聞き出す時間はたっぷりとろう。
まず、インタビューをするにあたって、限界はあれど時間はたっぷりと取ったほうが良いです。
早速私の失敗談になりますが、軽いインタビューなので30分ほどで終わると思います!とクライアントから依頼され向かった先で、先方からまったく本筋に関わる重要なポイントを制限時間内に聞き出せず、後日もう一度貴重なお時間を頂いたことがありました…。
インタビュー慣れしていない時期は、自分の予想する倍の時間を先方に取ってもらう。これが一度大ミスをやらかした私からの切実なアドバイスです…!
もちろん中にはインタビュー慣れをしている人もいますから、こちらが場慣れしていなくとも、聞き出すのが簡単な場合もあると思います。ですが私の体感、例えば、技術職の職人さんやご年配の方などは、そこまでおしゃべりが得意ではなかったり、うまく核となる話の部分を表現するのに時間がかかったりすることが多い印象でした。
辛抱強く話を誘導し、気持ちよく聞き出せるまでお喋りに付き合うのも私たちライターの仕事です。これ、本筋には関係ないんだけどなあというような場面でもしっかりと相手に向き合い、たっぷりと時間をかければかけるほど後に文字に起こす時、意外と有益な情報が詰まっている…と振り返れるはずですよ!
あなたに興味があります、という態度が大切
記事を書く、ということがもちろん私たちの目的ではありますが蔑ろな態度でインタビューに挑んではもちろんいけません。
先方に対してリスペクトを必ず持つこと。たとえ自分にとって未知の分野であってもきちんと興味を持つことがインタビューにおいて一番大切なことだと思います。
少し緊張しているな、あまり自分の話をしてもらえないな、と思った時には先方の職業や、今回インタビューしたかった内容について自分が何を調べてきたのかをうまく会話に混ぜてみましょう。
間違えていたとしたらごめんなさい、こういったことを調べている時に知ったのですが合っていますか?など質問形式で、決して偉そうな態度を取らず、あくまでも先方の専門分野の知識を是非知りたいのです、という敬意を持って話を広げてみてください。例え用意してきた知識が間違っていたとしてもこちら側が全く何も知らない状態で取材にきた、と思われないことのほうがずっと大切です。
愛され上手は取材上手、あなたに興味があるんです!そしてもっとこの分野について知りたいのです!というアピールがうまくいけばいくほど、私は取材に手応えを感じた気がします。
取材相手が決まった時にまず行うことはその分野について最低限知っておくこと。インターネットでも図書館でも構いません。最低限の知識と愛を持って先方に自分をアピールしてください。少し気難しい方をインタビューさせていただいた時も、私はこの2つを意識して挑んでいました!
人の数だけ言葉がある。
当たり前ですがインタビューをする側も、受ける側も、一人の人間であるということを忘れないでください。インタビューの現場において、私たちはただの録音機器ではありません。機械ではなく、血の通った人間です。
この世界にはさまざまな人間がいて、その全員が物語を持っています。いわば私たちライターはその物語の語り部。興味のない、つまらない話を聞いてちゃっちゃと記事にしちゃおう、とモチベーション低くお仕事をするのはとても勿体無いです!
大切なのはその人の物語のおもしろみを自分が一番最初に見つけられる、と思うこと。
どんな物語を引き出すかはこちらの手腕次第ですから、話してくれるまで足繁く通ったり、自分の話もしてみたりするのもいいかもしれません。少し聞き出しづらいな…と思う相手でもきっと私たちの態度次第で変わりますよ!
今回はインタビューにおいて一番大切なこと、そして取材時のコツ、私の恥ずかしい失敗談をお話ししましたが、次回の記事ではいよいよインタビュー記事の執筆編をお送りしたいと思います。
書き起こし時のポイント、まとめ方、録音を聞き返す際のコツ…などなど!たくさんの人と関わり、その素晴らしさを誰かに伝えることができるインタビューのお仕事は私のとっても大好きな分野です。
ライターとしてももちろんですが、自分自身の経験や、この仕事を通じて新しい縁が見つかるのもこのお仕事の素敵なところですよ。
まずは相手との会話を楽しんで!そして素敵な記事を書けるように頑張りましょう!
この記事を書いたライター
A
猫と文学と二次元アイドルを愛す、自他共に認める現代の魔女。自身のエッセイや旅行記を中心に執筆活動をし、web雑誌の編集長も務める。
エッセイ、アート関連の紹介記事やインタビュー記事などが得意分野。苦しみながらも書かねば生きていけな...