カフェに行けない報酬額

カフェに行けない報酬額

記念すべきライターの初仕事は、大手クラウドソーシングサービス経由でいただきました。「買い物の注意点に関するコラム」を書くお仕事です。テストライティングもなく、比較的すんなりと契約に至りました。

  • 文字単価 0.2円
  • 文字数 1,000文字/記事
  • 契約本数 5本


コラム1本200円、5本で1,000円のギャランティ。いまなら「それじゃ缶コーヒーしか買えませぬ、せめてカフェのコーヒーを飲める単価で…」と交渉する金額です。でも、何の人脈も実績もなかった駆け出しの私は、仕事をいただけたことが嬉しくてたまりませんでした。あの頃の私は実に可愛かったぞ、うん。

無事に初仕事を獲得した私は「運送業と物書きを両立させている自分」に酔いしれながら、ここぞとばかりにコラムを書き始めました。

超有料級スペシャルおまけ

超有料級スペシャルおまけ

このお仕事は、ただ単にコラムの本文を書くだけではなく、実にAtoZな内容でした。

  • テーマ決め
  • 構成案作成
  • 本文作成
  • 画像選定(フリー画像から選ぶ)
  • WordPress入稿
  • 文字装飾


いろいろと知恵がついた現在の私なら「これでは単価がアレですね、あと10倍はアレしていただかないと」と絶対に言うところです。しかしこの案件には、初心者ライターの私が必要としていた、ある超有料級スペシャルおまけがついていました

それは「WordPress入稿マニュアル」!!!

WordPressとは、Webサイトを作るためによく使われる「CMS」というツールの1つです。ライターの仕事において、WordPressへの直接入稿はポピュラーな納品方法。これがNGだと、やりたい仕事に応募できないことがあるくらいです。

初仕事についてきた「WordPress入稿マニュアル」は、どんなHow toサイトよりもシンプルかつ優秀でした。ナニソレ状態だった初心者の私でも、マニュアル通りに一通り操作しただけで、画像と文字修飾つきの記事を簡単に作れたほどです。

ここで報酬をいただきながら覚えたWordPress入稿は、駆け出しの私にとって、とても大きな強みになってくれました。

その後のてんまつ

その後のてんまつ

幸いなことに、初仕事はクライアントから合格をいただくことができ、晴れて継続案件となりました。文字単価も0.05円upして、駆け出しの私はそれだけで大満足。5本1契約の条件は変わらないまま、数回リピートしていただきました。

しかし、このお仕事は「買い物の注意点に関するコラム」。最初のうちはテーマがすぐ見つかったものの、案件が続いていくにつれ、だんだんアイデアが枯渇していきました。

5本書かなければならないのに、寝ても覚めても暑くても寒くても、何をどうやってもネタが出てきません。納期がないお仕事とはいえ、最後には記事と記事の間が1か月も空く始末。さすがに申し訳なくなった私は、絞り出すように最後の1本を書き上げると、そのまま契約終了を申し出ました。

駆け出しの私が何本も経験を積ませていただいた、懐かしい初仕事の思い出です。書き続けた記事はそのまま私の実績として、営業の武器になってくれました。「実績として記事を出してもいいですよ、次のお仕事を獲得するのに使ってください」と言ってくださったクライアントには、いまでも感謝しています。

いまになって思うこと

いまになって思うこと

ライターの世界は、経験と実績がモノを言います。ほとんどの募集要綱には「これまで書いた記事を提示してください」という一文がありますので、初心者はとにかく実績作りが急務です。最初のうちは単価が安くても、どんどん応募して仕事を受け、実績という武器を積み上げることが大切だと私は思っています(※超個人的な意見)。

現在はAIもライティングができるので、私がお世話になったような初心者向けのお仕事は、少しずつ減っていくのかもしれません。私も実際に、最初の頃にいただいていた継続案件を、AIに取られてしまったことがありました。あのときは悔しかったなあ……。

初心者歓迎案件のなかには、私の初仕事のように、有益なマニュアルがついているケースがあります。当時は価値がわかりませんでしたが、お金をいただいてWordPress入稿を身につけられたなんて、いま思うと本当に幸運でした。

ライターの仕事を続けるには、覚えなければならないことが山よりたくさんあります。初心者のうちは、文字単価だけでなく「この仕事で何を身につけられるか」も同時に考えると良いですね。私がWordPress入稿を覚えられたような、超有料級スペシャルおまけつきの案件を探してみてください。

この記事を書いたライター

執筆者

さわきゆり

人見知りをまったくしないフリーライター。誰かの「必要」に応える記事を紡ぎます。読みやすいけれど印象に残る、芯の通った記事作りをモットーに活動中です。好きなものはバイクとサッカー観戦、嫌いなものは庭の雑草とオバケ(ただし霊感はま...

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