「ライター辞めたい」私はあの時、確かに苦しかった

「ライター辞めたい」私はあの時、確かに苦しかった

「何だかやる気が起きないな」誰だって、そんな日はありますよね。

ぶっちゃけ筆者は、割と頻繁にあります。仕事をする手を止めて、子どもを義母に2時間お預けして、おいしいコーヒーとケーキを求める旅へ。ひとりきりの時間をつくって、自分のご機嫌とりに出かけます。

けれども、とてもケーキだけでは立ち直れない、「ライター辞めたい」と思った3つのタイミングがありました。1つずつ振り返ろうと思います。

ライター2年目:体調不良で各所に謝りまくった

あのとき、我が家に襲ってきたのはコロナウイルス感染の波でした。

まずは夫が感染。筆者は濃厚接触者となったのち、時間差で感染。2022年当時は感染者と濃厚接触者に14日間の自宅待機期間が義務づけられていましたので、夫と私と子どもと約3週間ほどの引きこもり生活が続きました。

自宅で仕事ができるライターとはいえ、うんうん唸っている夫の看病、子どもへの感染予防、そして自分が感染して寝込んでしまったのですから、とても仕事にはなりません。さらに感染の後遺症なのか、筆者はしばらく集中力が続かない状態になりました。

締め切りを延ばしてほしい。クライアントにはとにかく謝りまくりました

寛容に受け入れてくださる方と、「なんとかしてくれ。そんなに遅れるならお金は払えない」とお叱りの声をくださる方がいました。正直、どちらにも申し訳なかったです。コロナ後遺症の倦怠感もあいまって、逃げへ逃げへ気持ちが傾いてしまい、気持ちを立て直すには時間が必要でした。

ライター3年目:収入が伸びずに赤字続きだったとき

Wワークだったライターを専業で始めたときは、第3子の妊娠中でした。無理をしないように仕事をセーブしなくては、だけど産後の仕事再開に向けて足掛かりをつけたいと…と、アクセルとブレーキを、両方同時に踏んでいる状態でした。でも、自動車のシステムもそうであるように、ブレーキが優先され、うまく進まないのですよね。

案の定、家計は赤字続き。でも妊娠中に新たな仕事を始めるわけにもいかず…。うまくいかなければおもしろさを感じられず、惰性で続けているような気持ちにもなり、辞める理由を探してしまうような状態になりました。

ライター4年目:スケジュール調整の下手くそさに気づいた

3年目に経験した赤字家計が怖くて、産後はとにかく仕事の量を増やすことに専念しました。産後3週の床上げと同時に、1日1時間のデスクワークからスタート。乳児を自宅保育しつつ、産後6か月目で1日5時間ほどの作業時間をとれるようになりました。

そして次に訪れたのはリソース不足。作業の効率化、案件の取捨選択、作業時間をもっと長く確保できないかを検討し始めました。

しかし、筆者の根底にあったのは「がんばればいけるだろう」の根性論です。「なんとかするので仕事をください」と、仕事を請け続けました。

結局、限界が訪れます。作業時間の見込みの甘さも相まって、スケジュールが崩壊。一度お引き受けした仕事を、自分の管理不足が原因で遅らせてしまうことほど、社会人として情けないことはありません。ライターというより、フリーランスとして向いていないのではと落ち込み、辞めた方がいいのではと思い悩む日々が続きました。

「ライターを辞めなかった」理由とは?

「ライターを辞めなかった」理由とは?

ライターを辞めたいとも思っていた筆者ですが、今でもライターを続けています。辞めたいと思った理由をお話ししたので、辞めなかった理由もお話しさせてください。

辞めるのが悔しかった

筆者は基本的に、負けず嫌いです。ライター歴が長くなるほどに、日の目を見ずに辞めることが悔しくなりました。「あきらめたらそこで試合終了ですよ」あの、名作漫画の名ゼリフも頭をよぎります。

かけた時間や労力の成果を取り返そうとするのは、前向きではないのかも知れません。しかし今後勝利が待っているかもしれないのに、負けたまま退場する踏ん切りもつきませんでした。積極的に辞めなければいけない理由が出ないうちは、辞める必要もないと感じたのです。

こんなに子育てをしやすい仕事はなかった

筆者はライターとして活動し始めてから、第2子・第3子の出産を迎え、子育てをしながら働く経験もしました。

そのなかで、「ライターでよかった」「フリーランスでよかった」と思ったことは何度もありました

妊娠中、子育て中には、コントロールが難しいトラブルが発生するものです。妊婦の体調変化や、子どもたちの変調、ついでに子どもたちの風邪が家庭内で蔓延したりと、常にトラブルがあると言っても過言ではありません。

そのような時、自身の休みや子どもの迎えなど、自分の裁量で調節できる働き方は本当にありがたく、手放し難いと感じています。

苦労もあれば嬉しいこともあったと思い出した

どんな仕事でもそうですが、苦しいことがあれば嬉しいこともあるものです

筆者は、執筆物や取材を褒められることに、何よりのやりがいに感じています。

「もと春さんから取材を受けたことで、仕事を始めたばかりの頃の気持ちを思い出す機会になりました」と言っていただけたときは、とても嬉しかったです。誰かの役に立てたという実感は、生きる原動力になっています。過去にもらった宝物のような言葉が、ライター辞めようと考えていた筆者のお尻を蹴飛ばしてくれました

「辞めなくて良かった」そう思える今にたどり着けた

「辞めなくて良かった」そう思える今にたどり着けた

ライターを辞めたいと幾度か思った筆者ですが、辞めずにいた結果、どのような未来にたどり着いたのでしょうか。

結論から言えば、決して華々しくはないけれども、それなりに暮らしていける程度の収入は得られるようになりました。

子どもたちが体調を崩しても、「ああ、またか」と思うくらいです。慣れれば対処法もパターン化します。手慣れた様子でスケジュールを組み直して、以前よりも楽にこなせるようになりました。

仕事も、自分の得手・不得手を知りながら進めるように変えました。スキルが劇的に高まった実感はありません。しかし興味のあるジャンルに挑戦したり、仕事のおもしろさを味わう余裕も出てきました。

変わったと思うことは、夢よりも、目標を持つようになったことでしょうか。雲の上の存在と思っていたものは、意外と手を伸ばせば届くのかも知れません。未来にちょっと希望を持つ。そんな生き方をこれからも心がけていきたいと思っています。

まとめ

ライター4年生である筆者が伝えたいこと。

それは、ライターを辞めたい時があっても、きっとそれは一時的なもの。辞めたくない、続けたいと思う時がきっと訪れるということ。

ですから、積極的に辞める理由がないうちは、「辞める」と言わなくても良いのではと思います。

ライターであるかないかなんて、名刺に4文字を加えるかどうかの違いだけです。書きたいときに、書けるだけ。そんなゆるいスタイルでもいいから、ライターである自分を捨てずに持ち続けるのも良いのではないでしょうか。

きっと辞めなくて良かったと思える瞬間が来ると、今日までライターを辞めなかった筆者は考えます。

この記事を書いたライター

執筆者

加橋もと春(motohal)

「誰か」と「読み手」をつなげる文章をつくる、ライティングという仕事にやりがいを感じています。人物取材や製品コピーなどのストーリー性・メッセージ性のある記事制作、FP等のマネー系資格を活かしたSEOライティングなどが得意です。現在はフ...

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