24時間働いた駆け出し商社マン時代

24時間働いた駆け出し商社マン時代

ーーまず、ジョンEさんの経歴について教えてください。

ジョンE:私は、日本の高度成長期が終わってしばらくした頃、大学を卒業して総合商社に入社しました。商社では、機械部門で輸出を担当しました。

日中は業者に電話をかけまくり見積もりの依頼をして、頻繁に来る来客者の応対で時間が過ぎました。夜になりやっと時間が出来て見積もりを海外に送るのですが、そのテレックスの原稿作りで遅くまで残業の連続でした。

パソコンとインターネットの時代になり、現在のようなオフィスの中の静寂が当たり前の世界がやってくるとは当時は全く想像もできませんでした。

その後、海外駐在、経営企画部、投資先への海外出向を勤めた後退職しました。退職後は政府機関の嘱託として中小企業の海外進出支援パートナーとして仕事は順調だったのですが、コロナ禍で海外渡航禁止となり支援がなくなってしまったのです。

しばらく、社会とつながる仕事はないかと色々探しているうちに、Webライターを見つけ、現在に至ります。

ーー海外駐在はどこにされたんですか?

ジョンE:最初の駐在地は、アルゼンチンのブエノスアイレスでした。当時は狂乱物価の中で、毎日値段が上がるため、レストランのメニューには値段が書かれていませんでした。南米のパリと呼ばれ、ヨーロッパの街並みでパリの街のように歩けました。

2番目は、南アフリカのヨハネスブルグです。車で4~6時間行くと、ビック5(ライオン、ヒョウ、ゾウ、サイ、バッファロー)が生息する四国位の広さの自然保護区があります。

3番目はメキシコのアグアスカリエンテスで自動車部品メーカーの現地法人、4番目は、アメリカのロサンゼルスで電子機器メーカーの現地法人におりました。最後は、ブラジルのリオデジャネイロです。リオのカーニバル、イパネマの娘で有名なところです。地震、台風などの天災がなく、気候も恵まれています。ただ、治安には不安があります。

どの国にも共通しているのが、徹底したレディーファースト、シニア・ハンディキャッパーファーストです。我先にが当たり前の日本男子では考えられない態度ですね。

ライターに無関係なことばかり話してすみません。そろそろ話をライティングに戻しましょうね。

なんちゃってライターから真のライターへ

なんちゃってライターから真のライターへ

ーーお聞きした経歴から、どのようにライターにつながって行くのでしょうか?

ジョンE:経歴からは、全くライターにつながりません。コロナ禍で、海外へ出張ができなくなり、政府機関の企業の海外進出支援の案件もなくなりました。

当初、社会とのつながりを持っていたい、毎日やれる仕事が欲しい、できれば自宅で時間拘束もない中でできる仕事をしたいという条件に合う仕事を探しました。

米国Google社のSEOの仕事や、英語・スペイン語・ポルトガル語の翻訳の仕事のテストも受けましたが、相当ハードルが高いことを実感して断念しました。そんな時、クラウドワークスで文字単価0.1円のWebメディアの記事作成を発見しました。安い分、厳しい要求もないだろうと思い、0.1円でしばらく勉強するつもりで、申し込みました。

最初の記事の納品の時には、クライアントは自分の記事に対して報酬を支払うと思うと、大きなミスを見落としてないか不安で納品ボタンをなかなか押せなかったです。

こうして、ライティングを始めたのがライターのきっかけとなりました。

ーーどうやってライターとして経験を積まれたのですか?

ジョンE:3か月位文字単価0.1円の仕事を続けて、なんとなくレギュレーションとか構成シートとかの意味もわかり、文章は作れるようになりました。さすがに0.1円は安いと思い始め、0.5円の仕事に応募を始めました。

ラッキーにも、数記事納品後に、これまでクラウドワークスのメッセージでやりとりしていたところ、チャットワークに移って仕事を続けるようにクライアントより指示がありました。 

100件ほどリストアップされた不用品回収がテーマの記事原稿執筆を、数人のライターさんで、1か月で全て完了させるような仕事でした。私は、リストの中のテーマをGoogleで検索して、参考記事が多そうなテーマを1度に3~4件選び執筆しました。とにかく手を早くするため多くの記事を書き早く納品する一心で1日中書きまくったものです。

ここで初めて無料コピペチェックツールの「CopyContentDetector」通称CCDを知り、一致率を40%以下に収める作業が自分のルーティンに加わりました。

このクライアントのリスト案件は3か月しか続かなかったのですが、同じクライアントから0.5円で原稿を作成しWordPressへ入稿する案件が入るようになりました。WordPressはエンドユーザーのもので、クライアントは元受けして私に下請けする形態でした。記事ごとにエンドユーザーが異なり、WordPressのスペックも毎回違い苦労しました。

WordPressなど全く触ったこともなくて、 マニュアルもないと言われてしまい、基本は独学、OJTでクライアントにチャットワークで質問しながら、 入稿の数をこなしました。

クライアントの先のエンドユーザーによって、WordPressの旧エディターである「クラシックエディター」か、新エディターの「グーテンベルク」かで入稿作業が異なり、覚えるまでが大変でした。今でもグーテンベルクは、クライアントが変わると、新たな使い方をしており、苦労します。 

WordPressにも慣れて1年経った頃、文字単価1円の案件に応募しました。WordPressのテンプレートに入稿する買取・不用品回収・美容外科・医療脱毛のジャンルのおすすめ記事です。1回に10~20記事まとめて依頼があったので、これも朝から晩まで必死に作業しました。

だいぶ実力が付いたと過信して、WordPressで文字単価2.0円のiPhoneについてライティングして原稿を入稿までする20,000文字の仕事にチャレンジしたのですが、グーテンベルクの操作方法は知らないことだらけで、ギブアップしました。iPhoneのグーテンベルグは、カスタム化したスペックになっており、マニュアルをしっかり理解できてないと使いこなせませんでした。
現在の自分の実力は、文字単価1.0〜1.3円の仕事のレベルだと思います。

ーー主にどんな分野で執筆されているのでしょうか?

ジョンE:現在は、週に2回、太陽光発電や投資に関する記事を執筆しています。また、美容外科や医療脱毛に関する依頼を受けることもありますが、不定期です。過去には、歯科矯正やゴミ屋敷に関する記事を何十記事も執筆したことがあり、今でも依頼があれば対応できます。

さまざまな分野の仕事を受けていますが、クライアントの都合で突然仕事が途切れることもあります。自分で取引先を2社に絞って時間を空けておいても、アイドルタイムが出てしまうこともあるため、常日頃から多くのクライアントさんとパイプを通じておくことが必要だと感じています。

ーーもともと得意な分野だったんですか?

ジョンE:太陽光発電に関しては、以前に仕事で関わったことがあるため、知識を持っています。また、株式投資に関しても経験があり、知識を持っています。最初は他の分野の依頼もあったのですが、記事の品質が高かったためか、現在は太陽光発電と投資を深堀する記事の依頼のみになりました。

ーーライティングで目指していることはありますか?

ジョンE:今年のライティングの目標は、WordPressのグーテンベルク(テーマSWELL)の機能を使いこなし、前述の文字単価2.0円のiPhoneの記事を書くことです。また、参考記事を見ながら記事を書く“なんちゃってライター”ではなく、自分で考えて記事を作成する本当のライターの仕事にもチャレンジしたいと思っています。

ライターはシニアの理想の仕事!

ライターはシニアの理想の仕事!

ーー最後に、ライターとして伝えたいことは何かありますか?

ジョンE:日本人の平均寿命は延び、元気なシニアが目につくようになりました。しかし、日本社会はいまだに昭和の年功序列制度を引きずっており、ある年齢になると元気で能力が落ちていない人でも機械的に社会から退場させられます。10年もすると日本もアメリカのように本人が働きたいなら死ぬまで働ける社会になるのでしょうけど。

ライターは、社会とつながることができ、1日適度なストレスの中で作業に没頭でき、自分のペースで自宅で仕事ができます。元気なシニアの活性化にうってつけの職業の1つです。

最初の壁を超えるのには根性と忍耐を要しますが、トライしてみる価値があると思います。

この記事を書いたライター

執筆者

ジョンE

シニアライターです。総合商社、海外進出コンサルを経て、2022年夏からWebライターを始めました。コロナ禍前は2か月に3回の頻度で出張し、アメリカ、メキシコを庭のように企業の若い人と飛び回ってました。20年前LAに駐在した時に始めたランニン...

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