システムエンジニアを辞めてフリーランスのライターに

システムエンジニアを辞めてフリーランスのライターに

ーーはじめに、プロフィールを教えてください

はじめまして。フリーランスのライター「taku」と申します。

前職では、9年間システムエンジニアとして勤めていました。業務の忙しさに負担を感じて退職し、2020年からライターとしての活動をスタートしています。

ライター歴は、2024年で5年目を迎えました。現在は、SEO・取材・コラムなどの幅広い執筆案件に携わっています。

ーーライターを選んだきっかけは何ですか?

ライターを選んだ理由は、正直に言うと「なんとなく簡単そう」と思ったからです。当時はシステムエンジニアの忙しさと管理職のストレスに疲弊していたので、精神的にのんびりと稼げそうな仕事しか選ぶ余裕がありませんでした

また、フリーランスになった2020年は、コロナ禍で外出すら自粛していた時期です。自宅でできそうな仕事を探していたところ、たまたま見つけたのがWebライターの仕事でした。

ーーライターになって変化はありましたか?

ライターになった大きな変化としては、よくも悪くも業務量を自分でコントロールできることです。元々システムエンジニアの業務負荷に精神的な負担を感じていたので、自分のペースで業務できる状況にやりやすさを感じています。

一方で、すべてを自己管理しないといけない責任の重さも感じています。とくにフリーランスは少しサボってしまうだけで、収入だけでなく信頼も失ってしまう立場です。会社員時代より、良い意味でプレッシャーを感じながら仕事をしています。

毎月給与がある会社員とは異なる、フリーランスの働き方に興味がありました。働き方次第で「大きな収入を得るチャンスがある」という話も聞き、自分自身が「どれだけできるか挑戦してみたい」という気持ちが高まっています。

ライターになって経験した挫折と成長

ライターになって経験した挫折と成長

ーーライターを始めるために準備したことはありますか?

ライターを始めるために、2冊の参考書籍を読んで勉強しました。「わかりやすい文章力」「SEOに強いWebライティング」がテーマの本です。

そして、2冊の参考書籍を読んで学んだ知識だけを武器に、クラウドソーシングサイトでの受注活動を開始しました。当時の自分は「執筆業務なんて文章を書くだけ」と、ライターの仕事を本当に軽く見ていました。

ネットでWebライターの始め方を調べてみると「独学で大丈夫」「簡単に稼げる」といった謳い文句が目立ちます。いまとなってはライター業務の難しさを身に染みて実感しているのですが、信ぴょう性のない言葉をまんまと真に受けてしまいました…。

ーーライターの仕事には苦戦しましたか?

想像以上に苦戦しました。クラウドソーシングサイトで案件に応募しても、なかなか採用してもらえません。いきなり心が折れました。

ようやく受注できたのは、初心者を大量募集していた文字単価0.5円の案件です。必死にがんばっているはずなのに、当時の月収は2〜3万円ほどでした。会社員時代の月収と比べてしまい、稼げない自分に情けなさを感じてしまいました。

さらに、執筆業務のリサーチにも苦戦しました。執筆業務では、事前知識のないテーマを担当する機会もあります。記事を納品するために、執筆する何倍もの時間をかけて必死にリサーチしていました

何を書けば良いのかわからず、執筆する手が進まない状況ばかりです。文章の書き方を知っているはずなのに、頭の中が真っ白になってしまうことも多々ありました。

ーー苦労を乗り越えてライターを続けられた理由は?

ライターの仕事を軽視した結果、まったく稼げない自分自身に悔しさと恥ずかしさを感じたからです。文章力もSEOも真剣に学び、素人なりに戦略を立てて挑みました。しかし、悔しいくらいに稼げませんでした。

そこで、自分自身への反省も込めて、納得できる結果が出るまで「本気で取り組もう」と決断しました。

"Webライター"と検索すると「ヤバイ」「オワコン」などのネガティブなワードが目立ちます。しかし、ライター業務への向き合い方を変えたことで、世間的なイメージとのギャップを感じました。

Webライターの仕事は、こたつで書けるほど単純ではありません。学ぶことがたくさんあり、本来は読者の悩みや疑問を文章で解決できる魅力的な仕事です。

だからこそ、Webライターの価値を理解し、業務に正しく向き合う必要があると感じました。そんなきっかけがあり、いまでは「Web記事でどこかの誰かの悩みや疑問を解決しよう」がテーマのブログで情報発信をしています。

人や社会に貢献できるライターを目指して

人や社会に貢献できるライターを目指して

ーー現在はどのような記事を書いていますか?

システムエンジニアの業務経験を活かして、おもにIT系のジャンルでSEO記事やコラム記事を執筆しています。

また、フリーランスとして、お金や保険にまつわる知識を勉強していました。FP3級の資格取得を機に、金融系のジャンルにも業務の幅を広げています。

案件の受注は、クラウドソーシングから直接契約へと徐々にシフトしています。個人ブログでの情報発信をスタートしてからは、ダイレクトに案件の依頼や相談を受ける機会も増えました。

ーーライターとして今後の目標はありますか?

ライターとして、生き物や環境保全の仕事に携わりたいという目標があります。水族館や動物園に行くのが個人的な趣味であるため、各施設の取り組みに「協力したい」という思いがありました。

実はシステムエンジニアを辞めるときに、水族館への就職を目指した時期があります。とはいえ、あまり現実的ではなかったため、いまの自分にできる範囲で貢献できることを見つけようと思いました。

そして、動物園や水族館などの博物館施設や研究者の取り組みを取材し、発信するような立場で貢献する目標を立てました。現在は取材案件を積極的に受注しながら、目標に向けたスキルアップに取り組んでいます。

ーーライターの仕事のやりがいを教えてください

個人的には文章で人や社会に貢献できることが、ライター業務のやりがいだと思っています。

重たい荷物を運ぶ力がなくても、人の心をつかむトーク力がなくても、知識や経験を文章にのせて読者の背中を後押しするパワーが届けられます。ライターの仕事を経験して、率直に感じた「Webライターの価値」です。

とくにフリーランスは、仕事やキャリアを与えられる立場ではありません。だからこそ、何かに貢献しながら、先へつなげていく意識が必要だと感じています。

クライアントに貢献すれば、次の案件を依頼してくれるかもしれません。過去の実績が新たなつながりに発展するかもしれません。だからこそ「ただ報酬をもらって終わり」ではなく、貢献する意識で取り組む必要があると思っています。

ーーこれからライターを目指す人にメッセージをお願いします!

ライターになった当初は、苦労ばかりで何度も挫折しました。しかし、いまでは「ライターになってよかった」と実感しています。

その理由としては、自分がやりたいことを見つけて、前向きな気持ちで取り組めているからです。

5年目を迎えたいまも、収入や実績のすべてが順調なわけではありません。それでも、30代半ばを迎えても、将来の目標に向かって前向きに挑戦できている現状にやりがいを感じています。

この記事を書いたライター

執筆者

taku

愛知県在住のフリーランス。SEOから取材記事まで幅広く対応するライターです。執筆業務をとおして「人や社会の役に立つ」をモットーに活動しています。水族館で生き物を見たり、ボーっとしたりするのが好き。たまに海の中に潜ります。

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