雪解けの北海道でワーケーションだ!
仕事をする環境ってとても大切ですよね。Mojiギルドでは、ライターさんたちが工夫をこらしたこだわりのワークスペースを記事で紹介しています。デスクや椅子、キーボードなどのガジェット、ライターならではのこだわりがあり興味津々です!
本当にお恥ずかしい話ですが、私はちゃぶ台というか、いわゆる床座りスタイルで仕事しています。「その方が仕事がはかどるから」という理由があるならいいのです。
しかし、私の場合、そんな仕事環境を変えたいなあと思っているのに、ついつい後回しにしているという情けない状態。
最近は、姿勢が悪くなるなど身体にも影響が出てきました(四十肩も悪化…泣)。
そんな面倒くさがりな私の仕事環境に対する意識を変えるために、かねてより憧れがあったワーケーションを決行することに!
場所は、雪解け間近の4月の北海道・旭川です!!
拠点はホテルか?エアビーか?
ほどよく都会で、自然に囲まれていて、ラーメンがおいしい旭川に、4月初旬から下旬にかけて20日間滞在することに決めたのは2月の初めでしょうか。航空券や拠点となる宿などの予約を考えると、計画は早ければ早いほどいいですね。
往復の航空券は、タイムセールなどを駆使して早めにゲット。さて、迷うのは拠点です。
19泊分をどこで過ごすか…。もちろん湯水のようにお金を使えるわけではありません。
選択肢は2つ。ビジネスホテル、または、Airbnb(エアビーアンドビー)通称エアビーです。
ビジネスホテルは快適だけど、ごはん事情に懸念あり
旭川駅周辺にはたくさんのビジネスホテルがあり、オフシーズンに連泊する場合はかなりリーズナブルに宿泊できるプランもあります。
今回は連泊といっても19泊。さまざまな旅行予約サイトで検索してみると「10日以上宿泊する場合は宿泊施設に直接お問い合わせください」というサイトもあります。
私が調べた感覚ですが、名の知れているビジネスホテルチェーンのホテルで、19泊20日の場合、1名1泊6,500〜8,000円ぐらい。19泊で15万円前後でした。
シングルもツインもそこまで料金の差はなかったのですが、広いお部屋になると当然ですが料金は高くなります。
10日ほどホテルに滞在しながら仕事をした経験があるので、それも踏まえてホテルの「いいところ」と「懸念点」を洗い出してみます。
- 定期的に掃除をしてくれる
- 通信環境が安定している
- 大浴場があればゆったり入浴できる
- 繁華街が近く外食が充実
- お部屋が狭い(デスクとベッドでいっぱい)
- 洗濯が大変(有料のランドリーサービスを利用)
- 外食やコンビニごはんばかりになる
基本的に快適なホテル暮らしなのですが、私にとって大きな懸念点は食事です。
毎日、外食やコンビニごはんは飽きてしまうんですよね。栄養も偏ってしまいます。さすがに20日間続くと厳しいなあと感じました。
そこで、エアビーを検討します。
エアビーなら暮らすように滞在できそう
Airbnb(通称エアビー)は、世界中で利用されている民泊サービスのこと。空いている部屋や使っていない家を「リスティング」として貸す「ホスト」と、民泊を利用したい「ゲスト」をつなぐサービスです。
エアビーのサイトから、利用したい場所と日付を指定すると、さまざまな宿泊先(リスティング)が表示されます。これはホテルの検索とほぼ変わりません。
旭川周辺で検索すると、富良野や美瑛もエリアに入ってきます。「富裕層の別荘か!」と思うようなリッチ&ゴージャスなログハウスから、「おばあちゃんち…?」のよう今も誰かが住んでるような気配ムンムンの民家までバラエティ豊か。
調べながら、エアビーのいいところと懸念点を整理すると…
- マンションや一軒家など居住スペースが広い
- 洗濯機や冷蔵庫など家電完備
- キッチンで自炊ができる
- 街に暮らすように滞在できる
- どんな部屋なのかサイトの写真だけで判断しづらい
- 予約が完了しないと場所の詳細がわからない
- 掃除、ゴミ出しなどは自分でする
- ホストと連絡をとる必要がある
などです。面倒くさがりの私は「ホストと連絡をとる」というのは、わりとネックに感じました。でも、キッチンで自炊ができたり、実際にその街に暮らすような体験ができるのは魅力的。また、よっぽど広い宿泊先でなければ、ビジネスホテルと料金も変わりません。
そこで、初めてエアビーを利用することにしました。
旭川駅から徒歩圏内で、今年利用開始になったばかりの新築マンションのエアビーを予約。1LDKでキッチンも広く(写真では)とってもきれい!
エアビーでおこもりワーケーション
4月初旬の旭川はまだ雪が残っていた
ホストとは、予約が確定してから、Airbnbサイト内のチャットでコミュニケーションをとります。私が予約したリスティングのホストは、利用前の案内もとても丁寧で、こちらの質問にも迅速に答えてくださるので、安心できました。
まだ街に雪が残る4月初旬の旭川のヒンヤリとした風と、あきらかに東京とは違う清々しい空気を感じながら、優雅なワーケーションの始まりです…!
と、いきたかったのですが、優雅…とはほど遠かった私のワーケーション。もちろん、旭川の清々しさと、熱い旭川ラーメンは私に活力をもたらしてくれたのですが、ほとんどエアビーにこもって、いつもの生活とほぼ変わらないペースで仕事をしていました。
リビングのテーブルをデスクにして
使い慣れた仕事道具たち
おこもりワーケーションができたのは、つまり、エアビーのお部屋がとてもきれいで快適だし、ごはんは作れるし、通信環境も申し分ないので、外に出る必要がなかった、ということです。
また、ちょうど滞在期間中はオンラインミーティングの予定が多く、外出しづらかったということもあります。
仕事道具として家から持ってきたのは、
- MacBook Air
- iPad
- パソコンスタンド
- キーボード
- マウス
- 充電器
- 仕事で使うノート
iPadはサブ画面として使えるので重宝しています。また、キーボード、マウスは、軽くて薄いものを持参。特別に旅用というわけでもなく、いつも家でも使っている仕事道具なのですけれども!
Wi-Fiも完備されていて、通信速度も仕事に全く支障がなかったです。使い慣れたツールで、いつもの仕事。自分のうちではない、新築マンションのきれいな部屋で仕事するとモチベーションは上がりますね。
キッチンで自炊。いつもの昼ごはんも新鮮
朝食を作れるのはうれしい
たらこおにぎりのたらこ添え
私が利用したお部屋には立派なキッチンがあり、ミニマムながら必要なものが揃っていました。自炊する前提だったので、買うと余ってしまうような調味料や、衛生的に使いたいスポンジなどは持参。
コンビニやスーパーでは少量の調味料も売っていますし、不足するものは近くの100円均一ショップでだいたい揃えることができるので、特にキッチン周りの持ち物は気にしなくてもいいかもしれません。
エアビーにあったもの
・お鍋やフライパン、トング、ザルなどの調理器具
・電子レンジ、電気ケトル、炊飯器などの調理家電
・グラス、お皿、お箸、スプーン、フォークなど
・食器洗剤
持参したもの
・塩・胡椒などの調味料
・コンソメキューブ
・オリーブオイル
・食器用スポンジ
・排水溝ネット
現地で購入したもの
・ふきん
・サランラップ
・お椀型の紙皿
エアビーの調理家電のなかでも大活躍だったのは、小さな2合炊きの炊飯器。毎日お米を炊いて、ご飯が余ったらラップにくるんで冷凍。朝食用におにぎりにしたり、大好きな納豆ごはんにしたり、炊飯器のおかげで自炊が捗りました。
また、地元のスーパーはその地域ならではの食材や食品があって楽しいですよね!新鮮な野菜、牛乳、お菓子にも感激しましたが、海の幸のおいしさと安さはさすが北海道。
特に「たらこ」はおいしすぎてリピートしまくりました。近所のイオンで「根室のたらこフェア」が普通に開催されていて、嬉しすぎて涙が出そうでした。
北海道のコンビニ「セイコーマート」も忘れちゃならないですね。オリジナルのお惣菜やパンがおいしくて、しかもリーズナブルなので、よく利用していましたよ!
旭川の繁華街も近いので、週末は外食も楽しみました。滞在期間が長いからこそ、海鮮居酒屋やお寿司、ラーメンにとどまらず、旭川のメキシコ料理店やスペイン料理店などを発掘することができました。
掃除、洗濯は自分で!新しい家電や日用品も楽しい
さて、食べることについて熱く語ってしまいましたが、当然ホテルと違ってお部屋に清掃は入りませんので、掃除や洗濯は自分で行います。
掃除機や洗濯機などの家電は完備されていたのですが、私は初めて家庭用のドラム式洗濯機を使いました。いやあ、洗濯の後に乾燥できるのって便利ですね…。「ドラム式洗濯機で時短革命!」なんて聞いてはいましたが、乾燥までまかせておけるのがこんなに楽なんだ〜ということを初めて実感しました(自宅では干しています)。
また、エアビーのクローゼットにあった、シリコンがついているハンガー。これも、洋服がずり落ちないことにいたく感動し、帰宅後に同じようなハンガーを購入したほどです。
洗濯機もハンガーも、そういった製品の存在は知っていましたが、「実際使ってみるとめっちゃ便利!」と実感できたことの楽しさ、発見が、自分の想像以上に大きかったです。
非日常のなかで日常を送ると新しい発見がある
4月下旬は春の気配に包まれていました
今回は、20日間、いつも暮らしている場所とは違う場所で、いつもと同じように仕事をしたり家事をしたりして過ごしました。それで感じたことは、
「いつもと違う環境って新鮮でワクワクするな」
「どこにいても、自分がすることは同じだな」
と、相反するような感覚を同時に味わえたこと。考え方や視点が非日常と日常とで目まぐるしくスイッチするような不思議な感覚です。もっと新しいことをしてみたいとも思うし、これまでやっていたことも大切にしたいとも思えました。
旭川のような街ではなく、リゾートやもっと自然豊かなエリアを選んでみると、そのギャップのなかでより新しい発見が生まれるのかもしれません。
「好きな場所で、非日常のなかで日常を送る」のがワーケーションの醍醐味。やってみたいけれど、ハードルが高い、と思う方は、まずは好きな街で短期間からトライしてみるのもいいかもしれませんね。
この記事を書いたライター
坂本 緑
旅行ガイドブックの編集・ライター、コピーライターを経て、フリーライターに。現在は、Webメディアの編集・記事執筆のほか、コピーライターとしてWeb・紙媒体問わず広告制作に携わる。一番好きなのは出会いがある取材とインタビュー。Mojiギル...