ネガティブな出来事からライターの道へ

ーーまず経歴について教えてください。

わたなべ:学生生活を終えてから、トータルで10年ほど企業に勤めていました。結婚を機に職場を離れてからはずっと専業主婦です。夫の駐在で約5年間を海外で生活し、日本に帰国してからもライターになる前は専業主婦。

毎日家事に追われ、2人の子どもたちに振り回される日々でした。上の子が中学生、下の子が小学校高学年になったときに、マーケティング会社が主催するライティング講座を受講。その後ライターとして活動しています。

ーーわたなべさんがライターになろうと思ったきっかけは?

わたなべ:「仕事したいな」って心境になっても、夫は転勤の多い会社に勤めているのでこれからも引っ越す可能性があります。それを考えると、企業に所属してオフィスに通勤する働き方ではなく在宅でできる仕事がいいなと思いました。

「どこにいても続けられる仕事って何だろう?」って考えたときに「ライター」という職業がピッタリ当てはまったんです。でも、すぐには動けませんでした。

なぜなら、子どもが学校へ行けなくなったから。仕事をしようと思ったら不登校……自分のことは全部後回しで、まったく動けませんでした。というか、動こうと思いませんでしたね。仕事を始める意欲もなくなっていました。

しばらく子どもが家にいる状態が続いて、不登校についての知識を深めるうちに「子どもの問題ではなく、私の問題だ」と気づいたのです。自分が満たされなければ、子どもを満たしてあげることはできません。子どもが不登校だからできないと思い込んでいたライティングの勉強も、後回しにせずやりたいならやればいいんだって思えたんです。

当時を振り返ると「自分がやりたいと思えば、何歳からでもチャレンジできる」って子どもに伝えられたかなと思います。不登校はネガティブな出来事ではあったのは確かです。一方で、この経験があったからこそ私はライターになって教育関係に特化した記事を執筆しています。だから、きっかけをくれた子どもには感謝ですね!

ーーお子さんの不登校がわたなべさんをライターへ導いたのですね!では、実際にどうやって仕事を探されたのでしょうか?

わたなべ:最初は、クラウドワークスなどの仲介媒体に登録して案件に応募していました。今も継続して受注しているコラム執筆もクラウドワークスからです。ほかには、Xでライター募集のポストを見つけてDMを送ったり、知り合いから直接依頼を受けたりですね。


教育関連の案件を見つけたら、積極的に応募しています。リサーチすればするほど自分の知識も深まる点に魅力を感じるので、得意分野以外でも興味を持ったら応募します

実際にライターになって感じたことは?

実際にライターになって感じたことは?

ーーライティングの魅力を具体的に教えてください。

わたなべ:教育関係の記事を執筆して「読者さまから嬉しいコメントをいただきました」とクライアントさんから連絡を頂いたときは、胸がいっぱいになりました。自分の書いた文章が読者の悩みを解決したり共感を生み出せたり、それを初めて実感したときにライターの仕事って魅力的だなって思いました。

リサーチを通して自分の知識が上乗せされるのも魅力的だと思います。この世の中は、私の知らないことだらけです。書く前の下準備で新たな発見をしたり、間違った理解をしていたと気づいたりするのが楽しいですね。

ーーライターの仕事について思うことは?

わたなべ:ライターの仕事は、パソコンがあれば誰でもできます。時間や場所にとらわれず、柔軟な働き方ができるので副業で始める方も多いですよね。そのなかで、なかなか文字単価が上がらず辞めていく人も多い。AIの精度がより高くなればライターの仕事はなくなるかもって危機感を持っている方も多いと思います。

ライターの仕事を続けるには、ライティングのスキルを磨くのはもちろんのこと、営業力やマーケティングスキルも身につける必要があるのではないでしょうか

私自身は、仕事の幅を広げるよりも「わたなべさんに書いてもらいたいな」って言われるような内容の記事を執筆したいですし、そこを追及したい欲がありますね。笑。

ーーわたなべさんにとって理想的な働き方ができていますか?

わたなべ:ライターの仕事って、好きな時間に好きな場所で書きたいことを書いて収入を得られると思っていました。実際に仕事を始めたころは、日中の時間だけでは終わらず家族が起きる前の早朝や寝静まった深夜に執筆することもしばしば。カフェでコーヒーを飲みながら仕事するなんて余裕もありませんでした。

理想は自分のペースで執筆できて、毎月それなりの一定収入がある働き方です。そこにたどり着くには、もう少し時間がかかるかも。納期が迫ってくると自分のペースでなんていってられません。ディレクションをしているとチャットツールにメッセージが入っていないか気になって仕方がない日々です。

自宅で仕事をしていると子ども優先になりがちだし、平日に用事が重なると執筆は土日にするしかありません。あたりまえですが、書かなければ収入が減るだけです。理想の働き方はまだ程遠いものの、少しずつ自分の成長も感じられてライターになった当初よりは心に余裕ができたかなと思います

ーー理想に近づくための考えや工夫を教えてください。

わたなべ:理想の働き方が現実化するかどうかは自分次第で、思い通りにいかないもどかしい時間も今は必要な期間だと思っています。「今はこういう設定になっているんだ」って思うようにしていると、焦らずに今現在の状況を受け入れられるんです。


コーチングを学んでいるのもあり、仕事や子育てにおいてマインドセットは常に意識していますね。自分がずっと昔から持っている価値観やこだわりって、実はどうでもいいようなものも多いのかもしれません。子どもの不登校をきっかけに、本当に必要なものが何かをよく考えるようになって仕事にも活かせています

自分の強みとこれから

自分の強みとこれから

ーー最後に、わたなべさんの強みやこれからやってみたいことがあれば教えてください。

わたなべ:教育関連の記事は、これからも機会があれば書き続けたいです。特に、不登校については専門家から多くのことを学びました。子どもの不登校で悩んでいる親御さんって本当に多くて、当事者にしかわからない辛さがあります。その気持ちに寄り添えるのは、実際に子どもの不登校を経験している私の強みだと思っています。

これからやってみたいこと……そうですね、インタビュー記事の執筆もブックライティングもやってみたい。そして、先ほど触れたように「私にしか書けない記事」を書いていきたいです。そこに向かってじっくりコツコツ淡々と、丁寧に文章を書いてスキルアップしていきたいと思います。

この記事を書いたライター

執筆者

わたなべ

Webライター&ディレクター。オンライン学習塾のコラムや起業家さまのブログ執筆を中心に活動中。子育てに思い悩む日々を過ごしながらも「自分の人生は自分のもの」と気づきライターの道へ。コーヒーとチョコレートと自分の時間をこよなく愛する...

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