私がノマドワーカーになった理由

私がノマドワーカーになった理由

まずは自己紹介をかねて、私がノマドワーカーになった経緯を簡単に説明いたします。

私は昔から「前例のないこと」「未経験のこと」に対する興味が人一倍強い性格でした。
大学では設立2年目と歴史の浅い、長崎大学多文化社会学部を選んで進学。在学中は「行ったことがない場所」「食べたことがないもの」「みたことがないもの」への興味をモチベーションに、三度の交換留学を含め海外10か国以上へ渡航しました。

2019年3月に同学を卒業した後、某人材系メガベンチャー企業に入社するも、諸事情により1年余りで退職。新しいキャリアを考えたときに「ノマドワーカーになりたい」と一念発起し、2020年6月にWebライターへと転身しました。

3年半の下積みを経て2024年1月、積年の夢であった「自動車での日本一周生活」を開始。現在は妻とふたりで、車中泊しながら全国各地を旅するノマドライフを謳歌しています。

ノマドライフを実現するために必要な5つの準備

ノマドライフを実現するために必要な5つの準備

時間と場所に縛られず、風のように世界各地を旅して生きるために、私はWebライターになりました。

ここでは、私がWebライターという職業を通じてノマドライフを実現するうえで、とくに意識した5つのポイントを紹介します。

1. フルリモート案件に絞って応募する

2. 継続的・安定的なオファーをもらえる取引先を「複数」見つける

3. 具体的な収支計画を立てる

4. 周囲に協力者を見つけておく

5. 集中できる仕事環境を整える

1.フルリモート案件に絞って応募する

当然ですが、出社しなければならない仕事をしている限り、ノマドワークは不可能です。
したがって私は、Webライター案件のなかでも、オンラインで業務が完結するフルリモート案件に絞って応募していました。

もしも「今すでにオフラインのお仕事をしていて、その仕事を続けながらノマドワーカーになりたい」という方は、会社や取引先に事情を伝えたうえで「定例ミーティングをオンライン化できないか」「進捗報告や納品連絡はメールでできないか」などと相談するのもよいでしょう。

そういった折衝の手間をなくすためにも、ノマドワーカーを目指すのであれば初めからフルリモート勤務可能な仕事にのみ応募するのがおすすめです。

2.継続的・安定的なオファーをもらえる取引先を「複数」見つける

ノマドワーカーに限らず、すべてのフリーランスに通ずる話ですが、一つの取引先すなわち一つの収入源に依存するのは危険です。

とくにノマドワーカーは、収入を依存しているクライアントとの取引がストップした場合、生計が立てられなくなれば、せっかく始めたノマドライフを途中で断念する羽目になります。

継続的かつ安定的にオファーをもらえる取引先が複数あれば、一つの取引先からの発注量が減りそうな月は他の取引先に「今月は業務リソースに余裕があるので、いつもよりも多めに執筆できます!」と追加発注を提案できます。

日ごろの仕事ぶりがよければ、仕事を増やしてもらえる可能性は十分にありますよ。

3.具体的な収支計画を立てる

「1か月で何円あれば自分は生活できるのか」を知ることは、案件獲得と同じくらい重要な準備です。

自分の支出が明確になれば、「記事単価○円の仕事を○本受注すればよい」といったように収入目標を具体的に立てられます。また、収支計画を立てていれば、当月の収入が凹んだ場合も「来月にプラス○円稼げばトントンだ」と現状を把握できます。

4.周囲に協力者を見つけておく

滞りなくノマドライフを送るためには、周囲の協力が必要不可欠です。

例えば、郵便物の取り扱い。私たち夫婦の場合、住民票はふたりとも妻の実家に移しています。行政機関や取引先から重要書類が届いた場合は、私たちがいる場所から近い郵便局まで送ってもらうよう、妻のご家族が協力してくれています。

このように、いざとなった時に頼れる家族や友人を見つけておくと、気兼ねなくノマドライフを始められます。

5.集中できる仕事環境を整える

自宅以外で集中できる仕事場所を見つけておくことも大切です。

ノマドワーカーが仕事をするためには、電源とインターネットが欠かせません。
したがって、カフェやコワーキングスペース、図書館などが主な仕事場になるでしょう。

ただし、カフェやコワーキングスペースを毎日利用するとなると、想定以上に費用がかさんでしまいます。個人的には、無料で入館できて、コンセント数やWi-Fi環境が充実している市立図書館や県立図書館がおすすめです。

ちなみに私の場合は車で日本一周をしているので、原稿の大半は車中で執筆しています。
ポータブル電源やインターネット環境はもちろん、テーブルや防寒グッズまで用意周到です。

ノマドワーカーの苦労と楽しさ

ノマドワーカーの苦労と楽しさ

ノマドワーカーの生き方は、側から見るととても自由そうに思えるかもしれません。確かに自由ですが、ノマドワーカーならではの苦労があることもまた事実です。

ここでは、私が実際にノマドワーカーになって実感した苦労と、ノマドワーカーならではの楽しさを紹介します。

ノマドワーカーのここがツラい

ノマドワーカーになるため、またノマドワーカーを続けるために感じた主な苦労は次のとおりです。

①継続案件を獲得するのが大変
② 電源スポットが見つからない

①継続案件を獲得するのが大変

ノマドワーカーとして安定した収入を得るためには、継続的な案件の獲得が不可欠です。しかし、継続的にWebライティング案件をオファーしてくれるクライアントは、簡単に出会えるものではありません。
やっと獲得した継続案件に尽力していても、「掲載先メディアの方針が変わった」「急きょ予算を削減する運びになった」など、クライアント側の事情で発注がストップするケースもあります。

② 電源スポットが見つからない

また、私のように高頻度で各地を転々とするノマドワーカーの場合、仕事道具の充電が死活問題です。
「案件の納期が近いのに、パソコンの充電が底をつき、周囲にコンセントが使えるお店や施設がない」という事態は、絶対に避けなければなりません。
私の場合は車にポータブル電源を積んでいるため、当面は車内で充電できます。しかし、ポータブル電源自体も充電式なので、図書館や宿泊施設などの電源スポットを定期的に利用しています。

ノマドワーカーのここが楽しい

さまざまな苦労はあるものの、私は「ノマドワーカーになってよかった」と心の底から感じています。

とくに次の二つは、ノマドワーカーならではの楽しみ・メリットかもしれません。

①ワーケーションができる
②仕事を通じて自己成長を実感できる

①ワーケーションができる

「あの景色を見に行きたい」「あそこで暮らしてみたい」といった夢を、仕事を理由に諦めた人は多いはず。事実として、私が「ノマドライフを始める」と周りに伝えた時、年上の知り合いは全員が「若ければ自分も挑戦した」と羨んでくれました。ノマドワーカーなら、カフェが好きな人はカフェを巡りながら仕事ができるし、海外旅行が好きな人は渡航先で仕事ができます。仕事(ワーク)と余暇(バケーション)の両立、すなわちワーケーションができるのは、ノマドワーカーになる最大のメリットです。

②仕事を通じて自己成長を実感できる

また、個人的な所感ですが、ノマドワーカーは仕事を通じて自己成長を実感しやすい働き方だと感じます。前職の正社員時代は、「組織の一部」としての自分に仕事が回ってくる感覚でした。ノマドワーカーになって、初めは単発だった案件が継続発注に変わったときは、「組織ではなく個人の力量を評価してもらえた」と感じました。付き合いの長い取引先が新しいクライアントを紹介してくれるときも、「自分の仕事を信頼してもらえているんだな」と実感できます。

仕事を通じて自分の成長を感じやすいことも、ノマドワーカーになってよかったポイントです。

ノマドワーカーになるために必要なたった一つのもの

ノマドワーカーになるために必要なたった一つのもの

いろいろ書いてきましたが、とどのつまり、ノマドワーカーになるために必要なものはたった一つ。

それは「行動力」です。

コロナ禍以降、求人サイトやクラウドソーシングサイトではフルリモート案件の数がどんどん増えています。一つの仕事だけでは十分な収入が得られない場合も、フリーランスなら複数の仕事を同時に掛け持ちできます。

実際にノマドワーカーのなかには、私の専業ライターもいれば、ライティングと並行して動画編集やWebデザインの仕事をしている方もいます。

一歩を踏み出す「行動力」があれば、資格や経験がなくてもノマドワーカーになれます。ノマドワークやワーケーションに興味がある方は、情報収集や案件応募など、どんなことでもいいので小さな一歩から始めてみてくださいね。

この記事を書いたライター

執筆者

榎本力良

ノマドワーカー。学生時代はカナダ・中国・ドイツの3か国への交換留学を含め世界10か国以上に滞在。民間就職後、「時間と場所に縛られない自由な人生」を志向してライターに転身。2024年1月からは妻と2人で日本一周のバンライフを開始。2025年以...

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