インタビュー記事にも種類がある

インタビュー記事にも種類がある

そもそもインタビュー記事とはいったいどんなものなのでしょうか?

定義としては題材がインタビューを元にしたものになるのですが、その形式はさまざまなものがあります。

一番オーソドックスなものでいえば、インタビュー内容をそのまま対話形式で書き起こしたもの。議論の盛り上がりや話者同士の関係性を見せる場合などに有効な形式といえます。

もうひとつが要約記事です。インタビューの内容をかいつまんで情報として見せる形式です。要点がまとまっているため、情報収集をしたい人に向けては最適な形式と言えるでしょう。

最後に、ナレーション形式があります。これは、対話文をコンテンツの中心としているのですが、そこに加えて、地の文で情報の補足や状況説明などを加えたものです。

1番目や3番目の形式は、話者に焦点を置いたもので、有名人へのインタビューや、関係性のアピールになる企業の成功事例コンテンツなどで用いられることが多いです。対して2番目は情報に焦点を置いたものであり、どちらかといえば情報提供系の記事に近いものになります。

ただ、どちらも話者が話したことがベースになっている、という点は共通しています。いずれにせよ、話者に対するリスペクトは必要不可欠なものとなっています。

インタビュー記事で修正していい内容

インタビュー記事で修正していい内容

インタビュー記事は、話者が明確に存在しているため、話者へのリスペクトが必要です。そのため、言っていないことを盛り込んだり、話者の意図を歪めるような書き方はNGとなります。

しかし、コンテンツとして公開する以上、ライターには読者に内容がしっかり伝わるように、まとめなおす作業が必要になってきます。では、どのような修正が必要となり、許容範囲となるのか、インタビュー記事でよくある修正内容を私なりに以下にまとめてみます。

・正しい日本語への修正
直接人に話す場合と、文章を書く場合では誰でも表現に差が出るもの。相手と同じ空間にいれば身振り手振りやその場の流れでわかる情報でも、コンテンツとして読む人にとっては伝わらないもの。これらの言葉をわかりやすい表現に修正することはライターとして必要な作業です。

公序良俗に反する表現やコンプライアンスに抵触する表現の修正
政治家の失言ではありませんが、気持ちが乗ってくるとついつい強い言葉が出てくる場合があります。また、その場の空気感によっては少々攻撃的な内容になってしまうこともあります。こうした内容はその場ではOKでも、コンテンツとして公開する場合には問題が出てきます。表現を変えて意図が伝わる場合は表現の変更。難しい場合はカットします。

前提知識の補足
専門知識を有する方のインタビューの場合、リテラシーの高い人には伝わることでも、初めて情報に触れる人にはわからない専門用語が飛び出すことがあります。こうした前提条件は注意書きとして追記するか、その説明も含めた内容に修正することがあります。

情報構成の変更
インタビューの場合、会話をしているので、その場の流れで話の内容があちこちに飛ぶことがあります。しかし、コンテンツとして見せる場合、同じカテゴリの内容は同じ段落でまとめたほうが話がわかりやすくなります。情報がより伝わりやすいように話の流れを整えることもよくあります。


他にも細かくはあると思うのですが、大雑把にいえばこのような修正があると思います。

これらの修正は、コンテンツとしての質を求めるために必要な行為であり、ライターとして正しく対応しなければいけません。話の中身を変えているわけでもないですし、あくまで読み手のことを考えた変更であり、問題はないと考えています。

しかし、この表現をどこまで変えるのかは人によってレベル感が異なってきます。ここがややこしいと最近感じているのです。

インタビュー記事のコンテンツとしての目的を明確に

インタビュー記事のコンテンツとしての目的を明確に

私個人としては、なるべく話者の話し方を残してコンテンツにまとめたいと思っています。しかし、クライアントや編集者によってはもっと大きく修正を加えてほしいと言われる場合があります。補足や修正の範囲内ではあると思うのですが、元の表現が全く残っていないものになることも。

言わんとすることはわかるのですが、修正に抵抗感を持ってしまいます。

とはいえ、クライアントや編集者には最終的に従うしかないのですが、できればこのような事態は避けたいもの。なぜこのような修正が発生するかを考えてみると、そこには表現の考えの違いというよりは、コンテンツとしての目的意識の違いがあるように思います。

インタビュー記事は話者があってのコンテンツですが、コンテンツである以上、伝えるべきことや、読み手に受け取ってほしいイメージがあるもの。この部分がしっかり共有できていないと、不本意な修正指示を受けることになってしまいます。伝えたい内容をしっかり把握していれば、必要な追加情報や修正も自ずと見えてくるはず

余計なストレスを避け、最適なコンテンツを提供するためにも、インタビュー記事が何を目的としているのかをしっかりと担当者とすり合わせておくことが重要です。

この記事を書いたライター

執筆者

じょん

一児の父でアラフォーライター。
Web制作会社にてライターとしてのキャリアを積みながら、副業ライターとして活動中。得意分野はエンタメ系。興味のある分野では作成する文章にも地が出がち。座右の銘は「ライターは文化的雪かき」。鈍く光る職...

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