確定申告が必要なライターとは？
ライターとして活動しているけど、自分は確定申告が必要かどうか、迷っている人も多いのではないでしょうか。
最初に、どのような場合に確定申告が必要になるのか、具体的に見ていきましょう。
※参考：国税庁 確定申告が必要な方
本業で活動している場合の確定申告
本業でライターをしている場合は、原則として確定申告が必要です。年間の所得が48万円を超える場合は、必ず確定申告をしなければなりません。
また、所得が48万円以下であっても、将来的に事業拡大を考えている場合は、確定申告をするのが良いでしょう。青色申告を選択していれば、業績が赤字のために所得が48万円以下になっている場合も、その赤字を翌年以降に繰り越すことができるからです。
これは、事業が軌道に乗るまでの間の資金繰りを考える上で、とても心強い制度です。
副業で活動している場合の確定申告
副業でライターをしている場合、公的年金などの雑所得以外の年間の所得が20万円を超えると確定申告が必要になります。ここでいう所得とは、収入から経費を引いた金額のことです。
また、収入から源泉徴収されている場合は、確定申告をすることで税金が還付される可能性もあります。経費をきちんと計上することで、納めすぎた税金が戻ってくる場合もあるのです。
確定申告をしないとどうなるの？
確定申告が必要なのに申告をしないと、税務署から連絡が来る可能性もあります。その場合、追徴課税されるだけでなく、延滞税や加算税が上乗せされることもあるので注意が必要です。
収入を申告し、税金を納めることは大切です。また確定申告をすることは自分の収支を把握し、今後の事業計画を立てるためにも役立ちます。
確定申告に向けて準備しておくもの
確定申告をスムーズに行うために、どのような準備が必要なのでしょうか。
私の経験から、特に重要だと感じる準備を紹介します。
1年間の収入を証明するもの
まず必要なのは、1年間の収入がわかる書類です。具体的には以下のようなものを用意しましょう。
- クライアントからの支払明細書
- 源泉徴収
- 入金が確認できる通帳のコピー
- 請求書の控え
クライアントによっては、支払明細書や源泉徴収票を発行していないところがあります。またクラウド会計ソフトを使っていれば、請求書や銀行口座のデータなどを連携できるので、手間が少なくてすみます。
経費として使える領収書
ライターの経費として以下のような支出は、きちんと領収書があれば経費として計上できるでしょう。経費として認められるのは仕事に関係する支出だけです。
- パソコンやタブレットなどの機器
- オフィスソフトや経理ソフトの利用料
- インターネット料金
- 参考書籍やオンライン講座の受講料
- 文具や事務用品
- 取材時の交通費
領収書は必ず発行日、金額、但し書きが記載されているものを保管してください。
マイナンバーカード
確定申告では、マイナンバーカードがあるととても便利です。特にe-Taxでの申告を考えている方は、準備しておくとよいでしょう。
マイナンバーカードがあれば、e-Taxで24時間いつでも確定申告ができます。また、マイナポータルを通じて、自分の収入や納税の記録を確認することも可能です。
私が経験した初めての確定申告～失敗から学んだこと～
初めて確定申告をした時の私の体験を、これから確定申告をする人はぜひ参考にしてほしいと思います。
失敗から学んだことは、今でも確定申告の際に役立っています。
領収書の整理をやっておく
私が最初に慌てたのは、領収書の管理です。1年間の領収書は適当に箱に入れたり、ファイルにはさんでいたりしていただけでした。いざ確定申告の時期になると、どれが経費として使える領収書なのか、まったく整理ができていなかったのです。
その結果、せっかく保管していた領収書の多くが見つけられず、経費として申告できませんでした。今思えば、月ごとにファイリングしておくだけでも、かなり違っていたはずです。
わからない場合には税務署に相談に行く
青色申告をすれば、青色申告特別控除があると知り、個人事業主として開業届を出した時に、合わせて青色申告承認申請書を提出しています。しかし、確定申告の準備を始めると青色申告が全く理解できず、パソコンの前で途方にくれてしまいました。
しばらく悩んだものの、思い切って税務署に電話してみると、とても丁寧に対応していただき、窓口での相談も可能だと教えてもらえたのです。
実際に税務署を訪れると、青色申告の仕組みから具体的な書類の書き方まで、一つひとつ説明してくれました。この経験から、わからないことは早めに税務署に相談することが、とても重要だと学びました。
慌てないために早めに準備をする
もう1つの大きな失敗は、経費の区分についての知識不足です。どの支出が経費として認められるのかわからず、自分が確実に経費と判断した分しか計上できませんでした。今では、仕事関連の支出は必ず領収書をもらい、すぐにスキャンをして保存する習慣をつけています。
これらの経験から、確定申告は早めの準備が大切だと実感しています。特に初めての方は、遅くても1月中旬くらいには準備を始めるのがよいでしょう。
私が活用しているe-Taxでの確定申告
確定申告は、自宅のパソコンから行えるe-Taxがとても便利です。
私も最初は不安でしたが、便利なe-Taxで毎年申告しています。ここではe-Taxの便利なポイントを紹介します。
e-Taxのメリット
e-Taxを利用すると、自宅のパソコンから24時間いつでも確定申告が可能です。特に、マイナンバーカードを使ってマイナポータルと連携すると、さまざまな情報が自動で取り込まれて便利です。
例えば、医療費の情報は自動で反映されますし、社会保険料控除証明書のデータなども取り込めます。これにより、手入力の手間が大幅に省け、入力ミスも防げます。
私の場合、この機能を活用することで、確定申告にかかる時間が半分以下になりました。
e-Tax申告の準備
e-Taxを利用するには、以下のものが必要です。
- マイナンバーカード
- マイナンバーカード発行時に設定した2つのパスワード
- ICカードリーダーまたはマイナンバーカード読み取り対応のスマートフォン
- パソコンまたはタブレット
- プリンター（控えを印刷するため）
特にマイナンバーカードは、申請から受け取りまで1か月程度かかることがあるので、早めに準備しておくのがおすすめです。
e-Tax申告の注意点
e-Taxは24時間利用可能ですが、確定申告期間の終盤は、アクセスが集中してつながりにくくなることがあります。私も以前、締め切り間際にアクセスできず、とても焦りました。
できるだけ、2月中旬から下旬の比較的空いている時期に申告を済ませるようになってからはスムーズです。また、早めに確定申告の準備を済ませていれば、e-Taxのみ1月初旬から確定申告ができます。
初めて利用する場合は入力間違いやマイナンバーカードがうまく読み込めなくて手間取ることが多いので、時間に余裕を持って取り組むことが大切です。
確定申告でよくある疑問と対策
確定申告について、私がよく相談される質問とその対応方法を紹介します。
よく聞かれることの多くは、私自身も初めての確定申告の時に悩んだポイントです。
いつまでに申告すればいい？
確定申告の期間は、毎年2月16日頃から3月15日頃までです。令和6年分の確定申告・納税期間は2025年2月17日（月）から2025年3月17日（月）です。申告書の提出は余裕を持って行いましょう。特に初めての人は、不明な点があった場合の修正時間も考えて、2月中に済ませるのを目標にするのがおすすめです。
なお、e-Taxであれば、24時間いつでも申告できます。ただし、期間の終わり頃は大変混み合いますので、できるだけ早めに申告するとスムーズです。
税務署に相談する時のポイント
わからないことがあれば、遠慮なく税務署に相談しましょう。確定申告の時期は込み合うことが多いので、早めに確定申告の準備をしながら、わからないところはすぐに聞くのがおすすめです。
私の経験では、以下のような準備をしてから相談に行くと、スムーズに話が進みました。
- 前年の確定申告書の控え（2回目以降の場合）
- 今年の収入がわかる書類
- 経費として計上したい領収書
- マイナンバーカードまたは通知カード
- 印鑑（必要な場合があります）
税務署で相談する場合は、電話であらかじめ面接相談の事前予約をします。
※参考：国税庁 税についての相談窓口
確定申告のための情報収集方法
確定申告に関する情報は、国税庁のホームページで詳しく解説されています。e-Taxのホームページには、具体的な操作方法も掲載されているので、参考になります。
また、確定申告のことがよくわからなかったり、もっと知りたいと思ったりした場合も、ぜひ国税庁のホームページを見てみましょう。わかりやすく解説したページや動画があるので便利です。
※参考：国税庁 確定申告準備編
確定申告を乗り切るために
確定申告は、慣れるまでは大変に感じるかもしれません。しかし、きちんと準備して取り組めば、問題なく終わることも多いのです。
特に大切なのは、早めの準備です。領収書の整理やマイナンバーカードの準備など、できることから始めていきましょう。
わからないことがあれば、ぜひ税務署に相談してください。専門家の方々が丁寧に説明してくれます。
そして、今年の経験を来年に活かすことで、年々スムーズに確定申告ができるようになっていきます。一緒に、確定申告を乗り切っていきましょう！
この記事を書いたライター
フクモトカナ
広島在住のもうすぐ50代。現在は主にWebライターとSNS運用のお仕事をしています。子育て中の2014年に販売の仕事をしつつ、Webライターのお仕事を始めました。所属企業のオウンドメディアの執筆などもした後、2023年11月よりフリーランスに。自分...