そもそもクセ、自覚していますか?
さて、問題です。私の文章にクセはありますか?
はい、ありますよね。割とクセが強いほうかもしれません。
でも、これは表現の問題であり、意識的にやっていると言ったほうがいいかもしれません。どちらかというと、もっと細かい部分のクセのほうがなにかと問題になるのだと思います。例えば句読点の打ち方だったり、疑問文や体言止めが多かったり、そうした文法的なクセのほうは案外気づけていないものです。私自身、正直自覚できていない部分があります。
しっかり校正をかければ気づけるのでは?という意見もあるかもしれませんが、自覚していないので、校正をしても無意識に修正してしまい、しっかり認識できずに終わってしまうことも多いのです。
その他にもタイトルの付け方のクセや、コンテンツの始め方のクセなど文法的なもの以外にもありとあらゆるところに、知らず知らずのうちにクセが出ているもの。
自分はクセなんかないと思っていても、実際にはたくさん抱えているかもしれません。
もし自覚しておきたいというのであれば、やはり他者の目を利用したほうがいいでしょう。
他者に校正してもらった原稿を確認したり、実際に他者からの反応を見るなどすれば、客観的に自分の文章を分析することができます。
やはり、たとえ制作物であろうと、人間そんな簡単に自分を客観視することなんてできませんから。
結論:クセは上手に活かしましょう
では、そのクセ、どうするのが最適なのでしょうか?
私の結論としては、クセは無理に矯正しなくてもよいと考えています。
以下でその理由を解説していきたいと思います。
1:個性が出せる
クセというのは言い換えれば、その人の個性です。その個性を無理やり消してしまうのはちょっともったいないと私は考えています。
ライターとして代わりのきかない人間になろうと思ったら、作り出すコンテンツに自分なりの持ち味を出せるようになることが必要だと思います。そのきっかけとしてクセはとてもよい武器になってくれるでしょう。
エッセイなどのような著者の顔が想像できるようなコンテンツはもちろん、単なる情報提供系の記事であっても、クセを活かせばその人らしい文章を作り出すことは可能です。
2:クセを意識しすぎると書きにくくなる
1の理由はクセのよい側面を見て、活かすべきだという主張ですが、文法的に明らかに間違えがあったり、ユーザーの理解を妨げるような表現の場合は修正するべきでしょう。ただし、クセを自覚し、その表現を使わないように意識しすぎると、文章を書くのが苦しくなってしまうことがあります。
というのも、文章のクセというのは結構その人の思考のクセとリンクしていることが多いように思います。そのため、クセを消すことに必死になると、考えをまとめることにまで支障が出てきてしまいます。
もちろん、読みにくい文章自体は後ほどしっかり校正する必要はあるのですが、書き始めの段階ではあまり意識しないほうがよいと思います。
クセを作るのは絶対にNG
また、文章のクセについて絶対にやってはいけないこととして、わざとクセをつけるという行為があります。これまで語ってきたクセの長所は、あくまで自然発生的に生じているのでよい効果をもたらしているに過ぎません。無理やり個性を出すと、文章的に破綻しがちなほか、得も言われぬ気持ち悪さが生じてしまいます。
考えてもみてください。関西人でもないのに関西弁を使っている人を見たら気持ち悪くないですか?
もちろん、芸能人のキャラ設定の作り込みのように、徹底できるのであればそれもひとつの戦略になるとは思いますが、先程も言ったように文章のクセは思考のクセにリンクしているところがあります。普段の自分のキャラクターからかけ離れたキャラクターを演じるのは文章だとしても難しいでしょう。
私のコンテンツの書き出しである「おはこんばんちは」はどうなんだ、という指摘もありそうですが、あれはあくまで定型文。クセではありません。キャラ付けをするにしてもこの程度が無難でしょう。
リアルにしても文章にしても、極端なキャラ付けは絶対にやめましょう!
クセはあなただけの個性
いかがだったでしょうか。
クセというのは誰にでもあるもの。もちろん他人が不快に思うものは矯正するべきですが、いたずらに避けることではないと思います。特に文章の場合はあとから見返すことができるので、クセが出てしまったとしても修正をかけることは可能です。ライター経験があれば、正しい文章に直すことは容易なことだと思います。
そして、文法的に正しいのであれば、それはあなたの個性です。その個性はあなただけのものなのでどうか大切にしてあげてください。
ちなみに私はクセを気にせず書ける、こういったエッセイ調のコンテンツが大好きです。
クセ込みでほめられると、やっぱり気持ちがいいものです。その分、批判されたときのダメージも大きいですが。
この記事を書いたライター
じょん
一児の父でアラフォーライター。
Web制作会社にてライターとしてのキャリアを積みながら、副業ライターとして活動中。得意分野はエンタメ系。興味のある分野では作成する文章にも地が出がち。座右の銘は「ライターは文化的雪かき」。鈍く光る職...