Webライターがワーケーションをする3つのメリット
2024年1月に福岡県を出発したのち、佐賀、長崎、熊本、鹿児島、宮崎、大分の順で九州を巡り、先日から本州に入りました。
現在は広島市内のビジネスホテルで、久しぶりに嗅ぐ新品シーツの匂いに癒されながら、この記事を書いています。
さて、こんな生き方・働き方をしていると、周りから「身体はきつくないの?」「ちゃんと稼げてる?」と心配されることもしばしば。しかしながら、私は毎日健康に過ごせているし、「Webライターこそワーケーションをするべきだ」とつくづく感じています。
そこで、私がワーケーションをおすすめする3つの理由を紹介します。
- 精神的ストレスが大幅に緩和する
- 運動不足の改善につながる
- 生産性や創造力が向上する
精神的ストレスが大幅に緩和する
2020年6月から7月にかけて、慶應義塾大学島津明人教授監修のもと、NTTデータやJTB、JALなどが連携して「ワーケーション実証実験」を実施しました。実験の結果、ワーケーション開始後は対象者の職業性ストレス(心身のストレス反応)が全般的に低減していることがわかりました。
参考:NTTデータ経営研究所「効果的な働き方施策・観光施策としてのワーケーションの可能性」
私はこれまで、営業マン(出社型企業)→Webライター(フルリモート)→Webライター(ノマド、ワーケーション)の順にキャリアを積んできました。たしかに、会社に出勤していたサラリーマン時代に比べると、今はほとんど心身にストレスを感じていません。
これはワーケーションの経験がない人でも、かなりイメージしやすいメリットでしょう。ワーケーションはフルリモート勤務が前提です。したがって、心と体を押し潰しながら過積載の満員電車に乗り込む必要はありません。口角泡を飛ばす上司と顔を突き合わせる必要も、たまの休みをクライアントとの接待に費やす必要もありません。
もちろんワーケーションといえど、「仕事そのもの」のストレスは常に存在します。現に、この記事にも締切がありますし、原稿のクオリティが悪ければ次回以降の依頼がなくなるかもしれません。そういった健全なストレスは、仕事を続ける限りはなくならないし、むしろライターとして成長するために避けては通れない壁です。
そのうえで、「あなたが被る必要がないストレス」から解放されるのがワーケーションのメリット。職場の環境や人間関係が原因で、仕事そのものが嫌になるほど悩んでいるライターがいるなら、「一度ワーケーションに出かけてみたら?」と声をかけたいです。
運動不足の改善につながる
同実験の結果、ワーケーション期間中は対象者の活動量(歩数)がおよそ2倍に増えていることが判明しました。
私も、ワーケーションを始めた2024年1月以降、それ以前と比べて1日あたりの歩数が着実に増えています。
座り仕事のWebライターにとって運動不足は、さながら原稿の締切と同じくらい深刻な問題です。自助努力で改善しようにも、仕事がひと段落した日には「今日はこのままゆっくりしたい」と、ついつい運動をサボってNetflixをイッキ見したくなりますよね。
ワーケーションなら「ひとつ隣の駅まで歩いて、知らないカフェに入ろう」「泊まってるホテルの施設内や、周りの公園を散策してみよう」など、バケーションが運動に直結するケースが多いため、運動が苦にならないのがメリットです。
生産性や創造力が向上する
同実験の結果、ワーケーション開始後は対象者の仕事のパフォーマンスが向上していることが明らかになりました。
また、仕事のパフォーマンス向上はワーケーション終了後も1週間にわたって持続しました。このことから、ワーケーションは実施期間中の効果に加えて、終了後の残存効果も期待できるといえます。
私もワーケーション開始後に仕事の生産性が向上した人間のひとりです。具体的には「ひと月あたりの手取り収入(円)」を「ひと月あたりの労働量(時間)」で割った数値が、ワーケーション前は1,000円前後だったのに対して、ワーケーション開始後は1,700円以上に向上しました。簡単にいえば「時給700円アップ」です。
なぜ、私はワーケーション開始後に生産性を向上できたのでしょうか?ここからは個人的な所感ですが、ワーケーションによって仕事とプライベートのメリハリが付いたように感じます(研究用語ではこれを「公私分離志向」と呼びます)。
ワーケーションと聞くと、「仕事(Work)とプライベート(Vacation)が混同しやすそう」「ついついプライベートの時間を長くとってしまいそう」と考える人が多いかもしれません。しかし、ワーケーションを実践している身としては、「ワーケーションは仕事とプライベートのメリハリをつけやすい働き方だ」と感じています。
とくに私は現在、妻とふたりでクルマに乗って日本一周の車中泊生活をしています。毎日、移動と観光をしているうちに、あっという間に夜が来てしまうような生活を始めて約2か月。仕事に使える時間が限られるなかで、より無駄のない情報収集や、より赤入れが少なくなるようなライティングを心がけるうちに、自然と生産性が向上していきました。
また、ご想像のとおり「日本一周の車中泊生活」は毎日が非日常・未体験の連続です。そんな刺激的な日々を送っていると、「今日感じたことは、これからの仕事で活かせそう」「今日知った歴史をもっと勉強すれば、新しい記事のネタにできる」という場面も少なくありません。ワーケーションで得た経験によって、ライターとしての創造力が掻き立てられているのです。
万国のWebライターよ、ワーケーションせよ!
今回は日本一周の車中泊生活をしている私が、Webライターにワーケーションをおすすめする理由を3つ紹介しました。私の実体験が多めの内容ですが、今回紹介した内容は他のワーケーションにもおおかた当てはまるはずです。
Webライターは本来、パソコンとインターネットさえあればどこからでも原稿を書ける職業です。せっかくなら積極的にワーケーションに出かけて、自分の知見を増やすほうが、人生が豊かになるように思います。
この記事を書いたライター
榎本力良
ノマドワーカー。学生時代はカナダ・中国・ドイツの3か国への交換留学を含め世界10か国以上に滞在。民間就職後、「時間と場所に縛られない自由な人生」を志向してライターに転身。2024年1月からは妻と2人で日本一周のバンライフを開始。2025年以...