日本国内でワーケーションが普及した背景

日本国内でワーケーションが普及した背景

ワーケーションは仕事(Work)と余暇(Vacation)を組み合わせた欧米風の造語です。日本では2020年以降、ワーケーションという言葉が急速に広まりました。欧米発祥のワーケーションがなぜ日本国内で普及したのか、その背景を紹介します。

きっかけは新型コロナウイルスのパンデミック

ワーケーションという用語は2020年7月、政府の「観光戦略実行推進会議」でその普及に取り組む考えが示されたことをきっかけに広がります。

当時の日本は、新型コロナウイルスが蔓延し、国内初となる緊急事態宣言が発出して間もないタイミングでした。冷え込んだ観光関連産業を盛り上げるために、観光庁がおこなった「Go to キャンペーン」とともに、ワーケーションは政府によって推し進められます。

※参照:菅官房長官 「ワーケーション」普及で観光促進を | NHKニュース

ちなみに、当時の私は脱サラしたてホヤホヤで、ノマドワーカーを目指してWebライターに転身したばかりでした。ワーケーションという働き方を知ったとき、「この働き方は性に合っているな」と感じて、脈拍が速まったことをよく覚えています。

それを機に自分の価値観や人生設計が明確になり、現在は妻とふたり、お互いノマドワーカーとして日本一周の車中泊旅をするまでに至りました。毎日がワーケーションの連続で、忙しくも刺激的な日々です。

認知度は8割を超えるも、実施率は5%以下

ウィズコロナ時代に入ってからも、ワーケーションは日本国内で広がり続けます。観光庁の調べによると、導入企業の従業員のワーケーションに関する認知度は8割を超えるとのことです

参照:受入地域・観光事業者の皆様|ワーケーション&ブレジャー

一方で、実際にワーケーションを体験した従業員は全体のうち5%以下にとどまります。私の周りを見渡しても、企業勤めでワーケーションをしたことがある知り合いは数人程度です。

しかし、同調査は「企業に勤めている従業員」を対象に実施されたもので、私のようなフリーランスは調査対象ではありません。ゆえに、働き方を比較的自由に決められるフリーランス界隈に限定すれば、「ワーケーションという働き方は十分に市民権を得ている」というのが個人的な所感です。

実際、検索エンジンやSNSで「ワーケーション」と検索すれば、多くのブログ記事や投稿がヒットすることからも、その普及率の高さが伺えます。とくに、ほぼ全ての業務をオンラインで完遂できるWebライターは、ワーケーションと相性が良い職業といえますね

ワーケーション先を選ぶポイント

ワーケーション先を選ぶポイント

ここからは「自分もワーケーションしてみたい」と考えている読者に向けて、ワーケーション先を選ぶときにチェックしておきたいポイントを紹介します。

日本一周の車中泊という形でワーケーションを実践している私の実体験を踏まえて解説するので、ぜひ参考にしてください。

【ワーク面】作業環境の充実度に注目しよう

ワーケーション先の宿泊施設や飲食店を選ぶときは、その場所の作業環境がどのくらい充実しているのかを必ず事前に調べましょう。具体的なチェックポイントは次のとおりです。

  • セキュリティやスピードに優れたWi-Fiが整備されているか
  • プリントやスキャンができる複合機が置いてあるか
  • Web会議ができる会議室があるか
  • 仕事に集中できる個室スペースがあるか
  • (家族同伴の場合)託児所や保育施設は併設されているか
  • (中長期滞在の場合)地域の企業や人々とのつながりをサポートするコンシェルジュ的な窓口があるか


これらのハード面は、普段オフィスで仕事をしている人にとっては当たり前の環境かもしれません。しかし、ワーケーション先によっては整備が十分に行き届いていないケースもあります

自分の仕事に必要な設備が整っているかどうか、事前にワーケーション先の公式サイトを確認しましょう。クチコミサイトやSNSも駆使すれば、よりリアルなユーザーレビューも入手できますよ。

なかでも、Wi-Fi環境はリモートワーカーにとって死活問題です。私はワーケーション先を決める際、必ずWi-Fiが無料で利用できるかどうかを確認するように徹底しています。

また、「Wi-Fi自体はあるが、回線速度が遅くて仕事が進まない」というトラブルもワーケーションにはつきものです。そんな場合に備えて、私はiPhoneのデザリング機能をオンにしています

さらに、iPhoneキャリアの通信回線が悪くなった場合も想定して、デュアル回線用のeSIMも契約済み。最近のeSIMには月額基本料金が無料で、必要なときに必要なデータ容量だけ購入できるサービスが多いため、とても重宝しています。

【バケーション面】自分なりの楽しみ方を追求すべし

ワーケーションを計画していて最も心が踊るのは、やはりバケーションについて考えている時間です。個人的には、せっかくワーケーションをするなら、バケーション面の充実もできる限り追求すべきだと思います。

  • 特色ある地産地消のグルメ
  • 地域の魅力を体験できるアクティビティ
  • 日々のタスクを忘れてゆったりできる空間やサービス


このあたりは人によって優先度が異なるので、好みに合わせて自由にカスタマイズしましょう。

例えば、私は記事前半でお伝えしたとおり、妻と2人で自家用車に乗って日本一周の車中泊旅をしています。そんな私がワーケーションをするうえで、最も重要視しているのが「グルメ」です。

日本全国津々浦々、その日に訪れた土地の名産品に舌鼓を打つことが私の生き甲斐です。ちなみに今日は愛媛県松山市で、ぶりしゃぶ鍋と鯛めしをいただきました。どちらの味も筆舌に尽くしがたく、頬が落っこちないように両手で支えながら味わうのに必死でした。

ワーケーションを計画する際はお仕事だけでなく、ぜひバケーション面も充実させましょう。きっと人生がさらに豊かになるはずです。

Webライターこそワーケーションすべし!

Webライターこそワーケーションすべし!

コロナ禍でリモートワークが定着したことが追い風になり、ワーケーションの認知度と普及率は少しずつ、しかし着実に高まっています。

とくにWebライターは仕事の受注から打ち合わせ、執筆、納品まですべてオンラインで完結できるので、他の職業と比べてワーケーションを実践しやすい仕事です。

ワーケーションはバケーションを通じて心や体をリフレッシュできるだけでなく、そこで得た喜びや気づきを次の仕事の糧にもできる、新しい働き方です。現在Webライターとして活動している方は、ぜひ自分のライフスタイルにあわせてワーケーションに挑戦してみてくださいね。

この記事を書いたライター

執筆者

榎本力良

ノマドワーカー。学生時代はカナダ・中国・ドイツの3か国への交換留学を含め世界10か国以上に滞在。民間就職後、「時間と場所に縛られない自由な人生」を志向してライターに転身。2024年1月からは妻と2人で日本一周のバンライフを開始。2025年以...

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