初案件は文字単価5円!
実力を誇張するような見出しですみません…。事実ですが、これは私の実力ではなく、ビギナーズラックです。再現性は低いかもしれませんが、経緯や詳細についてお伝えします。
案件探しに苦労する日々
オンラインスクールでSEOライティングの基礎を学んだ後、Xやクラウドソーシングサイトで案件を探し始めました。
「選り好みせず、まずはたくさんの経験を積むんだ」と覚悟を決めたつもりでしたが、以下のような応募条件ばかりが目につき、実績のない私が入り込む隙はないように感じました。
- ITや不動産など、私には馴染みがないジャンル
- 納期がタイト(例:3,000文字を3日で納品)
- 応募には特定の資格やライティング実績が必要
いくつか応募文を送ってみましたが、返事すらもらえない案件もあります。心が折れそうでしたが、黙々と案件を探し続けました。
初案件を獲得できたのは、運(と行動力)のおかげ
そんななか、以下の案件をある記事制作会社で見つけました。
- 文字数4,000文字×文字単価5円=報酬2万円
- 納期は1週間程度
- 司法書士事務所のホームページに記載される記事
- お金についてのコラムで、資格や専門的な知識は不要
- 構成や参考サイトの提示あり、執筆が簡単
- 初心者でもやる気があればOK
文字単価も魅力的ですが、何よりも「私にも書けそう」と思えたのが応募のきっかけでした。初心者可、しかも身近なお金に関する記事で、執筆のヒントまでもらえるなんて!
構成案の作成に自信がない私も、この案件ならばプロと同じレベルの記事を書ける気がしたのです。
この案件は人気もありそうなので、採用されるとは思えませんでしたが、チャレンジだけはしてみようと、ほぼ意気込みだけのあっさりした応募文を送りました。
結果は、まさかの採用!
この案件を獲得できたのは、本当にラッキーとしか言いようがありません。専門的な知識も経験もない私が採用されたのですから、ダメもとでもチャレンジしてみるものですね。
初めての採用のお知らせに驚くとともに「初仕事をがんばろう、あっと驚くような良い記事を仕上げるんだ」と気合が入りました。
仕事を始めて大変だったこと3つ
実際に仕事を始めてみると、思った以上に困難の連続でした。文章を書く以外にもさまざまな苦労をし、その案件のディレクターにもお手数をおかけするはめに。主な問題は以下の3つでした。
1. 関連ツールが使いこなせない
2. レギュレーションの理解が難しい
3. 文章が出てこない
ここでは、私の苦労の様子を詳しく語ります。
1.関連ツールが使いこなせない
連絡方法はGmail、書式はWordという条件でした。どちらも使った経験はあるため、大丈夫だろうと思っていたのですが、甘かったです。
普段スマホでLINEしか使わない私にとって、パソコンのGmailの画面は見づらいものでした。添付ファイルの送受信にも、操作ボタンの場所がわからずあたふた…。
さらに「メールを送信する際は、CCに含まれる方も宛先に含める」という基本的なビジネスマナーもディレクターに教わる始末でした。まさか、コミュニケーションツールの使い方でディレクターにお手間を取らせてしまうとは。
久しぶりのWord操作も、普段利用しているGoogleドキュメントと勝手が違い戸惑いました。高性能なゆえか、勝手に文字が消えたり変換されたりしてしまいパニックです。
Google先生に頼ろうにも、どう聞いたらよいのかわからず、Wordの操作方法についてのリサーチに膨大な時間を取られました。
2.レギュレーションの理解が難しい
レギュレーションには、原稿の形式からペルソナ像・構成まで、記事作成に必要な情報が網羅されていました。これだけお膳立てしてもらえれば、慣れない初心者でも戸惑いなく執筆できるはずです。
しかし、ここでも私は初心者らしさを発揮するはめに。一度読んだだけではその内容を理解できず、レギュレーションを読み込むだけで丸一日はかかりました。
執筆中も、1日に何回も読み直したことを覚えています。
もちろん、内容の確認は大切ですし、レギュレーションは記事の執筆の助けになるものです。しかし、私は効率を考えず、不安になるたびに読み返したため時間をとられてしまいました。しっかりとしたレギュレーションがあるのに、かえって執筆が進まない事態になったのです。
3.文章が出てこない
いざ執筆に入っても、苦労は続きました。パソコンの画面に向かったところで、なんにも書けないのです。
「見出しに書く文章を、すでに提示してくれている単語をもとに作るだけ」「指定の文字数に到達しない場合は、これまた提示されている参考サイトをチェックすればよい」と思っていたのですが、そんな簡単ではありません。
当然ですが、この案件の構成はディレクターが作ったもの。私が本文を書くためには、まず知識を私自身に落とし込む必要があります。初心者でキーワードに対する知識も少ない私が、数件の参照サイトを斜め読みするだけで記事が書けるわけはないのです。
コツもわからないままがむしゃらに調べ続け、気づけばリサーチの沼にはまっていました。
どうやって記事を書き上げたのか、うまく説明できません。寝不足のなか、とにかくペルソナを思い浮かべ、知ってほしい内容を言葉にすることに専念し、なんとか、期日ぎりぎりに納品を終えました。
初仕事の評価と学び
大変だった初仕事は、私にとって成功体験となりました。親切なディレクターのおかげでスキルアップでき、行動する大切さを実感できたことが大きな理由です。
ディレクターの優しさと的確な指導
ディレクターからは以下のような評価を頂戴しました。
良い点
- 読み手に必要な情報を考えていることが伝わる
- 丁寧なやりとり
改善すべき点
- 文言がかたい
- 冗長表現が多い
- 情報を詰め込みすぎている
多数の修正点を指摘されて正直落ち込みましたが、努力を認めていただけたので救われました。それに、とてもわかりやすいフィードバックをくださったので、私の文章の課題がわかり、修正対応は本当に勉強になりました。
改めて読み直してみると、私の文章は言葉遣いが堅苦しく、まわりくどい表現が目立ちます。さらに、内容が見出しとずれている箇所も…。「読者(ペルソナ)をあんなに思って書いたはずなのに」と、自分の想像力のなさを痛感しました。
修正後の記事と比較すると、その差は歴然です。
ちなみに、ディレクターに指摘された内容はGoogleドキュメントにまとめ、今も記事の提出前に見直しています。作成した記事といただいたフィードバックは、私の大事な宝物です。
初案件で得た一番の学びは「思い切って飛び込んでみること」
初案件に取り組む間、ずっと焦りや不安で気持ちが落ち着かなかったため、乗り越えた後はとにかくほっとしました。仕事の流れを一通り経験して自信がつき、その後は新しい案件に応募するハードルが下がったように思います。
初仕事を通じて、私は失敗を恐れずにチャレンジする勇気が大切だと実感しました。
「この案件は自分にはまだ難しすぎる」
「こんな品質では提出できない」
そんな気持ちになり、応募や納品をためらってしまうことは今もよくあります。
しかし、自分から行動しないと前に進めません。それに、スキルアップのためには多少図々しくなって、ディレクターにサポートしてもらう場面があっても良いのではないでしょうか。
ライターの納品した記事は、あくまで土台であり、その後に編集されて完成するものです。もちろん、質の高い記事を目指す一方で、私は「期日内に指定文字数で納品すればひとまずOK」とも思うようにしています(とはいえ、1人で悩んでしまう時間は相変わらず多いのですが…)。
この記事を読んでくださった方も、ぜひ肩の力を抜いて、一歩ずつ進んでいきましょう!
この記事を書いたライター
かんなともみ
病院・福祉施設での相談支援業務に10年以上携わってきた経験があります。クライアントの価値観を尊重しながら、病気や障害、介護やお金のことなど、その方が抱える生活の問題を解決することに尽力してきました。複雑なこともポイントを押さえて...