クライアントがAIを禁止するのはなぜ?
冒頭に森石氏が、声で指示をすることが特徴のXarisを使って、「Xarisとはどんなツールか」について、実際に口頭で指示を出しながら記事作成を実演。話し言葉で人に話しかけるようにXarisに話しかけながら、記事を作成していきました。
その後、セミナーの参加者への事前アンケートの結果を紹介。AIツールを使ったことがあるか?との質問で、「使ったことがない」と答えた人のうち、その理由について、「特に必要性を感じない」と答えた人が57.1%、「クライアントに禁止されている」と答えた人が14.3%などといった結果となりました。
「クライアントに禁止されている」からという理由について、森石氏は坂本氏に「坂本さんはライターのAIの使用を禁止したいですか?」と質問、坂本氏は「使ってもいいと思っています。ただ、その人の体験や思いは重視しているので、それは原稿に入れてほしい」と答えました。
AIを「使ったことはない」理由は「クライアントに禁止されている」が14.3%
森石氏はさらに、「どんな記事であっても書き手の思いは入るもの。AIはその人の伝えたいものを形にしてくれるもので、オリジナリティを傷つけるものではない。クライアントさんがAIを禁止する理由がわからない」と展開しました。
その後、「AIを使うとSEOの順位が下がるため」という理由でAIを禁止しているクライアントが多いのだというライターの間で広まっている風説について言及。森石氏は「AIの文章をそのまま垂れ流すと順位は下がるかもしれないが、AIを使うことだけで順位が下がるということはない。そこは安心してください」と話しました。
信用できるAIでも人間のチェックは必ず必要
事前アンケートでは、「AIを使うと結局すべて人の目でファクトチェックしなくてはならない」というコメントがあり、これについて森石氏は、「ファクトが100%正しかろうが、同じ数字でも受け取る人によって真実は異なる。どれだけ信用できるAIでも人間が必ずチェックしなくてはならない。都合のいい情報だけをつぎはぎして記事にしていないかチェックしなくてはならない」とAIを使った記事のファクトチェックのあり方についても持論を展開しました。
質疑応答のコーナーでは、森石氏が参加者へ「どういう作業にAIを使っていますか?」と逆質問。
「Mojiギルドのテーマ記事を書く際に構成を一緒に考えてもらっている」
「叩き台だけでなく、GASや関数の構文について聞いたり、絵を書いてもらったりしています!」
「私はChat GPTに人生相談をしています」
「文字数が足りないところや物足りないところの内容を膨らませてもらったり、コピペ一致率を下げるように言い回しを変えてもらってます」
などといった回答が寄せられていました。
セミナーの参加者の感想はAIに対するイメージは、「良いイメージのまま変わらなかった」「良いイメージがさらに良くなった」があわせて93.3%となりました
参加者からは、
「とても面白くてためになりました!恐る恐る使っていたAIですが、自信を持ってどんどん取り入れながらスキルアップしていこうと思います!」
「セミナーに参加して、私もAIを活用してみたくなりました。取材記事まで作成できるなんて、正直驚きを隠せません」
「AIの可能性と凄さを感じて、とても面白かったです」
などの感想が寄せられました。
ライターとAIの可能性は広がっている!
Mojiギルドの編集者として普段いろんなライターさんの原稿を見ていますが、AIが書いた原稿で人の手が加わっていないものはまず「AIの文章」とわかるとしても、構成やタイトルや本文作成など、どこかの作業段階でAIを使ったとして、そこに人の手が加わっていたら、まず「その人が書いた原稿」と思って受け取るだろうなと思います。
AIツールの使用を禁止するクライアントさんも多いとはいえ、Webライティングの分野でAIの利用は確実に浸透してきていると言えるでしょう。
今回、森石氏はしきりに「人間と比べてAIはこういうところが得意で、こういうところが苦手」「前はできなかったこんなことがAIはできるようになった」と、人間とAIの違いとその「境目」の部分を話されていました。AIと一緒だからこそできること、人間にしかできないこと、その境目は現在進行形の技術開発で常に変化していて、だからこそ怖くもなるし、たまらなくおもしろいとも感じます。
「ライターとAIの可能性」、今後もますます目が離せないテーマです。
この記事を書いたライター
まっきー
新聞記者出身。青年海外協力隊としてアフリカ・ニジェールで活動したり、素粒子物理学の研究所で広報をしたりと「未知の世界」への好奇心でいろんな場所に飛び込んできました。現在Mojiギルドのサイト運用を行っているMattoの社員。「文字」の大...