インタビュー前に知っておきたい!「質問の使い分け術」2選

インタビュー前に知っておきたい!「質問の使い分け術」2選

インタビューの質問には、実は種類があることをご存じですか?質問の分類方法は2つあります。

  • タテ展開する質問か/ヨコ展開する質問か
  • オープンクエスチョンか/クローズドクエスチョンか


それぞれの分類の考え方と、使い分けるべきタイミングを紹介します。

質問のタテ展開・ヨコ展開|どんな時に使い分ける?

インタビューの質問には、話をタテ展開をするものと、ヨコ展開をするものとがあります。それぞれの働きは以下の通りです。

  • タテ展開させる質問:今話している話題をより深めるための質問
  • ヨコ展開させる質問:違う話題に切り替えるための質問


イメージしやすくするために、それぞれの例を挙げますね。

  • Aさん「私はネギトロが好きです」
  • (タテ展開させる質問)Bさん「へ~、なぜネギトロが好きなんですか?」
  • (ヨコ展開させる質問)Bさん「へ~、逆に嫌いな食べ物は何ですか?」


タテ展開をする場合は、Aさんの「ネギトロが好き」という情報を深めるために質問を重ねています。一方でヨコ展開をする場合は、Aさんの「ネギトロが好き」以外の情報を拾うために質問を重ねています。つまり、タテ展開の質問は情報の深さ、ヨコ展開の質問は情報の広さを得ることが目的になるのです。

ヨコ展開の質問は、「そういえば…」「ところで…」などと、普段の会話でもよく使われるので、イメージがしやすいでしょう。一方で、タテ展開の質問とは、具体的にはどうやって展開していけば良いのかわかりづらいかもしれませんね。

タテ展開の質問を考えるポイントは、キーワードについての「5W1H」をたずねることです。ご存じかもしれませんが、5W1Hとは「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが)」「What(なにを)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」を指します。

例えば、話の中で「自社の新商品」の話が出てきたなら、その商品を「いつ」「どこで」「だれが」「なぜ」「どのように」つくったのかを問いかければ、話をタテ展開できます。すると、新商品にまつわる情報が深掘りされ、ストーリー性がある記事を書きやすくなるでしょう。

このようにインタビューとは、質問を使って話のヨコ展開・タテ展開を繰り返し、必要な情報を、必要な深さまで探っていく作業なのです。このタテヨコ構造をしっかりとイメージできると、情報を整理しやすくなります。

オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンの違い、使い分け方法とは?

もう一つ、知っておくと便利な質問の分類方法を紹介します。それは、オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンです。

  • オープンクエスチョン:自由な言葉で答える質問
  • クローズドクエスチョン:「はい」「いいえ」など、決められた言葉で答える質問


まずオープンクエスチョンは主に、話を広げる局面で使います。インタビュイーしか知りえない情報やキーワードを引き出す際は、オープンクエスチョンを投げかけてみてください。

一方で、クローズドクエスチョンは主に、話をまとめる局面で活用できます。話が広がりすぎて脱線してしまいそうな時は、「~ということですよね?」と、話の流れを整理するクローズドクエスチョンを投げかけてみると良いでしょう。

オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンを意識的に使い分けられれば、インタビューがより進めやすくなります。ぜひ参考にしてみてください。

「話しやすい」インタビューにするためのポイントは?

「話しやすい」インタビューにするためのポイントは?

インタビューにおいて、場の空気感はとても重要です。インタビュイーに「話しやすい」と感じてもらうためにできる、簡単な対処法には以下があげられます。

  • 事前に質問内容を共有する
  • 自身の自己紹介をする
  • 考えなくても答えられる質問から始める


まずは前準備の段階で、当日に予定している質問の内容をある程度共有しておきましょう。事前に答え方を検討できるため、インタビュイーも安心して取材にのぞめます。

そしてインタビューのスタート前に、ほんの2~3分でよいので、自己紹介をしましょう。名刺交換だけで終わらず、ぜひ自身のことを話してください。人は、何者だかわからない相手には警戒心を持ちますが、情報をくれる相手には親密さを感じやすくなります。

さらにインタビューの始めは、なるべく考えなくても答えられる質問を選んでください。例えば、出身地などのプロフィールは、あまり考えなくても答えられます。まずは「質問に答える」ことに慣れてもらい、気持ちよく話せる土壌を整えていきましょう。

インタビューで盛り上がる質問とは?過去の質問例を紹介!

インタビューで盛り上がる質問とは?過去の質問例を紹介!

ここからは、筆者の取材経験上で「盛り上がった質問」の例を紹介します。取材は一期一会ですから、同じ質問が必ずしも盛り上がるとは限りません。しかし少しでも参考になれば嬉しいです。

お店の名前を決めた経緯を教えてください

こちらは創業者からのメッセージを制作するために投げかけた質問です。

お店の名前は、いわば顔となる大切な部分。名前を決める過程には、心惹かれるストーリーが隠されているものです。この質問に答えてもらう際、インタビュイーさんは当時の様子を思い出したのでしょう。徐々に顔がほころんでいきました。あれもこれもと話がつながり、その場にいた従業員さんも、初めて聞くような話も多く出てきました。

インタビューのような「改めて話す」場でなければ、聞けない話がある。それを感じる質問となりました。

子どものときの夢は何でしたか

こちらは求人募集ページに載せる、社員インタビューの際に聞いた質問です。インタビュイーさんは専門性の高い部署に所属していたので、「その道に入る」という選択には特別なきっかけがあったのではないかと思い、投げかけてみました。

子ども時代の話は、仕事場での会話ではなかなか出てこない話題です。インタビューに立ち会った仕事仲間の皆さんも、興味を持って楽しそうに聞いてくださいました。またインタビュイーさんも、仕事に対する熱意の原点に立ち返る機会になったと、仰ってくださいました。

子どもと将来やりたいことってありますか

こちらは地方移住をした方に、土地に住んだ感想を聞く取材で使った質問です。子育てを生活の中心において過ごしている方だったので、きっとこれからの暮らしの展望も「子ども”と”」一緒にいることのほうがイメージしやすいと感じたためです。

この質問をすると、インタビュイーさんはふと「親の顔」になり、とても人間味あふれた回答をしてくださいました。カメラマンさんも含め、その場にいた子育て中の方みんなで「だよね~」と共感。一気に場が和みました。

インタビューでは、インタビュイーとの共通点を見つけられたら、ぜひ共感を添えて伝えましょう。ナチュラルな会話っぽさが増し、より話しやすい雰囲気になりますよ。

まとめ

今回はインタビューの質問をテーマとして、自身の体験を交えてお話いたしました。

どんな質問をするかで、インタビューはガラリと様相を変えます。質問をうまく使い、インタビュイーが気持ちよく話せる環境づくりを目指しましょう。

取材でしか聞けない話を聞きだせたときは、宝物に触れたような特別感がありますよ。ぜひ充実した取材体験を送ってくださいね。

この記事を書いたライター

執筆者

加橋もと春(motohal)

「誰か」と「読み手」をつなげる文章をつくる、ライティングという仕事にやりがいを感じています。人物取材や製品コピーなどのストーリー性・メッセージ性のある記事制作、FP等のマネー系資格を活かしたSEOライティングなどが得意です。現在はフ...

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