、複数となると習得はどうしても困難になってしまいます。
ブログの収益化が難しいのは初心者だけではない
ブログの収益化が難しいのは、なにも初心者に限った話ではありません。先のグラフでもブログの運営年数が長い人でもうまく収益を上げることができない人たちがいます。
さまざまな知識を学び、それを実行し、ブラッシュアップしていく地道な作業は、キャリアがあったとしても難しいものなのです。
また、ブログと似たような収益構造を持つものとして、Webメディアがあります。一時期多くのインターネット関連企業がオウンドメディアを開設した時期がありましたが、収益化を成し遂げ、生き残っているメディアは少数です。
メディアにしろ個人ブログにしろ、争う場所は検索エンジン上であり、その中で検索上位を勝ち取ることは、特に個人ブログの場合、並大抵の施策では実現できないというのが現実です。
ブログの収益化は難しいが、メリットもある
ここまで、ブログの収益化は難しいと、ネガティブな情報ばかりを紹介してきました。しかし、たとえ大きな収入は見込めなくても、ブログの運営にはメリットもあります。ここでは、そのメリットについて紹介していきます。
少ない初期投資で最短即日で始められる
ブログは時間やお金をかけずにはじめられる収入源のひとつと言えます。
ブログ作成サービスの中にはサーバー利用料も含め、無料で利用できるものもありますし、開設した当日に記事を投稿することもできます。その他の副業と比べても圧倒的に初期投資や準備期間が短い稼ぎ方と言えるでしょう。
軌道に乗れば比較的安定して収益を得られる
収益を大きくしていくことを常に意識している場合、ブログの運営はやることが多い仕事と言えます。
しかし、ある程度、安定したアクセスを稼げるようになったブログは、それ以上あまり手を入れなくても、比較的安定した収益を得ることができます。自分の納得できる収益を確保できるようになれば、あまり手のかからない収益源となってくれるでしょう。
社員やオフィスが必要なく自由さがある
企業による公式ブログなどもありますが、基本的にはブログはひとりで運営していくもの。そのため、社員やオフィスを用意する必要はなく、なにかに縛られることはありません。
働く場所は自宅でよいですし、服装も自由、記事を更新する時間=働く時間も自由。クライアントもいない。ある意味では最も自由な仕事と言えるかもしれません。
ブログに価値があれば売却して利益を得ることも可能
ブログをある程度成長させることができ、ブログ自体に価値が生まれれば、権利を売却することで収益を上げることも可能です。ある程度のファンや検索順位を獲得しているブログはそれだけで価値があるものです。
続けることが困難になってきた場合は、売却という手段で収益を得てもよいかもしれません。
ブログの収益化(マネタイズ)までの手順
ブログの収益化は難しいと言われる根拠をここまで紹介してきました。では、ブログを収益化させるにはいったい何をすればよいのでしょうか?
ここからはブログの収益化の具体的な手順について紹介していきます。
- 1. ブログのテーマやジャンルを決める
- 2. WordPressなどでブログを立ち上げる
- 3. 記事を作成・公開してアクセスを集める
- 4. ブログで販売する商品や広告を掲載する
- 5. 新規記事を公開・リライトしながらブログを育てる
1. ブログのテーマやジャンルを決める
ブログを開設する前に、まずはブログでどんなことを書くのかテーマやジャンルを決めます。テーマやジャンルが定まっていなければ、アクセスを集めても広告の商品に興味がない人が多くなり、結果として稼ぎが少なくなってしまうことがあります。
また、コンスタントに記事を更新していくためにも、自分の興味がある分野や得意なジャンルを選択したほうがよいでしょう。広告収益はもちろん、有料記事や商品販売などでもテーマ選びは非常に重要になってきます。
2. WordPressなどでブログを立ち上げる
テーマが決まったら次にブログを立ち上げます。ブログの立ち上げはブログ作成サービスを利用すれば、簡単に作成することができますが、サービスにそれぞれ特長があるため、しっかりとリサーチすることをおすすめします。
例えばWordPressはカスタマイズ性が高いため、Webの知識があれば収益化に結びつきやすいデザインに整えることなどが容易に行えます。また、デザインテンプレートが豊富で差別化しやすい点も魅力です。
3. 記事を作成・公開してアクセスを集める
ブログの開設ができたら、いよいよ記事の公開です。アクセスを集めるためには特定のキーワードで検索エンジンの上位に表示させるようにするSEO対策が一般的です。
単純に記事を書くのではなく、検索エンジンに評価されるような文脈で記事を書かなければなりません。また、SNSなどで拡散する、来訪者に拡散してもらう仕組みを作ることもアクセスを集めるためには効果的です。
4. ブログで販売する商品や広告を掲載する
記事を公開したら、次は広告や商品を掲載していきます。広告収入を目指す場合は広告配信サービスに登録し、広告掲載用のコードを記事内に設置します。
自分の商品を販売する場合は、クリックされやすいようにデザインや配置を検討したうえで、自分の商品写真を掲載し、商品購入フォームへとつなげます。
5. 新規記事を公開・リライトしながらブログを育てる
その後は、新規記事を量産しながらも、過去の記事がどれだけアクセスされているかといったブログのトラフィックを計測し、リライトをかけていくことになります。
ブログの記事は公開されれば古い記事でもインターネット上に残り続けるので、ブログを閉鎖しない限り、収益につながっていきます。そのため、新規記事と同様に過去記事のブラッシュアップは収益拡大に必要な作業となります。
ブログの収益化(マネタイズ)方法の主な種類
ブログの収益化は大部分が広告収入であることがほとんどです。しかし、広告収入にも種類がある他、その他のマネタイズ方法も存在しています。
ここではブログを収益化するための具体的な種類について紹介していきます。
Googleアドセンス(クリック報酬型広告)
GoogleアドセンスはGoogleが提供している広告配信サービスで、クリック報酬型の代表的な存在です。
自身のブログをGoogleアドセンスに登録し、広告コードをサイト内に埋め込むことで、マッチングした出稿主の広告が表示されるようになります。
収益の目安としては以下のような簡単な計算式で求めることができます。
サイト閲覧回数×クリック率×クリック単価
つまり、サイトが1,000回閲覧されて、クリック率が2%、クリック単価が20円だった場合、400円の収入となります。
アフィリエイト広告(成果報酬型広告)
アフィリエイトとは個人ブロガーと企業が仲介業者(ASP)を通して契約を結び、企業の広告を掲載する仕組みのことです。
報酬はクリックではなく、商品購入の有無で発生する成果報酬型の広告になります。成果報酬型ということもあり成約1件あたりの報酬が数万円となる場合もあり、大きく稼げる可能性が高い広告です。
ブログで自分の商品・サービスを販売
広告収益に頼らずにブログで収益を上げる方法として、自分の商品・サービスを売るという方法もあります。
ハンドメイドの商品を作れたり、自身の知識やスキルなど販売できる商品・サービスがある場合は実践することができます。
この場合、商品やサービスに関連性の高いテーマを選ぶなど、ブログ記事の選定には注意が必要です。
noteなどの有料記事を販売
自身の書いた記事自体を商品として販売することも可能です。
近年ではnoteなど、記事の一部を有料化して、最後まで読みたい人は料金を支払う有料記事のサービスを展開しているブログサービスがあります。
もちろん、収益化をするためにはライティングスキルはもちろん、ファンを作るための施策が必要になってきます。
ブログの収益化が難しいと感じたら検討したいこと
ブログでの稼ぎ方をお伝えしましたが、どうしても収益化が難しい場合も出てくるでしょう。そんなときは、その他のメディアやツールを活用するなど、視点を変えることも必要です。ブログの収益化が難しい場合に試したいことをまとめました。
SEOだけでなく、SNS経由でもブログへアクセスを集める
ブログへのアクセスを集める方法はSEO施策だけではありません。現代では誰もが利用しているFacebook、XをはじめとしたSNSも大きな集客ツールとなります。
SEOのスキルの獲得が難しい方でも、SNSを利用してフォロワーを集めることが得意な場合もありますし、SNS広告を利用するという方法もあります。
広告だけに依存せず、その他の収益化を検討する
広告収入がうまくいかない場合は、その他の方法で収益化を目指すことも可能です。
ブログでの稼ぎ方は広告収入以外にも、自身で提供できる商品やサービスの販売、有料記事の販売など、さまざまな手段が考えられます。
広告以外の分野であればうまくいく可能性もあるので、自分にあったマネタイズ方法はどんなものがあるのか、改めて考えてみてもよいでしょう。
他のブログ記事を代行して書く
自分でブログの運営がうまくいかなかった場合、自身が運営するブログ以外のブログで記事を代筆し、報酬を受け取るという方法もあります。どちらかといえばライターの部類に属する仕事ですが、ブログで記事を量産してきたノウハウを活かせるため、おすすめです。
また、広告収入とは異なり、納品物に対してしっかりと報酬が発生するので、やればやるほど収入は大きくなります。
ブログを諦めて、SNSやYouTubeに挑戦する
ブログで稼ぐことが難しい場合、思い切って活動の場所を変えてみてもよいかもしれません。
例えば、TikTokerやYouTuberなど、SNSでの動画配信が大きな収入源となっている事実があります。
文章を書くのは苦手でも、動画配信は得意、ということもあるかもしれませんので、活動の場所を限定せず、収入を得やすいフィールドを探してみてもよいでしょう。
【Q&A】ブログの収益化について多い質問
以下では、ブログの収益化(マネタイズ)について多い質問・疑問に回答します。
- 初心者がブログで稼ぎづらいジャンルは?
- 雑記ブログや趣味ブログでも収益化できる?
- ブログ収益化までに必要な記事数・期間の目安は?
Q. 初心者がブログで稼ぎづらいジャンルは?
A:テーマを絞っていない雑記ジャンルや、ニッチすぎる趣味の分野などは稼ぎにくいと言われています。
雑記のように専門性が薄いと信頼性が低くなりがちで、記事ごとにジャンルがバラバラでアフィリエイトの案件を獲得しづらい可能性があります。また、同じくニッチすぎるテーマは高額報酬のアフィリエイトがない場合があります。
その他、健康系や金融系のジャンルはよっぽどしっかりした専門性がない限り、Googleの評価が低くなる恐れがあります。
Q. 雑記ブログや趣味ブログでも収益化できる?
A:さまざまな事柄を取り扱う雑記ブログは、テーマが定まっていないため、登録してもアフィリエイトの案件ができない場合があります。
趣味ブログはある程度の知名度があれば高額報酬も期待できますが、ニッチすぎる分野では報酬が低い場合があります。
テーマをなるべく特化させて、ユーザーから求められやすいテーマを選んだほうが収益の面ではよいでしょう。
Q. ブログ収益化までに必要な記事数・期間の目安は?
あくまで一般論ですが、月1万円を稼ぐようになるまで、およそ半年から1年程度かかると言われています。記事数としてはおおよそ50記事ほどに当たります。
もちろん、知識が豊富な人の場合はその限りではありませんが、一般的にブログは収益化まで長い時間がかかるということを念頭に入れた上で、運営を行っていくべきでしょう。
ブログの収益化は難しいが、挑戦する価値もある
ブログの収益化は一筋縄ではいかないものではありますが、それでも成功すれば大きな収入を獲得することができます。また、ある程度育てれば、安定的な収入源としても優秀な副業といえるでしょう。そして、ブログ運営で学んだ知識は、他の副業でも非常に役立ってくれるでしょう。
収益化が難しいからといって、挑戦せずにいるのはちょっともったいないかもしれませんね。興味のある方はぜひ、ブログを始めることを検討してみてください。
この記事を書いたライター
Mojiギルド編集部
Mojiギルド編集部です。ライティングノウハウやスキルアップなど、ライターさんに役立つ記事を公開していくほか、Mojiギルドからのお知らせ、時には編集部員のつぶやきも…。ライターの皆さまとのコミュニケーションを楽しみながら、大事にしたい!