前提条件:ライターの仕事の取り方とは
まずは、前提としてライターがどのように仕事を取っているのかについて紹介します。
主な仕事の取り方としては、以下の方法があります。
1:クラウドソーシングサービス
2:友人や知人からの紹介
3:個別営業
クラウドソーシングサービスとは、ライターを求めている企業の案件をまとめて、インターネット上で公開しているサービスです。ライターはクラウドソーシングサービスに掲載されている案件を確認して、募集します。いま最も手軽に仕事を探すことができる方法でしょう。
また、友人や知人にライターを求めている人がいる場合は、交友関係の中で仕事を紹介してもらうこともできるでしょう。
フリーランスとしてしっかりと仕事をしていくのであれば、自身のWebサイトなどを用意して、仕事を募集したり、募集していそうな企業に営業をかけることも必要になってきます。
受注につながる難易度は違っても、どの方法でもおそらく仕事をひとつ受けることはできるはずです。しかし、クライアントとの信頼関係が築けなければ、単発案件で終わってしまうでしょう。
信頼感を得るための仕事のポイント
では、どうすればクライアントの信頼を得ることができるのでしょうか。
もちろん原稿のクオリティも大切ですが、私の経験上、信頼を得るための大事なポイントは、原稿を書く前後にあると感じています。
ここからは、クライアントとの信頼関係を築くためのポイントを紹介していきます。
1:レスポンス
メールにしろ、電話にしろ、仕事をこなしていく中で、クライアントとコミュニケーションを取る機会はたくさんあります。こうしたクライアント側からの連絡に対してはすぐにレスポンスを行うようにしましょう。
返事が早ければ早いほど、クライアントの業務判断を早めることにつながりますし、なにより自分からの連絡をしっかり見ていてもらえることがわかるので、安心感にもつながります。
2:疑問点・不明点の解消
案件の概要説明を読んだ際や、仕事を進めている中で、不明点や判断に迷う点、疑問点などが出てくることがあります。わからないことが出てきたら、遠慮せずにすぐに質問するようにしましょう。
わからないことを解消するための行動は、納品物のクオリティを上げるために必要不可欠なこと。クライアントも面倒に思うことはありません。むしろ、仕事に責任を持っていると感じてくれるでしょう。
ただし、書かれている内容はしっかり読み込んで、不必要な質問をすることがないように気をつけましょう。
3:納期の遵守
仕事をする上で、スケジュールの遵守は信頼に直結するもの。納期だけは必ず守るようにしましょう。クライアントのスケジュールを乱してしまうライターは、どれだけ原稿のクオリティが高くても次の仕事はなかなかもらえません。
そのためにも仕事を受ける際には他案件との兼ね合いも考えながら、余裕を持ったスケジュールを確保しましょう。
しかし、のっぴきならない事情で納期を伸ばすことも仕事を続けていれば出てきます。その際にもクライアントには理由を添えて、早めに連絡を入れましょう。
4:丁寧なコミュニケーション
クライアントとのコミュニケーションは、できるだけ丁寧に行いましょう。
当たり前のことですが、仕事の依頼を受けた際には「ありがとうございます」、仕事が終わったときには「お世話になりました」など、挨拶をしっかりするだけでもクライアントからの心象は変わってきます。
ここで紹介した内容は、いずれも社会人として基本のマナーばかりです。半分自分への戒めも込めて記載していますが、当たり前のことを当たり前にできることは信頼感を得るために大切です。気を抜かずに丁寧なコミュニケーションを取るようにしましょう。
実践編!クライアントの信頼を得る仕事術
ここまで紹介した内容はあくまで基本的なコミュニケーションでした。ここからはライターとしてのクオリティを上げるために私が実践していることを少しだけ紹介したいと思います。
そんなに大層なことはしていないので、きっと簡単に実践できると思います。
1:複数案を用意する
私がよく実践していたのは、納品物に複数案を用意することです。もちろん、長文の原稿全てでパターンを出すことはできませんが、見出しやタイトルなどでいくつかパターンを提示することを心がけていました。
クライアントからも『複数案用意していただけるので、助かります』と好評で、実際にそのクライアントとは長く仕事を続けさせていただきました。
実は、複数案を出したほうが差し戻しが少ないということに気付き、仕事をスムーズに進めるため、という部分がきっかけだったのですが、結果的には満足度を高めることにつながっています。
案を提示するときには、しっかりと理由や狙いを添えることも忘れずに。
2:改善提案をする
前述のポイントで挙げた「2:疑問点・不明点の解消」にも通じますが、原稿の指示内で疑問に思った部分を、実際に原稿に落とし込んで提案することもありました。
例えばもらった原稿の構成の順番を入れ替えたり、別の情報を盛り込んだほうがいいと感じたときに、実際に変えた場合の原稿を用意して、実際に見てもらいます。
手間はかかりますが、こうすることでメールや電話でも伝わらない改善の意図を、クライアントに明確にイメージしてもらうことができるので、仕事もスムーズになります。
実際、8割型改善後のほうがよいという反応をクライアントからいただいていました。
3:特急案件を受ける
時間に余裕があるときは、納期の短い、いわゆる特急案件に積極的に手を挙げるようにしていました。
特急案件はつまりクライアント側にも余裕がない案件となっており、この案件を納期通りに対応することにより、クライアントの信頼を簡単に手に入れることができます。
人間、余裕がないときの助け舟というのは、とてもありがたいものですよね。もちろん、きちんと対応できる予測の上で実践してください。
信頼を得るには、クライアントの立場にたつこと
ここまで紹介してきたポイントはどれもそれほど特別なことではありません。大切なことはものすごいテクニックでも、奇をてらったアイデアなどではなく、クライアントの立場に寄り添ったちょっとした工夫です。
コミュニケーションでも、原稿制作でもクライアントの求めていることを、自分事として捉え、それを形にしていくことが、信頼を得るための1番の方法です。
これからライターとして働いていく皆さんはぜひ覚えておいてください。
この記事を書いたライター
じょん
一児の父でアラフォーライター。
Web制作会社にてライターとしてのキャリアを積みながら、副業ライターとして活動中。得意分野はエンタメ系。興味のある分野では作成する文章にも地が出がち。座右の銘は「ライターは文化的雪かき」。鈍く光る職...