仕事を見つける方法

仕事を見つける方法

まず、仕事を見つける方法について紹介していきますが、今回は一般的な求人サイトを利用した方法については割愛します。なぜなら、フリーライターや副業ライターが、フルタイムではなく案件単位で仕事を探す場合、通常の求人情報では希望する案件を見つけにくいことが多いからです。

そのため、ここでは王道とは少し異なる、より効果的な仕事の探し方に焦点を当てていきます。

実際、私も求人サイトは使用したことがなく、ライティング案件を確保するために以下の3つの方法を続けてきました。

1.Xのポストを検索

2.検索エンジンから気になるメディアを探して直接応募する

3.既存のクライアントに仕事を紹介していただく


それぞれの詳しい実施方法や、メリット・デメリットを詳しく紹介していくので、自分に合ったやり方を取り入れてみてください。

Xのポストを検索

メリット
  • 新しい案件や募集が投稿されると、即座に知ることができる
  • 案件が豊富で、さまざまなクライアントや業界から募集があるので、自分に合った仕事が見つかりやすい
  • DMを通じて直接クライアントと交渉できるので、報酬額や納期などの融通が利きやすく、即座に仕事に着手できる場合が多い


デメリット
  • クライアントの信頼性がわからない場合があり、詐欺やトラブルのリスクがある
  • 誰でもアクセスできるため、人気のある案件はすぐに埋まることが多い
  • 一時的な仕事や単発の案件が多く、継続性がない場合がある

フリーランスや副業でライターとして活動する場合、Xはマストで活用した方が良いでしょう。実際、私も独立直後に獲得した仕事のほとんどがX経由でした。Mojiギルドとの出会いもXのポストがきっかけです。

Xは情報拡散力、リアルタイム性が高い点が特徴のSNSなので、多くのライター案件に出会えるチャンスがあります。「#ライター募集」「#ライター案件」などのハッシュタグを活用して、日々タイムラインをチェックしてみてください。

ちなみに、自己紹介、ポートフォリオ、経歴などを含めたテンプレートの応募文を作っておくと複数の案件に応募する際に非常に便利です。

しかし、X経由での案件受注は、トラブルも多いので十分に注意して行わなくてはなりません。主要なトラブルとしては、報酬の未払いが挙げられます。指示された仕事を行い、納品したにも関わらず、報酬が振り込まれなかったり、最悪の場合クライアントと連絡が取れなくなってしまったというケースは意外にも多いです。

こういったリスクを避けるためにも、取引相手が信頼に値するかどうかを慎重に見極めることが重要です。フォロワー数や普段の投稿内容、企業であれば組織規模など、総合的な観点から判断してください。

感覚的な話になりますが、他人を理由もなく批判するようなポストを行っていたり、投稿の言葉遣いが荒かったりする方とは、取引しない方が良いでしょう。のちにトラブルに発展しやすかったり、案件を進める際のコミュニケーションコストが高いことが多いです(経験談)。

また、契約書を巻いてもらうのも、トラブル回避のために有効な方法です。ただし、契約を結んだからといって、確実な対策とはなりません。報酬額が少ない場合、最悪訴訟を起こそうとしても、費用や労力が報酬額を上回り、泣き寝入りするしかないという話もよく耳にします。

最終的には、少しでも違和感を覚えたり、怪しさを感じたりする相手とは取引をしないのが賢明です。また、一度に1人のクライアントから多くの案件を受注するのではなく、複数の相手から少しずつ仕事をもらい、リスクを分散するのもおすすめです。

検索エンジンから気になるメディアを探して直接応募する

メリット
  • 自分が書きたい分野や興味のあるメディアに絞って応募できる
  • 求人サイトやエージェントなどの仲介を挟まないため、報酬交渉や条件設定が柔軟にできる
  • メディアと良好な関係を築くことで、継続的な仕事につながる可能性が高い


デメリット
  • 応募先を探し出す手間や、企画書の作成など、応募に時間と労力がかかる場合がある
  • 人気のあるメディアや大手の媒体の場合、競争が激しく採用されにくい
  • メディア側からの返答が遅い場合があり、次のステップに進むまでに時間がかかることがある

検索エンジンを活用して自分が興味のあるメディアに直接応募する方法の1番のメリットは、自分が書きたい分野や興味のあるテーマに特化したメディアに絞って応募できる点です。

自分の得意分野で実績を積みたい場合や、特定のジャンルに集中して仕事を探したい場合には、このアプローチが最適です。特に、自分が普段から読んでいるお気に入りのメディアがある方は、この機会にライターを募集していないかチェックしてみるのも良いでしょう。

また、求人サイトやエージェントなどの仲介を挟まないため、報酬交渉や条件設定がより柔軟にできるのもこの方法の良いところです。直接クライアントと話し合えることで、自分の意見を反映しやすく、より良い条件で契約を結ぶことが可能です。交渉次第では、募集要項に書いてある条件よりもさらに好条件で契約してもらえる場合もあります。

さらに、応募したメディアと良好な関係を築くことができれば、継続的な仕事につながりやすく、同メディアの別媒体などを紹介してもらえるケースも少なくありません。

しかし、応募先を探し出す手間や、提案書や企画書を作成するなど、応募に時間と労力がかかる場合がある点はデメリットと言えるでしょう。自分でリサーチを行い、適切なメディアを見つけるには、相応の努力が必要です。

また、人気のあるメディアや大手の媒体では、応募者が多く競争が激しいため、採用されにくいこともあります。応募者が多いと、メディア側からの返答が遅れることもあり、応募してもなかなか結果が出ない場合があるかもしれません。そのため、収入のためにすぐにでも取りかかれる案件を探しているケースには不向きです。

既存のクライアントに仕事を紹介していただく

メリット
  • 既存のクライアントからの紹介は、すでに信頼関係があるため、安心して仕事を受けることができる
  • クライアント同士のつながりがあるため、報酬や条件交渉がスムーズに進むことが多い
  • 紹介された案件がうまくいけば、さらに新たな仕事につながる可能性が高い


デメリット
  • 既存のクライアントとの長期的な付き合いが必要となるため、すぐに新たな案件を得たい場合には向いていない
  • 紹介される仕事が自分の希望やスキルに合わない場合もある
  • 信頼関係があるため、合わない仕事でも断りにくくなることがある

既存のクライアントから仕事を紹介していただく方法は、フリーランスや副業ライターにとって非常に安心感のある手段です。また、クライアント同士のつながりを活用することで、報酬や条件の交渉もスムーズに進むことが多く、互いに理解が深まっているため、迅速に契約が結ばれることも多いです

クライアント側も、新規のライターに依頼するよりも、長期的な信頼関係がすでにできあがっている方に依頼をした方が安心なので、Win-Winの関係となります。

さらに、紹介された案件がうまくいけば、そのクライアントからさらに新たな仕事を紹介される可能性もあり、継続的な仕事につながることも期待できます。

既存のクライアントから新規で仕事をご紹介いただくコツとしては、「自分から仕事を取りに行く」ことです。自分の得意分野や月に確保できる稼働時間などをお伝えすることで、何か任せられる仕事がないかを検討してもらえることがあります。

例えば、私の経験談ですが、フリーランスになりたての頃は、まだ手元にある案件が少なかったので、可能な限り、納期よりもかなり前倒しで納品するように意識していました。そして、

「今月まだリソースがかなり余っているのですが、何か追加で任せていただけそうなお仕事はございませんか?」

というようにクライアントに自分から連絡を入れていました。その結果、追加の記事執筆をご依頼をいただけるケースもあったので、現在案件をお探しの方は早速実施してみてください。

ちなみに、その場では追加案件をご紹介いただけなかったものの、別の機会に「こういったお仕事がありますが、現在のリソース状況はいかがですか?」と先方からご提案いただいたこともありました。

しかし、まず既存のクライアントとの長期的な付き合いが前提となるため、先に紹介したメディアへの営業活動同様、すぐに新しい案件を得たい場合には向いていません。また、確実に案件を紹介してもらえるわけではないので、他の方法と並行して行うのが良いでしょう。

そして、もう一点注意しなくてはならないのが、紹介された仕事が必ずしも自分の希望やスキルに合うとは限らない点です。信頼関係があるために、受けたくない仕事でも断りにくくなることがあり、その結果、満足度の低い仕事に時間を費やすことになる可能性もあります。

私も、経験のない分野に関する記事執筆を依頼された際に、クライアントに失望されたくない一心で受けてしまったものの、リサーチにかなりの時間が取られてしまい、後悔した経験があります。

こうした状況を避けるためには、クライアントとのコミュニケーションを密にし、自分の希望や得意分野をしっかり伝えることが重要です。また、時には心を鬼にして、自分の希望しない案件、条件が合わない仕事については、理由を伝えた上でお断りする勇気も必要です。

仕事を選ぶ際の優先順位

仕事を選ぶ際の優先順位

順調に仕事を獲得し、継続して案件を受注できるようになると、営業だけではなく取捨選択の必要が出て来ます。時間は有限です。そして、ライフワークバランス、心身の健康を保つことを考えると、依頼された仕事をすべて受けることは現実的ではありません。

そのため、仕事を受ける際には、どの案件を優先するべきかを慎重に考えることが重要です。シビアなことを言うようですが、すべての仕事が自分にとって同じ価値を持つわけではありません。長期的にライターとしてのキャリアを築いていくためにも、仕事には優先順位をつけるべきでしょう。

ここでは、ライターのキャリアにとって大切な「報酬」と「実績」の観点から、どのように仕事を選ぶべきかについて具体的に解説していきます。

以下は、私も実際に仕事を受ける際に活用している、自己流の優先順位のマトリクスです。

マトリクス

案件の価値を、「実績」と「報酬」という2つの観点のかけ合わせで考えると、以下の4つのカテゴリに分類できます。

1. 報酬が高く、実績になる仕事

2. 報酬は高いが、実績にはならない仕事

3. 報酬は低いが、実績になる仕事

4. 報酬が低く、実績にもならない仕事


「実績」とは、執筆した記事に自分の名前(実名やペンネーム)を記載できることや、ポートフォリオに掲載できることを指します。また、未経験のジャンル、例えばWebライターが取材ライターに挑戦するなどして、それが履歴書や経歴書に載せられる経験になる場合も「実績」と言えるでしょう。

「報酬」とは、得られる金額のことですが、案件によって文字単価、記事単価、時給単価など支払い形態が異なります。すべての案件を時給単価で考えるとわかりやすいでしょう。一見すると高額な記事単価の案件も、リサーチや修正に時間がかかると、時給単価で考えたときに割に合わないことがあるので注意が必要です。

優先度が最も高いのは、当然「報酬が高く、実績になる仕事」。そして、最も低いのは、「報酬が低く、実績にもならない仕事」です。「報酬は高いが、実績にはならない仕事」と「報酬は低いが、実績になる仕事」については人によって見解が分かれそうですが、私は前者に重きを置いています。

では、なぜこの優先順位で仕事の取捨選択を行った方が良いのかについて、詳しく見ていきましょう。

1. 報酬が高く、実績になる仕事

報酬が高く、実績にもつながる仕事は、ライターとしてのキャリアを大きく飛躍させる絶好のチャンスです。こういった案件は、たとえ少し無理をしてでも掴みにいく価値があります。目先の利益を得ながら、自分の市場価値を高められるため、メリットしかありません。

また、報酬が高く、かつ実績を意識して仕事を提案してくれるクライアントは、ライターの事情をよく理解していることが多く、働きやすさも高いのが特徴です。こうしたクライアントと関係を築くことができれば、ディレクターや編集者など、さらに上流の仕事を紹介してもらえる可能性もあります。

単発案件としても価値がありますし、うまくいけばライターとしてのキャリアをさらに広げるための大きなステップとなるでしょう。

しかし、こういった仕事は往々にして難易度が高く、初心者ライターには獲得しづらいという現実もあります。十分な実績がない場合、クライアントからの信頼を得るのが難しいため、この種の仕事を狙うには、まずは着実にキャリアを積み上げる必要があります。

経験を積んできたライターであれば、このような案件を積極的に狙い、キャリアの成長を目指すことをおすすめします。

2. 報酬は高いが、実績にはならない仕事

報酬は高いが、実績にはつながらない仕事は、ライター業界では意外と多いケースです。

例えば、記事が公開される前に監修者のチェックが入る場合、最終的には監修者の名前だけが記載され、ライターの名前が載らないことがあります。このような場合、ポートフォリオへの記載が禁止されることもあり、実績として残すことができない案件となります。

しかし、実績にならないからといって、必ずしも報酬が低いとは限りません。特に、専門知識や資格が必要な記事の場合は、高単価が期待できることが多く、ライターにとっては魅力的な案件です。こういった案件は、特にライター初心者から中堅の方は、積極的に受けるべきでしょう。報酬面でのメリットが大きいので、キャリアの安定化にも役立ちます。

とはいえ、今後のさらなるキャリアアップや担当案件を増やしていくためには、やはり実績作りも重要です。

ポートフォリオに記載できる仕事を積み重ねることで、自分のスキルや経験をクライアントにアピールしやすくなります。そのため、報酬が高いが実績にはならない仕事と、実績作りができる案件をバランスよく受けていくことが大切です。報酬と実績の両方を着実に積み上げ、長期的なキャリアの成長を目指しましょう。

3. 報酬は低いが、実績になる仕事

報酬は低いが、実績になる仕事は、特にライターを始めたばかりの時期は積極的に受けたい案件です。

このような仕事では、報酬額が少なくても、実名公開が可能であったり、ポートフォリオへの記載が許可されたりするため、今後のキャリアにおいて有益な実績が積めます。ライターとしてのキャリアがまだ浅い場合、こうした案件を受けることで、自分の実績を積み上げる良い機会になります。

しかし、注意が必要なのは、実績や経験をエサにして、安く買い叩かれるリスクがあるという点です。報酬が低い案件ばかりを引き受けていると、次第に低い報酬の仕事ばかりが集まり、ライターとしての価値が正当に評価されなくなる可能性があります。そのため、実績にはなるが、報酬が低い仕事を紹介された場合、不当に搾取されていないかを慎重に見極める必要があります

また、ライターのことを本当に考えてくれているクライアントであれば、報酬も適正で、実績や経験にもつながる仕事を提供してくれることが多いです。「報酬は低いが、実績になる仕事」に時間を取られて、「報酬が高く、実績になる仕事」を受けるチャンスを逃さないように注意しましょう。

4. 報酬が低く、実績にもならない仕事

報酬が低く、実績にもならない仕事は、基本的には受けるべきではありません。このような案件は、ライターとしての成長にも収入にもつながらないため、時間と労力の無駄になってしまうことが多いです。

例外として受けることがあるとすれば、これまでに付き合いがあり、信頼関係が築かれている方からの軽い頼みの場合のみです。そのようなケースでは、報酬や実績よりも人間関係や恩義を重視した方が良いこともあるでしょう。

しかし、まだ信頼関係が築けていない、関係値の浅いクライアントから「今後の付き合いにつながるかも」と考えてこのような仕事を引き受けるのは、あまりおすすめできません。

最初に安く買い叩いてくる人は、その後もこちらを軽く見てくることが多く、将来的に適正な報酬を支払ってもらえる可能性は低いでしょう。そのようなコネクションは、むしろライターとしてのキャリアにとって有害になることがありますので、避けたほうが賢明です。

自分のライターとしての価値と時間を大切にするためにも、報酬が低く、実績にもならない仕事は基本的に断り、自分にとって本当に価値のある案件に集中することが大切です。

仕事を継続してご依頼いただくために意識していること

仕事を継続してご依頼いただくために意識していること

最後に、ご縁のあったクライアントから継続して案件をご依頼いただくために私が意識していることを紹介して、この記事を締めたいと思います。

細かく分けると、色々と心がけていることはあるのですが、特に意識的に行っているのが「自分の得意分野や好きなものを発信すること」です。

クライアントは、あなたの得意分野や好きなものを知ることで、どのような案件を依頼すれば良いかを判断しやすくなります。継続して案件を受注できる可能性が高まるのはもちろんですが、新規案件獲得にもつながるので、発信しない手はありません。

例えば、私は一見英語とは関係のない美容系の案件などに応募する際でも、お送りするプロフィールには、英語コンサルタントの経験があることなども必ず記載しておりました。その結果「実は、英語関連でこんな案件があって、松永さんのご経歴にピッタリだと思うのですが、こちらのお仕事もお願いできますか?」と声をかけていただき、一度にまとめて2つの案件を獲得できたことがあります。

また、自分から伝えていなかったにも関わらず、クライアントが私のXのプロフィールやポストを見て、英語や中国語が得意なことを知ってくださり、それがきっかけで仕事をいただいたこともありました。

このように、自分の強みや好きなものを積極的にアピールすることで、より多くの仕事を依頼される可能性が高まります。自分の得意分野であれば知識も豊富なので、当然仕事もやりやすく、メリットだらけです。

フリーランスや副業ライターは、正社員と異なり、まずは仕事を見つけないことには何も始まりません。ぜひ、今回紹介した方法を参考に、みなさんが良い案件と巡り合えますように。

この記事を書いたライター

執筆者

Haruka Matsunaga

おしゃべりが止まらない5か国語話者ライター。二次元にも三次元にも推しがとにかく多すぎるオタク。素敵なものや自分の好きなものをとにかくたくさんの人に広めたいという気持ちが執筆のモチベーションです。ペンは剣より強し、言葉の力を信じて...

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