編集者の仕事とは?

編集者の仕事とは?

編集者とは書籍やウェブコンテンツなどを、企画から出版・サイト掲載までの工程を管理する人です。高品質なコンテンツを提供できるよう、さまざまな職種と協働します。以下に具体的な仕事内容を説明します。

編集者の仕事内容

編集者は書籍やオンライン上のコンテンツなどを企画から編集までを管理し、世に送り出す仕事で仕事内容は多岐にわたります

まず、読者の興味をひく企画をたてます。そこから予算を立て、必要なライターやデザイナー、カメラマンを選定し依頼します。取材のアポイントをとったり、印刷所との調整をしたり、関係各所とのやり取りをするのも編集者の仕事です。

出版日やリリース日があらかじめ設定されている場合も多く、全工程がその日に間に合うよう、スケジュール管理が必要です。そして、提出された原稿やデザインなどの校正作業に入ります。また、事前にどのような売り方をするのか、広告の方法などについても検討します。このように、完成したものが問題ないか最終確認をして、世に送り出すまでが編集者の仕事です。

【気になる】編集者の年収は「300〜400万円」ほど

編集者の平均年収は20~30代で300~400万円ほどです。経験や能力によって大きく差がある点が特徴で、必要なスキルや資格を持っていると収入アップも目指せるでしょう。編集者のなかには、年収が1,000万円以上の人もおり、スキル・資格によって大きく左右される仕事とも言えます。

編集者の働き方は主に3つ

編集者の働き方は主に3つ

編集者の働き方は正社員や契約社員、派遣社員、アルバイト・パート、業務委託、フリーランスなどさまざまあります。ここでは主な3つの働き方について解説します。

  • 出版社や編集プロダクションに勤める
  • 副業
  • フリーランス

①出版社や編集プロダクションに勤める

新卒や転職で出版社や編集プロダクションに就職して、編集者として仕事をします。正社員や契約社員、パートタイムなど雇用契約で決まった働き方ができ、収入は安定している点が特徴です。一方で、編集の仕事だけでなく、ライターやその他の仕事を任される場合もあり、仕事内容は多岐にわたります。

②副業

編集者としての経験がある人は、編集以外の仕事を本業でしながら、副業としても活動できます。編集者はさまざまな職種とのつながりがあり、多彩なスキルを持つ人が多いため、副業での需要も高いでしょう。しかし、未経験で編集者を副業にするのは、案件が受注できないことが多いため、稼ぐまでの難易度が高い点には注意が必要です。

③フリーランス

フリーランスは、個人で業務委託を受け仕事をします。出版社や編集プロダクションなどで経験を積んでから、フリーランスになる人が多いです。企業やプロダクションから自分で仕事を獲得し、プロジェクトごとに編集者として働きます。個人での契約となるため、収入の不安定さはありますが、スケジュールや働く場所にとらわれない自由な働き方が可能です。

編集者に必要なスキルとおすすめの資格とは?

編集者に必要なスキルとおすすめの資格とは?

編集者の仕事に必須の資格はありません

仕事とスキルさえあれば、誰でも編集者として働けます。しかし、編集者は、編集に関わる専門知識とマルチタスクが必要とされます。さまざまな専門職と連携して1つのコンテンツを作成するため、未経験で仕事を始めるのは難しいです。

編集者になるためにどのようなスキルが必要なのか、就職採用や昇給に有利になる資格はなにかを、詳しく解説します。

編集者に必要なスキルと身につけ方を紹介

編集者に必要なスキルはさまざまありますが、今回は5つ紹介します。また、どのようにしてスキルを身に付けるのかについても解説しますので、編集者の仕事に興味がある人は、今日からできることを取り組んでみましょう。

  • 文章力
  • 企画力
  • マネジメントスキル
  • スケジュール管理
  • コミュニケーション能力

①文章力

編集者は、関係各所から仕上がってきた原稿を読んでチェックできるかが重要です。正しく日本語を使えているか、誤字・脱字はないか、読者が読みやすい文章になっているかを見極めるには、文章力が必要です。

出版社や編集プロダクションなどでは、編集者がライターの役割も担う場合もあり、自ら原稿を書く能力が必要です。また、編集者はデザイナーや印刷会社、マーケターなどさまざまな専門職と連携します。電話やオンラインでのやり取りも多いため、コンテンツに関する情報や指示を正しく伝達する力も必要です。


文章力は、読み書きでスキルアップできます。さまざまな文章を読むことで、語彙や文章表現などが学べます。また、定期的に文章を書くことで表現力が高くなるでしょう。自分の書いた文章にフィードバックを受けると、改善点を見つけることができ、校正の学びにもなります。

②企画力

編集者が持つべき企画力とは、時代の流れをつかみ、未来志向のコンテンツを提案することです。世の中にはさまざまなコンテンツがあふれており、他とは違う独自のコンテンツを作れる編集者は需要が多いでしょう。

企画するにはユーザーや読者が求めているものを、多角的に情報収集して読み取る力が重要です。日頃から柔軟な視点で、多くのメディアやSNSに触れることがスキルアップにつながります。またイベントや多職種の集まる会合などに参加し、インスピレーションを得るのもいいでしょう。

③マネジメントスキル

仕事を進めるうえで、複数の職種とのやり取りが必須です。適切に人員を配置し、予算を決めて、目標を達成するための綿密な計画を立てます。業務の進行状況を確認し、必要に応じて業務を調整します

マネジメントスキルを高めるためには、実践が必要です。目標までのステップを細かく管理し、メンバーのことを細やかにケアできるように、実践を通して学ぶのがよいでしょう。編集者や編集プロダクションでは、メンターについてもらって、学べる場合もあります。

④スケジュール管理

多くの場合、コンテンツのリリース日が設定されており、その日に間に合うようにプロジェクトを進めていかなくてはなりません。さまざまな職種とのスムーズな連携や調整ができるよう、徹底したスケジュール管理が求められます。各工程に明確な締め切りを設定し、最終的にプロジェクトを期限内に完成させます。

スケジュール管理をスキルとして身に付けるためには、仕事の優先順位を意識するとよいでしょう。コンテンツ完成までのステップを細かく目標設定し、予期せぬトラブルにも耐えられるよう、余力を作っておくことが大切です。

⑤コミュニケーション能力

正確な情報のやりとりができれば、仕事は円滑に進みます。1つのプロジェクトに多くの人が携わるため、適性な人材配置を考える際には、その人をよく知る必要があるでしょう。日頃からチームのメンバーと良い関係性を作っておけば、スキルや性格、またお互いの相性を把握できます。そのためにも、普段からしっかりとコミュニケーションをとっておく必要があり、コミュニケーション能力はその点で求められます。

編集者におすすめの資格5選【取り方も】

編集者になるために必須の資格はありません。しかし、就職や転職する際に、資格があると仕事を獲得しやすくなります。

①校正技能検定試験

日本エディタースクールが主催・実施する日本で唯一「校正」の技能を認定する試験です。原稿をチェックする校正力を客観的に証明できます。初級は日本エディタースクールにおいて、指定科目を修得した方を認定します。編集者として必要な基本的な知識を学ぶことが可能です。全日制から土曜日・日曜日コース、通信コースなどさまざまあり、仕事をしながらでも通えるコースもあります。

参考:日本エディタースクール

②Webライター検定3級

Webライター検定3級は、クラウドワークス公式のスキル検定です。コンテンツマーケティングのプロ「株式会社グリーゼ」が監修するライティングテストです。無料でマーク式のテストが、いつでも受験できます。無料で手軽に受検できますが、内容は充実しており、事前講義を視聴すると、ライターの基本的な知識がしっかり学べます

参考:クラウドワークス

③マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)

編集者で仕事に使う、オフィスのコンテンツを学ぶことで作業効率が上がります。Word(文書作成ソフト)、Excel(表計算ソフト)、PowerPoint(プレゼンテーションソフト)、Access(データベース管理ソフト)、Outlook(電子メール・情報管理ソフト)の利用スキルを証明できる資格です。編集者だけでなく、さまざまな分野で活用できるでしょう。全国1,500か所の試験会場でほぼ毎日開催されており、一般レベルと上級レベル(エキスパート)があります。一般レベルの合格率は80%で、専用の教材もあるためしっかりと試験対策が可能です。

参考:マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)

④アドビ認定プロフェッショナル

編集者は制作物をデザインするスキルが必要です。アドビ認定プロフェッショナルは、デザイン制作に不可欠なPhotoshop、Illustrator、Premiere Proのスキルが各科目ごとに受講可能です。試験は、全国にある試験会場のコンピューターを使って回答します。対策教材や対策講座もあり、初心者からでも勉強すれば合格を目指せます

参考:アドビ認定プロフェッショナル

⑤DTPエキスパート認証試験

公益財団法人「日本印刷技術協会」主催の印刷物の基礎(DTP、色、印刷技術、情報システム、コミュニケーション、関連知識)を習得した人材を認証する試験です。年2回、全国6か所にて開催しており、学科試験でおこなわれます。過去3年の合格率は50~60%でやや難易度は高いですが、出版社で働きたい人にとっては、就職や転職に有利になるでしょう。

参考:公益財団法人「日本印刷技術協会」

編集者の将来性は?キャリアの展望について解説

編集者の将来性は?キャリアの展望について解説

編集者はマルチなスキルが身につくため、幅広いキャリアがあります。そして、インターネットの普及によりWebコンテンツはますます増え、今後もニーズは高まるでしょう。具体的なキャリアについて以下に5つ説明します。

  • 編集長
  • ライター
  • 校閲者
  • Webマーケター
  • 出版プロデューサー


①編集長

編集者として実績を積み、業界内での信頼を獲得していくと編集長というキャリアがあります。編集長は出版物やメディアの編集部門を統括し、編集方針や内容に最終的な責任を持つトップのポジションです。編集者と同様の仕事内容で、全体を統括する管理職です。

②ライター

編集者の経験で、コンテンツを多角的に見てライティングに生かすことができると、ライターとして重宝されます。全工程を知っているからこそ、バランスの取れた読みやすい記事が書けるでしょう。得意な分野に特化したライターなど、さまざまな場で活躍できるでしょう。

③校閲者

校閲者はライターなどが書いた文章を確認し、読みやすくわかりやすい文章にする仕事です。編集者としても必要なスキルなので、経験のあるジャンルで校閲者に特化することも可能です。文章だけでなく、デザインなどの校閲も経験しているので、全体をトータルで校閲することもでき、需要は大きいでしょう。

④Webマーケター

時代の流れを読み取り、その時々にニーズのあるコンテンツを作る編集者は、Webマーケターのキャリアに進むこともできます。Webマーケターはオンラインで商品やサービスを宣伝し、顧客を獲得する仕事です。その時代に合うサービスや商品を、その時代に合った方法で売り込むことができるでしょう。編集者での経験に合わせて、データ分析やSEO、SNS戦略などのスキルが必要となります。

⑤出版プロデューサー

出版プロデューサーは、出版物の制作とプロジェクト管理を担当します。制作のすべてのプロセスを把握し管理するため、編集者の経験が活かせます。多職種と連携し、1つのものを作り出す過程が編集者の仕事と近いため、キャリアとして進みやすいです。

【ライターの方へ】編集者を目指すためのやるべきこととは?

【ライターの方へ】編集者を目指すためのやるべきこととは?

ライターのキャリアとして、編集者を目指している方も多いと思います。編集者になるためにはどのようなステップが必要なのでしょうか。以下に5つ解説します。

  • ライターのキャリアを積む
  • 実績を作る
  • 必要な資格を取る
  • 編集者の養成講座を受講する
  • ほかのライターや編集者などと繋がりを作る

①ライターのキャリアを積む

まずはライターとしての経験を多く積むことが重要です。ライターとしての経験がついてくると、ディレクション業務に繋がります。ディレクションはライターの管理や、あがってきた記事を校閲する仕事があり、編集者の仕事に役立ちます。

②実績を作る

デジタルメディアの急速な発展とインターネットの普及により、Web編集者のニーズが増えています。ライターの実績でSEOの記事が上位表示される、PV数が多い記事を複数書いている、有名な雑誌のライターをしたことがあるなどの、具体的なアピールできるポイントがあると、編集者の採用につながる可能性があります。

③必要な資格を取る

上記に解説した資格をとると、編集者になるのに有利になることがあります。編集者に必要なスキルを学びながら、資格を取得できます。客観的な指標になるので、周りと差をつけることができるでしょう。

④編集者の養成講座を受講する

さまざまな編集者の養成講座が開講されています。編集の基本的なスキルから、出版業界の概要、デジタルメディアの活用方法など幅広いトピックをまとめて学ぶことができます。受講費用はかかりますが、プロから学ぶことができ、編集者になるという同じ志をもつ仲間を作ることもできるかもしれません。

⑤ほかのライター編集者などと繋がりを作る

ライターと編集者は職種柄つながりが強いため、ライターとして働くなかで関係性を作っていけます。日頃から多くの仕事をして、編集業界の人への信頼を作っていくことも大切です。知人の紹介などで、編集者へ抜擢されることもあります。

ライターの実績を積み、編集者へキャリアアップを

本記事では編集者の仕事内容や働き方、必要なスキルや資格、編集者のキャリアについて解説しました。ライターから編集者を目指している人は少なくないでしょう。まずは、ライターとしての実績を積んで、さまざまなスキルを身に付けることが重要です。独自の視点を交えて、読者を引き込む文章を意識的に書きましょう。

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