文章力とは「読み手に伝わる文章を書く力」

文章力とは「読み手に伝わる文章を書く力」

文章力とは「伝わる文章を書く力」です。

小学生の作文からビジネス文書、Webで目にする記事まで、文章にはさまざまな種類がありますが、文章力の基準は目的によって異なります。「文章力がある」と感じられる文章は、読む人が最後まで読み続けられるだけでなく、内容を理解しやすい文章と言えるでしょう。

そのためには、書く目的や読んでもらう対象ごとに、表現力や語彙力、論理的思考や想像力など、多くの要素を使い分ける必要があります。

文章力を磨くには、頭の良し悪しや専門的な知識などは関係ありません。書くためのコツをつかみ、トレーニングを重ねることで、誰でも読み手に伝わる文章を書けるようになるのです。

文章力が「ある人」と「ない人」の違いは?

文章力が「ある人」と「ない人」の違いは?

世の中には文章力が「ある」「ない」と言われる人がいますが、その違いはどこにあるのでしょうか。

それは「文章を書く目的がはっきりしているかどうか」の違いと言えます。

その理由を詳しくみていきましょう。

文章力がある人は目的が明確|文章は伝えるための手段

文章力がある人の特徴は「伝えたい」目的が明確です。

目的を達成するための手段として文章を書くため、伝えたい相手を想定して、伝わりやすい言葉を選び、わかりやすい構成で文章を組み立てています。

読者が最後まで読み進めて納得や解決を得られれば、目的は達成されたことになります。

結果的に「文章力がある」と評価されることになるでしょう。

文章力がない人は目的が不明確|必要なのは読者を想像する力

一方で、文章力がない人は、考えている内容を「文章で伝えよう」という意識が薄いか、または、読者を想像しきれていないと言えます。

なぜなら、想定した読者に伝える意識がなければ、自分だけが理解できる言葉で文章を書けば済んでしまうからです。

言葉遣いが読者に合っていなかったり、書いてある順番がわかりにくかったりすると、伝わらないばかりか「文章力がない」と思われる結果になります。

また、初心者向けの文章なのに専門用語が並んでいる場合は読者の知識量が合わないため、伝わりにくい文章となるでしょう。


したがって、必要なのは、読者がいることを想像する力なのです。

文章力がない=頭が悪い、などと言われることもありますが、決してそういうことではありません。

【注意】読者に伝わりにくい文章となる5つの特徴

【注意】読者に伝わりにくい文章となる5つの特徴

ここからは「文章力がない」と言われてしまう文章によく見られる特徴を解説します。

伝わりやすい文章にするためには、次のような特徴を意識して改善することが必要です。

伝わりにくい文章の特徴
  • 一つの文章が長い
  • 主語と述語が合っていない
  • 接続詞前後の理屈が合っていない
  • 読む人を意識していない
  • 指示語が多い

一つの文章が長い|一文80字以内を意識する

一つの文章が長いと情報量が多くなり過ぎるため、読む人を混乱させ、肝心なことが伝わらなくなります。また一般的に読む人に伝わりやすい一文の長さは40文字前後と言われます。

「一文一義」とも言われますが、一つの文章で伝える情報は一つにするよう意識しましょう。


Webライティングの場合は、キーワードや固有名詞が長く40文字では収まらないこともありますが、できるだけ60~80文字以内にすることを意識するのが良いでしょう。Webライティングで利用するMicrosoft WordやGoogleドキュメントでは1行が40文字になっていることが多いので、2行を超えるようなら文を分けるように意識しましょう。

主語と述語が合っていない|主語に対して適切な述語を使うことを意識する

主語と述語が合っていない文章は、意味がわかりづらく、支離滅裂になる傾向があります。「誰が何をした」「何がどうなった」をベースにシンプルな構造の文章を心がけましょう。

さらに主語・述語の間に挟む、修飾語と被修飾語の位置関係にも注意する必要があります。

修飾語とは「説明する言葉」で、被修飾語とは「修飾語によって説明される言葉」です。

主語と述語、修飾語と被修飾語の位置が離れていると、意味が正しく伝わらない文章となることがあるので注意が必要です。

接続詞前後の理屈が合っていない|接続詞の使い方に注意する

接続詞は、文章がこの先どちらに向かうのかを示す「交通標識」のようなものです。そのため、文章をつなぐ接続詞が合っていないと、読む人はストレスを感じてしまいます。

例えば、次の内容は接続詞が正しくない使い方です。

  • 「つまり」「だから」という接続詞を使いながら、以降の文章が結論としてまとめられていない
  • 「しかし」「ところが」「逆に」「一方で」の後が逆説になっていない

接続詞を使わなくても意味が通じる場合は、できるだけ使わないほうがわかりやすい文章になります。

読む人を意識していない|同じ内容でも大人と子どもでは表現を変える

読む人を意識していない文章は、自分だけにわかる言葉で書いてしまう傾向があり、読む人には伝わらない文章になります。

大人向けの文章と子ども向けの文章では、言葉使いも表現も異なります。また、初心者向けと上級者向けでは、説明しなければならない内容も異なるでしょう。読む人が詳しい人であっても、漢字や英語などの専門用語を多用しすぎると文章としては読みにくくなることもあります。

読む人を置き去りにする文章は、読みづらい上に伝わりません。読む人がいることを意識して、読む人に合った言い回しや表現を工夫することが大事です。

指示語が多い|具体的な単語を使用する

「これ」「あれ」「それ」「どれ」などの指示語は、文章を短くできる点で重宝するものの、多用すると文章を理解しづらくなるので注意が必要です。

特にWeb記事は、目次からそれぞれの見出しに飛べるため、途中から読む人もいます。どこから読んでも意味が通じるように、一つの文の中や直前の文章以外には指示語は使わないほうが良いでしょう。

さらにWebライティングでは指示語はキーワードとして認識されず、Webページの評価が低くなる可能性もあるので、具体的な単語を使用するよう心がけましょう。

文章力はトレーニングで鍛えられる!毎日できる方法を紹介

文章力はトレーニングで鍛えられる!毎日できる方法を紹介

文章力を磨くためには、次のようなトレーニングを毎日積み重ねることが大事です。

トレーニング法
  • 本を読む|言葉や表現のレパートリーが広がる
  • 短文でも良いから書く|読解力や表現力、言語化の力がつく

本を読む|言葉や表現のレパートリーが広がる

本を読むことのメリットには次のようなことがあります。

  • よく使われる言い回しや表現のパターンを蓄積できる
  • 文章のリズムや文字数の感覚が身につく
  • 情報がインプットできる

ベストセラー本が多くの人に読まれていることは、内容が伝わっている証拠でもあるので、言い回しや表現の良いお手本になります。

また、新聞の社説は文字数が決まっているため、毎日読み続けると、文字数の感覚がつかめるのでおすすめです。できるだけさまざまなジャンルの文章を読めば、意外なところで、欲しかった情報が得られます。

表現力、洞察力、想像力などさまざまな要素を磨くためにも、本を読むのは重要なトレーニングです。

短文でも良いから書く|読解力や表現力、言語化の力がつく

書くことのメリットには次のようなことがあります。

  • 文章の内容を要約して書くことで読解力が身につく
  • 写経のように文章を書き写すと、伝わる言い回しやボキャブラリーが増え、表現力の向上につながる

先程もおすすめした「新聞の社説」は、少ない文字数に必要な情報が凝縮して書かれた文章です。毎日そのまま書き写せば、シンプルな言い回しやわかりやすい文章の組み立て方などが身につきます。

読んだ文章を決まった文字数でまとめることも、文章の本質を捉える訓練になります。

XやInstagram、noteなどのプラットフォームを活用して、決まった文字数で思いを言語化するのも、トレーニングとしておすすめです。

【ビジネスでも使える】伝わる文章を書くコツ5選

【ビジネスでも使える】伝わる文章を書くコツ5選

ここからは、実際に文章を書く時に使えるコツをご紹介します。

ポイントを押さえて書くことで、どんな場合でも誰でも、相手に伝わる文章を書けるようになります。

①5W1Hを意識する

文章は情報を整理して、読む人が納得するように筋道を立てて説明する必要があります。5W1Hはその際に必要な要素です。

  • Who=だれが
  • When=いつ
  • Where=どこで
  • What=なにを
  • Why=なぜ
  • How=どのように

この6つの要素を意識して書くと、時系列や因果関係に矛盾が無い文章に仕上がります。

②構成を作る

文章の構成は記事の設計図となるもので、どのような文章でも重要な要素です。どんな人が読むのか、どんなゴールを示すのかを明確にし、読む人が混乱しないよう道筋を作るのが構成の役割です。

情報の過不足や流れの確認もできるため、必ず作成しましょう。

③漢字とひらがな・カタカナのバランスを取る

専門用語や四字熟語などの漢字を多用すると読みにくくなるので注意が必要です。

一般的に漢字3割、ひらがな7割のバランスで書かれた文章が読みやすいと言われています。

難しい言葉は言い換えたり、「但し=ただし」「様々=さまざま」など、読みにくい漢字はひらがなに置き換えたりなど、全体のバランスを考えましょう。

④具体的に表現する

具体的に表現することで「伝えたい意図」を読む人に正しく伝えられます。

例えば「たくさん」では、読む人によってとらえ方が違うこともあるので「100人」「1,000人」など具体的な数字を書くのが良いでしょう。

また「きちんと」「しっかりと」という言葉は抽象的なので、具体的にどうすれば「きちんと」「しっかりと」というレベルになるのか、ということまで書くことを意識します。

⑤よく使う文章のフォーマットを作っておく

ビジネスで報告や相談の文章を書く場合は特に、書くべき項目を決めておくと便利です。

主な項目としては次のようなものがあります。

  • 何のために
  • 誰のために
  • 内容
  • 現状
  • 課題
  • 対策
  • 結論
  • 期待するアクション

ビジネスではない場合でも、書く文章の内容や提出する相手、読む人に応じて、必要なフォーマットを作っておくと、情報の漏れや順番の狂いがなくなるのでおすすめです。

まとめ|「よく読み」「よく書く」トレーニングで文章力を磨こう

文章力とは「伝わる文章を書く力」です。

文章力がないのは「頭が悪いから」ではありません。読む人に伝わる文章を書くにはコツがあるので、そのコツさえ押さえれば、誰でも伝わる文章を書けるようになるのです。

文章力は「よく読み」「よく書く」トレーニングを行うことで鍛えられます。毎日のトレーニングで、伝わる文章を書くのに必要な表現力や想像力、情報などを積み重ね、文章力を磨いていきましょう。

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Mojiギルド編集部

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