文章力を鍛えるための読書と他に必要なこと
文章力を向上させるには、読書だけではなく自分で書くことも大切です。 興味のあるジャンルやテーマに関連する本を選べば、きっと書き留めたい気持ちが働くでしょう。
読書だけでは文章力を伸ばすことができない理由と、それに加えて必要なことを以下に説明します。
- 語彙力の向上は読む量に比例するのか
- なぜ読書だけでは文章力は飛躍しないのか
- 本を読まなくても文章力の高い人もいる
それでは詳しく見ていきましょう。
語彙力の向上は読む量に比例するのか
文章を書くには、豊富な語彙が必要です。語彙力とは、多様な言葉を理解して、使い分けることができる力です。言葉の選択肢が多ければ、格段に文章表現は向上するでしょう。
では、語彙を増やすための有効な手段は何でしょう?新しい単語や表現に出会う場は、やはり読書でしょう。言葉の意味が不明な場合は、その都度検索し理解することで自然に語彙が増えます。
つまり、読書量が多ければ、文章力の要素の一つである語彙力は相応に高まるということです。語彙力の向上は、読む量に比例すると言えるでしょう。もちろん、文章力は語彙力だけではありません。
なぜ読書だけでは文章力は飛躍しないのか
文章力を高めるためには、読書が欠かせません。しかし、読書だけでは文章力の向上には限界があります。どのように読むか、何を読むかも重要なポイントです。文章力が上がらない読書の原因とその解決策を以下に示します。
- 読書の目的が明確でない
- 読書の量や質が不十分である
- 「書く」作業をしない
詳しく見ていきましょう。
1. 読書の目的が明確でない
読書の目的を明確にすることは、読書の効果を最大限に発揮するために必要なことです。読書の目的がはっきりしていないと、読む本の選択に迷ったり、読んでも内容が理解できず途中で諦めたりします
そのため、読書を始める前に、自分が何を学びたいのか、どんなスキルを身につけたいのかを考えることが大切です。その目的に合わせて、本のジャンルやレベルを選びましょう。
文芸作品は、感性や想像力を豊かにするのに適していますが、論理的な思考力や文章力を鍛えるには、ノンフィクション作品が有効です。自分の目的に応じた本を読むことで、読書の楽しさと効果を高めることができます。
2. 読書の量や質が不十分である
活字に触れる機会が少ないと、必然的に文章力は向上しないでしょう。普段、読書量が不足していると感じている方は、毎日決まった時間やページ数を読むことから始めてみてはいかがでしょうか。
同時に、読書の質も高めなければ意味はありません。単に漠然と文字を追うだけでなく、本の内容をしっかり理解することが必要です。
次のステップとして、読んだ本の要点や感想を自分の言葉で書くことが、文章力を上げるために有効と言えます。
3.「書く」作業をしない
読書は、語彙の理解や文脈構成など、文章の基礎を身につけるために役立ちます。しかし、読書だけでは、文章力は十分に伸びません。なぜなら、読書で得られるのは、受け身の知識だからです。
自分の考えを言葉にする技術は、実際に文章を作ることでしか習得できません。文章力を本質的に高めるには、積極的に書くことが必要です。
その際に参考になるのが、他人の文章を批判的に読み、その文章の長所や短所、改善点や学びのポイントを見つけることです。これにより、客観的な評価力を養うことができます。
書くことだけでなく、書いたものを見直すことも大切です。自分の作品を他人に見せて、添削やフィードバックを受けることも成長のためには欠かせません。他人からの意見は、自分では気づかない視点や問題点、可能性を教えてくれます。自分の文章の弱点や改善点を知ることで、文章力は向上します。
本を読まなくても文章力の高い人もいる
本を読まなくても文章力の高い人もいます。それは、相手の立場や感情に寄り添って話すことができる人です。このような人は、ビジネス文書でも相手に伝わりやすく、説得力のある文章を書くことができます。
相手のニーズや関心に応じて言葉を選び、自分の考えや提案を明確に伝えることができます。文章力は、読む相手を慮ることが大切です。
読者の理解が大前提ですから、相手の視点に立ちながら語彙の選択及び話の構成を考慮しなければなりません。相手とのコミュニケーションのスキルがキーポイントと言えるでしょう。
書くことで、文章力の向上が図られる
ここまで文章力を鍛えるための読書方法について伝えてきました。読書は文章力を高めるのに非常に有効な方法です。語彙が増え表現力も身につきます。
しかし、読むだけでは不十分で、自分で文章を書くことも必要です。読書を通して、語彙や表現力を増やし、文章を書くことで、思考や構成を整理します。
その意味で、読書感想文は、読んだ本の内容を理解し、自分の考えをまとめるのに有効な練習です。読書感想文の構成をまとめる過程で、自分自身の文章で書き、論理的な構成を考える習慣が身につきます。
読書感想文の書き方とその重要性
読書感想文を書く際には、本の内容を整理した上で自分の感想や考察を述べることが大切です。
読書感想文の書き方には、一般的に三つの構成(序文、本文、まとめ)があります。
・序文
読んだ本のタイトルや著者名を紹介し、読むきっかけや目的を説明します。読者に興味を持ってもらうために、本のテーマや問題提起などを盛り込むと良いでしょう。
・本文
本のあらすじを簡潔に要約し、自分が感じたことや考えたことを具体的に述べます。本の登場人物や場面に対する感想や共感、批判や疑問などを示すと良いでしょう。また、自分の経験や知識と関連づけて考察すると、深い感想文になります。
・まとめ
本文で述べたことをまとめて、自分の主張や結論を明確にします。読んだ本から得た教訓や学び、影響や変化などを示すと良いでしょう。また、読者に対するメッセージや呼びかけなどを加えると、印象的な感想文になります。
また、この読書感想文の書き方のパターンは、レポートやエッセイなど他の文章でも応用できます。
読書感想文は文章力を高めるだけでなく、文章構成の基礎も身につけることができる素晴らしい練習です。
読書感想文を書くことで文章構成力を鍛える
読書感想文を書くことで、文章構成力も身につけられる点について前述しましたが、ここで、文章構成について説明します。文章力を向上させるには、文章の構成が重要です。
文章を書く際、白紙の状態から始めてはいませんか?「どうやって書けばいいかわからない」「自分は文章が苦手だ」と思っている人は、何もないところから書き始めようとすることが多いです。思いついたままに書いていると、話がとんでわかりにくい文章になってしまいます。
何かを作るときには、最初に設計図を作る必要があります。文章の場合は、文章の流れや構成を作ることです。
書くべき文章の目的や種類に応じて、どんな順序でどんな内容を書くかを設計することが文章構成です。
文章を書く前には文章構成を作成して、自分が何を伝えたいのかを明確にすることが必要です。
この記事を書いたライター
ジョンE
シニアライターです。総合商社、海外進出コンサルを経て、2022年夏からWebライターを始めました。コロナ禍前は2か月に3回の頻度で出張し、アメリカ、メキシコを庭のように企業の若い人と飛び回ってました。20年前LAに駐在した時に始めたランニン...