一次情報はどう集める?2年目ライターが活用している収集先

一次情報はどう集める?2年目ライターが活用している収集先

一次情報が大事!と聞くけれど、実際にどうやって集めたらいいのかわからない…と、かつての私は感じていました。ジャンルによってはスムーズに情報が集められず、苦労していたのです。

リサーチをスムーズに終わらせるには、どこをリサーチするか早めにハッキリさせておくべきです。以下では、個人的によく活用しているリサーチ元を紹介します。

公的機関や大学

当然といえば当然なのですが、公的機関(国や自治体)は正しい情報を伝える役割を担っています。嘘の情報を伝える意味がない立場で、信頼性の高い発信者といえます。

とくに、金融・法律などのジャンルに対応する際は、公的機関の情報を参照するべきです。これらのジャンルは間違いのない明確な根拠が要求されるからです。

また、大学も国や自治体と同じく信頼性の高い情報元といえます。研究の結果や論文に加えて、就活ジャンルの情報が入手しやすいのが特徴です。

国や自治体、大学の情報を効率的に収集するには「まとも検索」がおすすめです。

まとも検索の利用により、公的機関のサイトや大学のサイトに絞ってネット検索できるため、信頼性の高い情報元を効率良く集められます。

ジャンル・テーマに特化している公式団体

ジャンルによっては、国や自治体以外の組織が一次情報を持っている場合があります。

例えば、「SEO対策」に関する情報を集めたい場合がそうです。

検索エンジンそのものを提供しているGoogleのほうが、SEO対策の情報元として適しているからです。SEO対策の一次情報を収集するとしたら、「Google検索セントラル」を参照すべきでしょう。

他には、睡眠に関わる情報は寝具メーカーの西川株式会社の「nishikawa睡眠白書 2024」で調査可能です。転職の情報は、株式会社リクルートが運営しているリクルートエージェントの「転職関連アンケート調査」にもデータがあります。

信頼できる情報、一次情報を探すには「情報を誰が発信しているのか」を考えるのも重要です。ジャンルに関する専門知識を持つ組織はどこか、イメージしてみて情報元の候補を考えると良いでしょう。

また、製品やイベントを紹介する際は、公式のサイトや資料をもとにリサーチするのが確実です。公式サイトの情報だけでは不明点がある場合は、直接問い合わせるとより具体性のある情報が手に入ります。

PR TIMESや民間の研究所

PR TIMESや民間の研究所でも、公的機関や大学で見つからない一次情報を探せます。

私も、マッチングアプリ系の案件に対応していた際には、情報がうまく集まらず苦労しました。結局PR TIMESで調査し、状況に合ったアンケートを見つけて、「助かった!」と思った経験も。

PR TIMESは、各企業が発表している報道発表資料を取りまとめているサイトです。さまざまなジャンルのアンケート調査が掲載されているため、ライターの一次情報探しにはうってつけといえるでしょう。

「○○(調べたいテーマ) PR TIMES」で検索すると調べたいテーマに関連したアンケート調査が見つかりやすいのでぜひ試してみてくださいね。

なお、PR TIMESでもうまく見つからない場合は、民間研究所の調査結果を活用すると良いでしょう。

個人的によく活用させてもらっているのが、博報堂生活総合研究所の「生活定点1992-2024」です。こちらのサイトも生活に密着したテーマを調べやすいため、おさえておくとよいでしょう。

一次情報は記事内でどう組み込む?2年目ライターの実践例

一次情報は記事内でどう組み込む?2年目ライターの実践例

一次情報を記事内でどう使うか迷った経験はありませんか?使い方を詳細に解説している記事があまりないことから、私も「イマイチわからん…」とモヤモヤした時期がありました。

以下では、一次情報に使い慣れていない方に向け、私が思う使うべきタイミングをまとめました。

情報の正確性を担保したいとき

絶対に正確に情報を伝えたいときには、それに対応した一次情報でウラ(根拠)を取るべきです。

金融ジャンルや医療系ジャンルなどは特にそうで、誤った情報を発信すると読者の人生に悪影響を与えかねません。

例えば、以下のような文章を書く場合は、一次情報で明確に根拠を取るべきでしょう。

1. 新NISAの年間の投資上限額は最大360万で、非課税期間は無制限です。

2. マイコプラズマ肺炎の治療薬には、主にマクロライド系の抗菌薬が用いられます。


1.新NISAに関する文章は金融庁から、2.マイコプラズマ肺炎の治療薬の種類に関しては厚生労働省から情報の裏付けができます。

適切な文章を書かないと、ユーザーが正しい資産運用ができなくなって経済的な危機を招いたり、正しい治療ができない不利益を与えたりしてしまいます。

正確性が求められる文章は、原稿のコメント機能で根拠になる一次情報を残しましょう。また、数字・制度・メニュー・歴史的事実が含まれる文章もファクトチェックがされやすい箇所です。

同様に根拠となる情報元(一次情報が掲載されているサイト)をコメント機能で記録しておくと良いでしょう。

主張したい事実があるとき

記事の中で、特定の事実を明確に主張したいときがあります。例えば、転職エージェントへの誘導を目的にした記事で、「第二新卒の転職も前向きに検討すべき」という主張を行いたい場合です。

読者に転職エージェントを納得して利用してもらいたい場合、一次情報で説得力を高めていくとコンバージョンにつながりやすくなります。

実際に一次情報を使ってどのように論証すればよいでしょうか?

以下は、「3年以内に離職をする大卒の新規卒業者は一定数いる」という事実を説明する例文です。

(例)

以下のグラフは、大学を卒業した新規卒業者の就職後3年以内の離職率のグラフです。

厚生労働省の調査によると、令和3年度の3年以内に離職をした大卒の新規卒業者の割合は34.9%との結果が残りました。

学歴別就職後3年以内離職率の推移

出典:学歴別就職後3年以内離職率の推移(厚生労働省)グラフは同サイトより転載

令和3年度以外も30%前後で推移していて、早期離職する新規卒業者がいつの時代も一定数存在するとわかります。

アンケートの調査結果により、例文のような説得力ある主張ができます。グラフも一緒に載せると見やすくなり、内容に深みがある印象も与えられます。該当のサイトから転載する場合はその旨を記載しましょう。

SEO対策にも有効なため、積極的にグラフも活用しましょう。

記事構成や章内容のネタが欲しいとき

見出しを読んで「どういうこと?」と感じる方もいるかもしれませんが、アンケート調査の結果・項目を記事や章の構成のネタに使えるときがあります。

文字だけで説明すると難しいので、実際に例をご紹介します。

例えば、「マッチングアプリのメッセージのやり取りでのNG話題」に関する章の見出しを立てる場合、以下のデータを利用して章を構成できます。

※こちらのアンケートを利用して章の構成を考えます。

「連絡先交換」の前に「初デート」を希望する女性が約4割。婚活男女の価値観の違いが明らかに。

出典:「連絡先交換」の前に「初デート」を希望する女性が約4割。婚活男女の価値観の違いが明らかに。

(株式会社IBJ-IBJマッチングアプリ研究室)グラフは同サイトより転載

※章の構成例。今回は数を絞って上位3つで章を構成しました。

h2:絶対NG!メッセージで聞かないほうがいい話題3つ

h3:お金が関わること

h3:過去の恋愛

h3:下ネタ

調査を経たアンケートをもとに構成しているため、内容がまとまりやすく、章全体の信頼性を保てるメリットもあります。

「章や記事を構成するネタが欲しいなあ」と感じたときにぜひ試してみてくださいね。

まとめ│一次情報を活用して記事の質を高めよう

まとめると、一次情報の収集先には公的機関やジャンルに特化した団体、PR TIMESや民間研究所などがあげられます。加えて、使いどころは正確さにこだわりたいとき、主張したい事実があるとき、章や構成のネタがほしいときがあります。

また、記事内でアンケート調査の一次情報を活用する場合、以下の項目の把握も忘れないようにしてください。

  • アンケートの調査対象
  • どれくらいの意見が集まっているか
  • 調査の目的
  • どんな調査か
  • いつ調査をしているか


アンケート調査の中身を把握できれば、データ内容の誤認を防げて、後の説明を適切に行えます。記事の質を保つためにも必ず行いましょう。そして、出典元を記載することも忘れずに。

一次情報は記事全体の信頼性を高めるのはもちろん、流れ作りにも役立ちます。効果的に使用し、内容の濃い記事作りに役立てましょう。

この記事を書いたライター

執筆者

とうふねこ

現場仕事を日々がんばっている副業ライター。考える力が問われるライターの仕事が気に入っています。
とくに、構成作成であれこれと作戦を立てている時間に楽しみを感じています。執筆ジャンルはさまざまで、恋愛・金融・SEO対策など幅広く執筆...

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