初仕事は200文字×20件で4,000円!全てが手探りの始まり

初仕事は200文字×20件で4,000円! 全てが手探りの始まり

初仕事はお世辞にもうまくできたとは言えません。課題が多く残り、「二度とやりたくない」と思ったことは、はっきり覚えています。

最初の仕事はクラウドワークスで受注したもので、200文字×20件で報酬は総額4,000円バレンタインのおすすめチョコレートを紹介する案件でした。1件あたりの単価は200円、文字単価は1円です。

マニュアル等はほぼなく、「です・ます調で書く」などの指定はありましたが、自由な書き方でよかったと思います。当時の記録が現在確認できておらず、不正確な点はあるのですが、こんな感じの条件でした。

喫茶店で1日作業して時給200円を下回り絶望する

私がWebライターを始めたときは会社を辞めて1年が経ち、実家で生活していました。実家にはインターネット環境もなく、自宅での仕事ができる状態ではありません。そのため、家から一番近い喫茶店で、コーヒーと昼ごはんを食べながら1日作業しました。

ネットはお店にあるフリーWi-Fiを使っており、セキュリティ体制も何もない状態です。加えて回線のスピードが遅く、記事についてもわからないことだらけ。

「どの商品を紹介すれば良いの?」「何を書くべきなの?」

すべてが手探りです。

その結果、10時から20時ごろまで1日喫茶店に滞在して、200文字の記事を8件程度書くのが精一杯でした。初めての仕事で初日の成果は以下の通り。


喫茶店代:1,000円(1日滞在したのにケチケチして申し訳なかったです)

記事単価:200円×8件=1,600円

1日の成果を振り返って、喫茶店代を払ったら、手元には600円しか残らないという結果に対して、挫けそうになったことは、はっきりと覚えています。

実績を積むためにと思って始めたものの、本当にこれから大丈夫かと不安になるには十分でした。

初仕事の学びとその後について

当時のこの案件を最終的にどうしたのか、記憶は曖昧で、やり切りはしましたが継続はできませんでした。なんにせよ、「こんな仕事は2度としたくない」という気持ちと「スキルを身につけないとダメだ」という気持ちが強く残ったことを覚えています。

どのような記事を書いたのかは曖昧ですが、ライティングの基礎も知らないまま受けているので、文章の構成も質も決して高くはありませんでした。

記事執筆のスピードも、記事そのものの質もこのままだとダメだ、ということを実感して、ライティングの講座に通い始めました。

初仕事のときの自分に言いたいこと

初仕事のときの自分に言いたいこと

当時の自分に対して、5年経過した今だからこそ言えることがあります。

どうやったら仕事を取れるのか、どんなスキルを身につけるべきだったかということ以上に、今だからこそ思う大事なことをお伝えしたいと思います。

やり切ったことが大事

どういったクオリティであれ、どんなに低い報酬であれ、一度依頼を受けた仕事をやり切ったことが私にとって大事なことでした。

同じような条件の案件を受けることは二度とないと思いますが、やり切ったからこそ現状のスキルや課題が見えてきたのは間違いありません。

「先に講座を受ける」という選択肢もあるとは思いますし、それが間違いだとは思いませんが、先に仕事をやってみたことで、講座を受ける必要性をより実感できて、モチベーションが上がったとも思います。

ただ、初仕事を終えた当初はそんなに前向きな気持ちにはなれませんでした。


「記事の質に課題がある気がするが、どう改善すべきかわからない」

「生産性が悪く、本当に今後スピードが上げられるか不安」

「こんな生産性の悪い仕事は受けるべきじゃなかった」

こんな不安は当然あって然るべきだったと思います。また、自分に向いていないなどの理由で受けないほうがよい仕事もあるため、どんな案件でもやるべきだとは思いません。

ただ、どういう案件であれ、ひとつの仕事をやり切ったことには価値があります

個人事業主は自分ひとりの仕事のため、厳しい納期や案件に対して「諦める」という選択肢がよぎることがあります。

ただし、本当に諦めると取引先からの信頼は永遠に失われてしまいます。初仕事の際、安易に辞めるという選択肢を選ばなかった自分に対しては、「やり切ったことには大きな意義があった」ということを伝えたいですね。

自分が胸を張れる仕事をしたかを考える

もうひとつ、初仕事の際の自分に対して伝えたいのは、「胸を張れる仕事ができたかどうかを大事にしてほしい」ということです。

私は経験やスキル不足、時間の制約で、自分が納得できない状態の記事をクライアントに提出しました。

クライアントから指摘や修正をもらってはいませんが、「もっと良くできたはずだ」という気持ちが残っていたことを覚えています。そのしこりのような気持ちから、私は駆け出し当時の貴重な作業実績であるその記事をポートフォリオとして公開できませんでした。

また、初仕事後の私は「記事の報酬が費用対効果にあっているか」をより重視して考えるようになります。

費用対効果はライターとして仕事をする上で大切な考え方です。ただ、私の場合は報酬にあわせて仕事に費やす時間を決めてしまい、記事の質に影響するようになってしまったこともありました。当時仕事をくれたクライアントに対しては大変申し訳なく思うのですが、やっつけ仕事になってしまった案件もあったと思います。

初心者ライターの場合、記事単価がよくても慣れないテーマや要求レベルの関係から、想定以上に時間がかかることは少なからずあります。

初めての案件のように時給が200円を下回ることはありませんでしたが、「アルバイトのほうが報酬は良いのでは…」と感じた場面は一度や二度ではありません。

しかし、だからと言って費用対効果ばかりを優先し、自分がやれることをやり尽くさずに記事を納品すると、「自分はベストを尽くさなかった」という悔いが残ってしまう人もいます(少なくとも私はそうでした)。

費用対効果ばかりを考える仕事の仕方は自分の成長機会を逃してしまい、長期的な目線で見ると確実に不利益をもたらします。

ライターを始めたばかりの頃はお金に困る場合も多く、費用対効果を優先することに過剰に流されやすくもなります。しかしその時期に「これが自分の書いた記事だ!」と胸を張れる文章を書き、スキルや実績をちゃんと積むことが大切です。

まとめ:やり切った自分はえらい

まとめ:やり切った自分はえらい

初めての仕事はうまくいかず、「本当に今後も続けていけるのか」と不安に思う結果になる人も少なくないでしょう。私自身もそのひとりです。

ただ、ひとつの案件を受注し、最後までやり切ったという行動はどのような結果であっても価値があるものです。たとえそれが失敗だったとしても。

「失敗でも行動したことがえらい」ということは、初仕事のときの自分に対しても、これからライターになろうとしている人に対しても、しっかりと伝えたいと思います。

あなたが最初の一歩を踏み出す助けになれば幸いです。

この記事を書いたライター

執筆者

城裕介

産業カウンセラーを目指し勉強中のフリーランスのWebライター。会社員時代はうまく周囲と関係を築けずに思い悩む日々を過ごしてきました。ここまでの経験を活かして、仕事の悩みを乗り越えるお手伝いがしたいと思っています。最近は登山とサウナ...

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