高校時代からの思い入れがある「駅の本屋さん」

高校時代からの思い入れがある「駅の本屋さん」

今回訪れたのは、とある駅ビル内にある本屋さんです。現在住んでいるところからは1駅、実家からだともう少し遠いのですが、この駅は高校に通学する際の乗り換え駅でした。

1998年に駅ビルがオープンしてから今までずっと、この本屋さんはここで営業しています。わたしが高校生だったときも大学生の頃も、そして大人になった現在も「身近にあってふらりと寄れる大きめの本屋」といえばこのお店。

この本屋さんは改札階と同じフロアにあるため、電車を降りたらすぐに入れます。広々とした入り口にはいつも「新刊・話題書」コーナーが展開されています。

普段そこまで熱心に新刊情報をチェックしているわけではないため、わたしにとってこのコーナーは「未知との遭遇わくわくゾーン」です。

小説、エッセイ、ビジネス書、絵本などがジャンルごとに整然と並んで、わたしたちお客さんを出迎えてくれます。

この日はアメリカの絵本作家エドワード・ゴーリーの作品が特集として取り上げられていました。本屋さんって、お店ごとにこういったこだわりが見えるのも面白いんですよね

教育系Webライターが最初に向かうのはもちろん◯◯コーナー

教育系Webライターが最初に向かうのはもちろん◯◯コーナー

さて、いよいよお店の中へと足を踏み入れます。

たくさんの雑誌やコミックスが並ぶ中央エリアを通り抜けて、お店の右奥へ。なにしろ20年以上通っている本屋さんですから、どこに何があるかは知り尽くしているのです。

教育分野を専門とする塾講師Webライターであるわたしが本屋さんで真っ先にチェックするもの。それはもちろん、参考書・問題集コーナーです!

参考書や問題集って、実は頻繁に新しいものが出版され続けているんです。教育業界で働く人間としては、こまめにトレンドを調べておきたいのですよね。

もちろん市販の問題集をそのまま塾の授業に使うことはできません。しかし、新しいメソッドを用いた問題集や、最新の入試情報を扱った書籍から、最新の傾向を探ることはできます。

特に私立中学校受験の世界は日進月歩なので、新しい問題集が出ていたらパラパラと中身を確認します。

  • どんな本文をどれくらいの長さで抜き出しているか
  • どのような設問が載っているか
  • 解説の手法はどんな感じか(子どもが自分で理解できるように書いてあるタイプと、保護者が解説できるように細部まで長文で解説するタイプがあります)


このあたりを意識してチェックしています。

「塾の先生って、そんなところまで見ているんですね」と思われるかもしれませんが、実はこの問題集チェックは半分趣味です(笑)。

入試問題にも同じことが言えるのですが、国語の問題って「作った人の価値観がうっすら見えてくる」ところが楽しいのです。

市販の問題集であれば、解説を通してさらに著者の考え方を覗き見ることまでできます。ちょっとおかしな楽しみ方なのは自覚していますが、文章について深く考えるのが好きな方であれば楽しめると思います。

小説・エッセイ・コミックスコーナーではポップを楽しむ

小説・エッセイ・コミックスコーナーではポップを楽しむ

半分お仕事、半分趣味の問題集チェックが終わったら、文芸書のコーナーへ向かいます。

華やかな表紙が多く、ざっと眺めて回るだけでも「へー、最近はこういうタイトルやデザインが流行っているんだなぁ」と十分に楽しめる一角です。

が、オンラインストアではなくリアルの本屋さんだからこその見どころはやはり「店員さんによる手作りポップ」でしょう。

大流行中の少年漫画には、手描きのそっくりなイラスト。有名な賞を獲得した小説のところには、その本を読んだ店員さんのハイテンションな感想。振り返って視界に入った時代小説には毛筆風のレタリングで書かれた渋いポップが。

こういうところが面白いんですよね。子どもの頃はこのポップ作りに憧れて、本屋さんの店員になりたいと思っていた時期もありました。

実際にはデザインセンスも絵心も皆無なので、ポップを作る仕事はできなかったかもしれませんが…。

学生時代に一度くらい本屋さんでアルバイトをしておけばよかったなぁと、今でもたまに思います。

自然と足が向いたコーナーに「あ、わたしはライターなんだ」と感じさせられた

自然と足が向いたコーナーに「あ、わたしはライターなんだ」と感じさせられた

ひととおり文芸書コーナーを巡って、さぁどうしようかなと思ったわたしは、気がついたらあるコーナーへと向かっていました。

それは「コンピューター・インターネット関連」のコーナーです。

最近本屋さんに足を運ぶ機会がなかったので意識していませんでしたが、確かに最近わたしが購入した電子書籍は「Webライティングに関するもの」「SEOに関するもの」「デザインソフトの使い方」などなど。

最新のコミックや小説については「今はこういうものが人気なのね」と思っていたはずなのに、このコーナーに来ると「お、この本知ってる!」と嬉しくなる自分の変化にびっくりです。

そうか、わたしって本当にWebライターなんだなぁ…と不思議な感慨にふけってしまいました。

ChatGPTに関する書籍ってこんなにたくさん出ているのね、WordPressの使い方が本になっているのはわかるけれど、アメブロやはてなブログにも専門の書籍があるのか!と、ひとしきり楽しい時間を過ごして、この日の本屋さん探索は終了です。

リアルの本屋さんだからこそわかる、「今」の自分

今回久しぶりに現実の本屋さんに足を運び、改めて楽しいなと感じました。

インターネットで気軽に買えて、PCでもスマホでも読める電子書籍はたしかに便利なんです。ただ、どうしても「これ」と決めて検索した本にしか巡り会えないという性質がありますよね。

本屋さんって、なんとなくあたりを見回して「こっちを見てみよう」とふらふらできて、その結果意外な本と出会えるのが大きな魅力なのだと思います。

そして、ふらふらしてみた結果自分が何に興味を惹かれたかで、その時の「自分」が見えてくるのも実感しました。

わたしは5年後、10年後、20年後に本屋さんでどのコーナーに向かうのでしょう。そんなことを考えてしまった帰宅後の夜でした。

この記事を書いたライター

執筆者

歌耶子

副業Webライター。本業は国語をこよなく愛する塾講師です。文章を読むのも書くのも好き過ぎて、ライターの世界に足を踏み入れました。休日は夫が引くほど長時間PCに張り付いて文章を打ち続けています。実はかなりのゲーマーで、個人では趣味のゲ...

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