その1。ケバ取り作業は休みを入れず、一気に確実に仕留める!
まず録音内容を書き起こすためには、相槌やどもり、いらない言葉を消しながらわかりやすく文章にする、“ケバ取り”が必要です。
私はこれがとても苦手で、集中力が途切れがちになりこの作業だけでいつも2日ほどかかってしまっていました…。少し進んでは休み、少し進んではパソコンを閉じ、頭の中を整理するほうが書き起こすより時間がかかっていたような気がします。
この効率の悪さに嫌気が差し、自分の作業を思い返しながら直すべき部分を探ったところ、どうやらサボってしまったり時間が思ったよりかかってしまう要因は録音の再生をいちいち停止して丁寧に文章を作りすぎていたことにありました!
なのでおすすめのコツとしましては、この工程だけは途中で休まない!ただただ無心で素起こしを行い、休まずそのまま続けてケバ取り作業に入りましょう。
細かい矛盾や間違いは放置してください。最終的に別の文章に立て直すので、読み返せる程度で大丈夫です。聞き取れなかった箇所は重要な部分でない限り飛ばしてしまいましょう!
書き起こしが終わってさえしまえば、残りは自前の文章力の出番。一番辛い段階が終わったらもう大丈夫、ここからゴールまではもうすぐですよ!
その2。だらだら長く書く必要はなし!起承転結を区切って決める。
ただ書き起こしたものたちを文章にまとめていくだけでは、膨大な量になってしまいます。
文字制限や締め切りがある仕事としてのインタビュー記事にはどこかでやはり区切りをつけなくてはいけません。
そこで私はちょっと邪道ですが、インタビュー記事を四コマ漫画のように構成して練り上げています!
起 → インタビューに至ったきっかけ、相手のプロフィールや仕事内容など
承 → このインタビューでのテーマや、一番聞きたかった内容をまとめる
転 → 余談やくすっと笑えるエピソード、寄り道程度に本線から脱線しなさすぎない蛇足を入れる
結 → もうそのまま〆。もう一度インタビューの本質に触れ、自分の言葉でまとめる
ここまできたら後は誤字脱字をチェックするだけ。ご家族や友人などに見せてもいいお仕事であれば、第三者目線での読みやすさのチェックも最後にあるといいですね!内容によってはご本人に確認してもらう必要もありますから、締め切りの少し前に仕上げることも重要となってきますよ。
その3。やはりやる気は愛から溢れる。インタビュー記事の極意は愛!
さて、上記二つはテクニックやコツについてでしたが、最後は心の持ちようのお話しです。
そのむかし、私は自費出版をしたZINE(個人やグループが自由なテーマで制作した冊子)で9人のインタビューを1人で行い形にしたことがあります。その膨大な作業量にめげそうになりながらも、“この素敵な人たちの魅力を、この私がインタビューしたということを世間に知ってもらうんだ!”という強い気持ちでやり切りました…!
インタビュー記事というものは確かに相手の魅力を伝えるのが第一のお仕事ですが、そこに自分の色を出してこそライターの腕前だと思っています。もちろん私たちはメインではなく影武者。相手を差し置いてまでむやみやたらに自我を出せと言っているわけではありません。
どんな媒体でどんなインタビュー記事が載っても、読者の方に「あ!またインタビュアーがこの人なんだ。他の雑誌でも見たけど、この人が取材すると面白い展開になるんだよなあ」と思われてみたくはありませんか?私は思われたいです(笑)。
愛を持って、情熱を持って、会話上手になりましょう。淡々とこなすより、本当にあなたの魅力を伝えたいのです!と相手にぶつかってこそのインタビューのほうが、中身が詰まって面白いと思います。
心の内側を、物語の裏側を語ることは簡単なことではありません。インタビューを受けた側になったこともある私が言いますが、まるで内臓を見せるかのように恥ずかしいこともたくさんあります。だからこそ、それを丁寧に汲み取って、きちんとした技術で世間にお披露目する私たちライターという役目は、とっても光栄で楽しいお仕事ではないでしょうか?
インタビュー記事の仕事は難しいけれど魅力たっぷり
他の記事よりちょっぴり難易度が高いように思えるけれど、記事として発信することができたら達成感がたまらないインタビュー記事というお仕事。いかがでしたでしょうか?前回の記事と合わせて何か参考になれば幸いです!
愛を持って、相手とぶつかって一つの宝物を完成させましょう!
この記事を書いたライター
A
猫と文学と二次元アイドルを愛す、自他共に認める現代の魔女。自身のエッセイや旅行記を中心に執筆活動をし、web雑誌の編集長も務める。
エッセイ、アート関連の紹介記事やインタビュー記事などが得意分野。苦しみながらも書かねば生きていけな...